どもー。
デスカイザーです。

FGOネタでハサンについて調べた記事のアクセス数が急に伸びててびっくりしてます…(笑)
6章で色んなハサン出てきたから?

みんな、ハサンと一緒に戦おうぜ!



んじゃ、今日のラノベ!

踊り場姫コンチェルト

メディアワークス文庫より
『踊り場姫コンチェルト』です。


【あらすじ】

その日、踊り場でひとり佇む君と出逢った――
彼女と僕が奏でる、青春吹奏楽ストーリー。
全国大会を目指すべく、県立伊佐美高校吹奏楽部に入部した梶浦康規。
真面目で正確な演奏しか取りえがない康規が命じられたのは、天才的な音楽の才能を持ちながら、破滅的な指揮を振りつづける問題児「踊り場姫」藤野楡を、まともな指揮者に生まれ変わらせることだった。
周囲に関心がなく自分の思う指揮を振る楡には取りつく島もなく、演奏は空回りを続けるばかり。
どうすれば、彼女と周囲の歯車とを噛み合わせることができるのか。コンチェルトを奏でることができるのか……。
青春の踊り場にいる彼女と僕の、吹奏楽ストーリー。



感想:★★★★★

元吹奏楽部員の岬鷺宮先生の描く物語。

表紙の美しさに目を奪われ、さらにそれに負けないくらい美しい内容に心奪われました。



表紙に小さく書いてある「The revolving star & A watch maker」(廻る星と時計師)という一文が、楡(にれ)先輩と康規の関係を綺麗に表していることに本編を読んだ後に気づいて感動しました。

音楽にしか自分を見いだせない楡先輩は一切の妥協をすることなく”自分”を曲や指揮に乗せて表現し周りがコントロールできないような様が、まさしく暗闇の中で誰にも邪魔されることなく輝く星であり。

楡先輩をコントロールするのではなく、そんな彼女と周囲とをつなぐ歯車となり、また全体を俯瞰して組み立てていく康規はまさしく時計師。
「動く歯車を一番最初に見る存在」という意味でも、音楽に対しての楡先輩の想いを最初に知ることになる康規にぴったりかもしれません。



また、表紙と口絵の意味も、読後に考えるとすごく…良いです。

表紙が「夕焼け+康規と楡先輩」という構図なのに対して、口絵は「夜空+楡先輩ひとり」という構図。

きっと口絵のほうは康規は「踊り場姫」こと楡先輩と偶然初めて見た際の光景であり、楡先輩が目を閉じていることが「周囲を見ずに自分を全力で表現する」という最初のスタンスを表現しているんだと思います。

それに対して表紙のほうは、本文中にそのままのシーンがあるわけでは無いですが240p前後で楡先輩と康規が本当の意味で歩み寄った後の練習風景なんじゃないかと思います。
そして、楡先輩が目を開け、康規の様子を伺いながら踊っているというところが楡先輩の成長の表れなんです!


自らを表現するだけでなく、相手に(康規に)伝えたい。


もしかしたら音楽をする人からしたら当然の感覚かもしれないけど、楡先輩が今までどうしても気付けなかった感覚で。
楡先輩の最初の指揮の良さを殺すことなく、かといって自分本位に終始するのでもなく。
確かに生まれた楡先輩と康規との繋がりの形が、この表紙なんだと私は思います。






今作の見所のひとつとしてやっぱり楡先輩の成長あるいは発展が挙げられると思うんですが、それに関してどうしても「素晴らしい!」と言いたいことがあります。

それは、楡先輩の感情表現の成長に対して康規が強く言及していないこと。


最初は無表情キャラだった楡先輩ですが、ラストシーンでは確かな笑みを浮かべて会話するまでになります。
そこに至るまでにはいくつかきっかけや転機があったんですが、(おそらく)一番最初の変化以外、康規が楡先輩が確かな感情表現をしたことに驚くような描写(「あれ?今……笑った?」みたいなやつです)が無いんです。

そのおかげでストーリーがぶつ切りにならずひとつの連続したものとして自然に認識できたというのと、楡先輩の変化を当然のものとして受け入れている康規の人としての優しさというかなんというか…暖かさ?が感じられたのがすごい良かったです!




自分の生きる意味に迷いかけたらこの本を読み返したいですね。


あ、最後に。
本文12pで康規が夜空を見上げた際に頭に浮かんでいた「The seventh of July」、通称「たなばた」という曲の動画がYoutubeにあったので貼っておきます。
これを聞きながら読むと、作品の世界観がより広がっていくような気がします。





以上!

踊り場姫コンチェルト (メディアワークス文庫)
岬鷺宮
KADOKAWA/アスキー・メディアワークス (2016-07-23)
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