今日のラノベ!


黒ギャルが異世界に転生してダークエルフと勘違いされました

講談社ラノベ文庫より
『黒ギャルが異世界に転生してダークエルフと勘違いされました ~モンスターもマナもマブって実は最強~』です。


【あらすじ】

事故で異世界転生した色黒ギャルな女子高生・東条あにすは、その容姿から、ダークエルフと間違えられてしまう。兵士に捕らわれてピンチに陥るあにすだが、小国フィニアスの王女ラダに救われる。そしてどうやら、あにすはオークなどのモンスターや、万物の力の源であるマナさえも魅了できる、『マブる』という特殊なスキルを持っているらしい。女難の相を持つ冒険者ケンゴとともに、新米冒険者として活動しつつ、元の世界に戻る方法を探すことにするあにす。しかしある日、ラダ姫が何者かにさらわれてしまう。そしてその事件は、フィニアスに迫る戦乱の予兆で…?ギャルが異世界を舞台に数々の伝説を築いていく痛快ファンタジー、ここに開幕!


感想:★★★★☆

事故死で異世界転生というのは最早定番となっているけれども、ベッド型日焼けマシーンの暴走事故がきっかけとなっているのは初めて見ましたねー……。
ありふれてる「異世界転生」という設定をこういう切り口で面白くしていくのは、もっと増えていってほしいですねー!
バス・電車・トラックっていう三大異世界転生乗り物も、それ以外が増えていけば一種伝統芸のような立ち位置で味が出てくるでしょうし。

ほかの作品で思いつくのは、アニメ2期放送中の『このすば!』のトラクターに轢かれかけてのショック死とか、『もじょと極める異世界仰天生活』の文字通りの青天の霹靂死とか?
調べれば(思い出せば)まだまだありそうですね。





内容は……大体タイトル通り。
ダークエルフとして転生したのではなく、あくまでも黒ギャルとして転生された主人公・あにすが、固有能力「マブる」(=仲良くなる)で人だけでなくモンスターとも仲良くなり…、というお話。
水着なのは、生前日焼けマシーンに入っていたからですね。

……そう考えるとこの転生はいわゆる魂が転生したんじゃなく、肉体的な転生という形に…?
あれ?ワンチャン元の世界に帰れるのかも…?




指導役のケンゴがこじらせている女嫌いを、かつて自分が黒ギャルとなった経緯と重ね合わせズバズバ切っていくあにすがかっこよかったです!

その内容はケンゴの近くにそれなりに居たら誰でも分かることだったかもしれないけども。
それなりに居たらケンゴの過去の話も耳に入って、核心に迫る事は言いづらいだろうに。
そこに、踏み込む強さ。

「自分はこう思った」というのを包み隠さずぶつけていくあたりは、さすが座右の銘が「素直に生きる」というだけのことはあります。
その座右の銘に至るまで彼女が優等生としてどれだけ我慢してきたのか、本編で少し触れているだけということが逆にリアリティを感じました。
あにすほどじゃないにしろ、似たような状況でうまく立ち回れなかった(期待に応えられなかった)経験があるので余計に共感しました。

核心には踏み込むけど押し切らずに引いてケンゴの考えを尊重した彼女の言動は、「こうやってほしかった」っていう彼女の理想なのかも…?





モンスターとマブることで起こる展開は概ね予想通り。
マナに関しては予想よりも自由度が高かったですね。

ただし、タイトルにある「最強」というところには疑問が残る内容でした。
駆け出しの冒険者としては驚異的な活躍であることは間違いないけれども、

あにすは、その戦闘で役に立たなかった。
盗賊達に対して弱すぎたからではない。
カエデが圧倒的なまでに、強すぎたからだ。
” (本文219p)

……と、カエデ(王女護衛の侍女)>あにすという式が成立しちゃってますからねぇ…。
ついでにカエデは国にある4つの軍隊の将の長と同等くらいの強さで、さらにその将と同じくらいの強さなのが件のケンゴで。

将来的に強くなるという意味と、ギャルっぽさを込めて「~実は最強?」というタイトルだったらパーフェクトだったんですが……、実に惜しい!




あと猛烈に気になったのが、帯に書いてある“つらたん?いやいや、これは冒険譚!”という言葉!
キャッチコピーだと思ったら、あにすのセリフでした…。

こう、何と言いましょうか…。
黒ギャルが言うにしても優等生が言うにしても、どちらにしても強烈な違和感がね!?
そこに至るまでで出来ていた「あにす=真面目なギャル」という印象が音を立てて崩れていきました…。
まさかのオヤジギャグ…。
このワードを思いついた時の七烏未先生のドヤ顔が目に浮かぶ…。




あにすが伝説の調停者(ドルイド)と呼ばれるまでの物語。
ダークエルフ要素・黒ギャル要素が無理なく続く限り読みたいです!



以上!