どもー。
デスカイザーです。


そろそろ引越しの時に持っていくラノベを厳選する作業に取り掛からないといけない、という話は以前してましたっけ?

とりあえず超お気に入りの作品以外は既読を置いていくとして、です。
おそらく500冊は優に越えるであろう未読作品の何割を持っていくのかですよ…。
読む時間は今までより減り、必然的に購入作品数に対する積ん読率も高まるであろう状態で…。
……2割くらい?



では、今日のラノベ!


地球丸ごと異世界転生 2

地球丸ごと異世界転生 2
~無敵のオレが、最弱だったスライムの子を最強にする~

著者:
kt60

イラスト:
〆鯖コハダ

レーベル:
GA文庫


【あらすじ】

「『浮遊城』を調査、可能なら破壊して欲しい」転生者の少年レイクは最弱種族の少女スーラをパートナーに得て今日も修行に励んでいた。そんな彼らの住む国を、突如正体不明のモンスターが襲撃する事件が発生する。時を同じくして、謎の『浮遊城』が出現し、レイク達もこの城の調査に協力することに。空からの侵入には、一騎当千と言われる天馬騎士団との協力が必要なのだが、自称・レイクの下僕のキャロルは騎士団のエースである少女と衝突してしまい―!?『理不尽な天才』の少年と最弱種族のパートナーは謎の『浮遊城』で何を目にするのか。ハーレムファンタジー怒濤の第二弾、登場!




感想:★★★★☆

2巻目にして完結巻!
売上的な大人の事情とのことですが(あらすじ談)、それがストーリーの落差を良い意味で大きくしているように思いました。
打ち切りをプラスに持っていくって、なかなか稀有なパターンじゃないでしょうか…?




文章としては……あれですよね。
2chのスレで「最近のラノベ、やはりスッカスカwwwww」とかで例として挙げられそうな改行の嵐

deskyzer個人としては、それを瞬間描写の連続として、1コマ1コマを描くことで動きをより濃密に感じ取れるというメリットを恐らく他の方より大きく見ています。
状況説明にしても視界全体を説明されるよりも、順番に視点を変更しながら情報処理していくほうが楽なので。
以前上のような2chのまとめスレ見て、メリットを語る意見が一切無かったのが気になっていたんですが、今回良い機会なので少し書かせてもらいました。


でも!それにしても!と言いたくなる気持ちが無いわけでは…ない。かな?
以上★-1の理由。





キャラとかストーリーのおはなし。



事件の発端となるサメの飛来、あれは……かの有名なB級映画「シャークネード」のオマージュですよね!
自分でもよく分からないところで1人テンション上がってました。
だって、あの映画発想の素晴らしさしかないじゃない…?





ヒロインが増えれば増えるほど強くなるkt60先生なだけあって、冒頭第1話での引き込まれ方、中盤新キャラのカルラ、サリッサ、リック、アオバという新キャラ登場となる7話~12話にかけての日常パートはやっぱり大好き。
好きっていうの何回目だか分からないけど、好きなものは好き。



作品を部屋に例えると、ヒロインはそこに置いてある家具とか箱なんです。
で、そこに全力でレイクというスーパーボールを投げ込みます。
しっちゃかめっちゃかに跳ね回ります。


ほら楽しい(真理)




そんな家具たちの中で今巻スーパーボールを一番翻弄していたのは学習机ことリック
……いや、ちゃんと考えて学習机に喩えてますから!

スーパーボールで遊んだ人の中でも一部の方の共感しか得られないんですが、学習机の下って棚があったり段差あったりでイレギュラーバウンドしまくるんですよね。
しかもハマるとなかなか出てこない。
そして本来の用途は効率的な学習。
椅子(アオバ)という名の寡黙ながら欠かせないパートナーの存在。

ほら!


喩えの出来はともかくとして、リックは本当に良いキャラでした…!
常人とは少し違うところだけど確かに芯を持っていて、感覚派と見せかけた理論武装で、それでいて学習意欲と吸収速度も高くて、ボクっ娘で、エッチくなれる素質も有り。
強い。
どうでも良いけどレイクが学習机(本物の)に座ってたら、いつの間にか足の間に入ってる子だよね、この子。



まぁ、メインヒロインたるキャロルにはあと一歩及ばないんだけどね!!
(※個人の感想です)



1巻の感想で願った「キャロルの幸せ」が、まさかまさかのあとがきコメント付き(しかも当ブログのことを仄めかしながら…?)で叶うという奇跡。
過去の彼女の境遇を思えば、奇跡という言葉ですらまだ足りない…。

友達としてという注釈があったとしても「普通に好きだし」とレイクに言ってもらえた時の彼女の気持ち、自分が最も力を出せるであろうシチュエーション・レイクの言葉が揃った上での精霊化、迷宮内での不甲斐ない気持ち、スーラを伴わず城を出てきたレイクを抱きしめた時の胸の痛み、そしてレイクの子がお腹にいるというどうしようもない幸せ。


よがっだよ……ほんどうによがっだよ……(号泣)






号泣といえば、カラーイラストにもなっているスーラ絶命のシーン…。
これまた1巻の感想で「主人公のかっこよさが際立つこと、キャラへの仕打ちが容赦ないことがこの作品の特長になりそうですねー。」と何気なく書いていたんですが、この2つの要素が特に顕著に出ていました。
で、このシーンがまさに、一番最初に書いた稀有なパターンの要因だと思うんですよ。


本来ならもっと時間をかけて判明しそうな「地球丸ごと異世界転生」の真相、レイクの強さ、妙に少ない元地球人の謎だったりが畳み掛けるように明らかにされ、あこがれの傭兵の助力まで。
この時点で前半でのスーパーボール感からは想像できない闇があるのに、その上でさらにスーラまで…。

ぎゅっと詰め込み完結させたが故に、落差もとんでもないことになっていて、その結果想定外の感情の揺れ動かされ方をしたのでは、というのが読後しばらくしてからの分析です。
最初からこの構想だったんだとしたら、私にはもう才能に震えることしかできない…。





なんと言いますか…。
キャラの境遇に本気で悲しみ、本気で幸せを願い、成就を見届け…。
あまりにも早い完結が受け止めきれないというか…。
もっと広い世界でのレイクの活躍を見たかったなぁ…。



学級写真が、学年写真となり、いずれは全校写真へと。
そうなる事を確信し、スーパーボールが跳ね続けることを願い、この辺で筆を置くことにします。





以上!



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