どもー。
デスカイザーです。


2本まとめて買っておいたビニール傘の直径が微妙に小さくて、今朝の雨でひざ下ビショビショでした!
そもそも傘をさし慣れてないというのもありますが。
大学行く時はさすけど、バイトの時は自転車なので合羽でびしょ濡れヒャッホー!なので。
道交法は守りましょう。




そんなわけで今日のラノベ!

ツール・ド・ガールズ!!

講談社ラノベ文庫より
『ツール・ド・ガールズ!!』です。


【あらすじ】

天才サイクルロードレース選手の少年・狼堂迅人は、世界大会での優勝を目前にして、怪我により競技の道を断念することになった。失意の日々を送る迅人だが、縁あって高校の女子自転車競技部の監督を務めることになる。世界大会の女子部門“ツール・ド・ガールズ”優勝を目指す部長の小鳥遊あひるをはじめ、個性豊かなメンバーたちのひたむきな様子に、当初は気乗りしなかった迅人の姿勢も次第に変化していく。しかし、そんな彼女たちの前に、迅人と深い因縁のある世界トップクラスの選手、シュリック姉妹が現れ…?「あたしは―あたしの大好きを証明したい」第5回チャレンジカップ“優秀賞”受賞の青春自転車ストーリー!


感想:★★★☆☆

講談社ラノベ文庫編集部は、すごい逸材を見つけたのかもしれない…。




内容はずばり「ロードバイク×美少女」(あとがきより)。
『ラブライブ!!』と同じノリのタイトルです。
つまりタイトルと同名の大会に向けて美少女たちが努力するお話です。


私が乗っているのはロードバイクじゃなくてクロスバイクなのですが、それでも彼ら彼女らの言う魅力というのはすごく共感しました。
自分の踏み込んだ分だけ風を切る感覚が変わっていく感覚、自分の力で進んでいるという実感。
私は趣味として、ですが迅人やあひるは競技としてそれらを感じているんだからさらにワクワクするんだろうなぁ、と思うと羨ましかったです。

これだけの魅力を、文章によって余すことなく描ききっていること
それが、この本を通じて感じたさいききょうや先生のすごいポイントだと思います。
例えば……迅人が自分の愛車に久しぶりに触った時のこの描写。


迅人はバイクのフレームに跨り、ハンドルをぎゅっと握り締める。
瞬間、しびれるような感覚が背筋から脳髄に走り抜けた。
心臓がドクンッと脈動する。
両脚の大腿筋がピクピクと痙攣し始めた。
迅人は慌ててハンドルから手を離す。
「俺を、待っていたのか?……でも、ごめんな。もう本気では走れないんだよ」
迅人はそう呟いてから、バイクのメンテナンスを始めた。
(本文40p)



ひとつひとつの文章だけで見ると、言ってしまえば何の変哲もない文章。
なのに、1行目、2行目…と読んでいく度に地層が重なって形成されていくかのように場面が立体的に構築されていくんですよ…!
そうなるとキャラへの移入も一気に高まって、すごくワクワクするんです!!

それにここだけが奇跡的なバランスでそう見えるだけというわけじゃなく、他のシーンでも度々こういうワクワクを感じる描写がありました。
まさにロードバイクの楽しさがふんだんに詰め込まれた1冊と言えるんじゃないでしょうか!



一方、ストーリーは良いところもあり、あれ?と思うところもありという感想ですね。
ロードレースの暗黙の了解が色々と絡んでくるので、私も整理しきれてないのですが…。


この巻であひる達のライバルとして現れるシュリック姉妹。
彼女らの兄が迅人とかつてのチームメイトで、とあるレースで迅人がシュリック兄に優勝を譲らなかったことが原因でシュリック姉妹は迅人に復讐しようとしているんですが…。
「全力で勝負してくれ」と頼んできた相手に全力で勝負して叩きのめした迅人には何の非も無いんですよね…。
”総合優勝を狙う選手はステージ優勝をチームメイトに譲る”という暗黙の了解も、シュリック兄の頼みの時点で無効というか無いも同然になると思うんですが…。
しかも迅人はこれ以前から自らの勝利のために暗黙の了解を無視する選手だったらしいですから、何もこの日が特別ひどかったというわけでも無いですし…。

私が思っている以上に暗黙の了解というものが重いのか、それとも「全力で勝負してくれ」という言葉に「暗黙の了解を守ってくれ」という意味が込められていたのか、はたまたシュリック兄の涙の意味は純粋に負けた事への悔しさでシュリック姉妹の復讐が的外れなものだったのか。
もしかしたら今後明らかになるのかもしれません。



「暗黙の了解を破った迅人に復讐を」というシュリック姉妹が、あひる達とのレース中に暗黙の了解を破って脚技(アクセルアーツ)で直接攻撃してくる展開は最高でした!!
……あ、いや「ざまぁ」とかじゃなくて。

シュリック姉妹が不文律を犯したことに対して迅人が「ふ、ふざけんな!」(本文222p)と叫ぶシーンがなんとも皮肉。
欲を言うならそこに対する迅人の自戒があればなお良かった。


ロードレース(物理)





そこでレースを続けられないほど酷い怪我を負った六華が翌日何事も無かったかのように練習始めようとしていたのは解せんけどなっっ!!!!!!!!




総合的な感想としては、突出して良いところもあればどうしても納得できない場所もあるのでプラマイゼロからややプラス寄り、というところでしょうか。
でも最初にも途中にも書いたとおり、すごく良い描写をする方だと思うので次にも期待したいです!

あ、でも。
少なくとも水着はいらなかったんじゃないかなぁ、と。

(昨今の「唐突なお色気シーンのあるラノベは何なのだ」論争にもつながるのかも)




兎丸ちゃんがうさぴょん可愛い


以上!


ツール・ド・ガールズ!! (講談社ラノベ文庫)
さいき きょうや
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