今日のラノベ!


医療魔術師は、もう限界です!

富士見ファンタジア文庫より
『医療魔術師は、もう限界です!』です。


【あらすじ】

大国に挟まれ戦乱が絶えない小国ノーザルの診療所には、今日も多くの患者が列を作る。天才医療魔術師ジークは睡眠を削り、体力も限界、それでも治療の手を休めることはない!「嘘ですもうやだ眠い、休みたい!40時間ぶっ続けたぞ!?」「仕方ないですね、私たちの愛を注入しますから元気出して」美人助手オータムたちの優しい支え(鉄拳制裁もドーピングも辞さないバックアップ)もあって、患者は笑顔で帰って行く。その笑顔が、ジークを何度でも奮い立たせる―「先生、近くで大きな戦乱があって、1000人追加です!」「…もう限界です!いっそ俺を殺してくれ!!」診療所も戦場!?癒したい系ファンタジーラブコメ開幕!!



感想:★★★★★

表紙に一目惚れして買いましたん。




読み始めの引き込まれ方は過去稀に見るレベルでしたね…。
10pくらいを読んだ感覚でページ数見たら40p目でビックリしたのをよく覚えてます。
他の作品で言うところの「プロローグでワンクッション置いて本編」にあたるところが、いきなりのド修羅場120時間労働ですよ…。
しかもその間にキャラ紹介を済ませ、且つメインヒロイン(表紙の子)・オータムの寝顔付き(扉絵)!


始まりのシーンだけでなく、この作品は妙に繋がりが滑らかで想定してるページ数と実際のページ数が合わないことが頻発してました。
単純に労働時間がおかしいっていうのもあるし、オータムとジーク先生の遠いようで近い距離感にドキドキっていうのもあるし…。
なんでしょう……なんでしょうね?
鉄拳制裁系ヒロインであるんだけど、それは患者の事を真剣に考えているからで、でも先生のこともとても尊敬しているから時折優しくなる姿にこっちはクラッと来て……。
ジャンルとしてはよくいるヒロインなのに、今までのそれとはまるで違う魅力を感じるオータムさん、マジ至高。






この作品の軸は、先生と助手のラブコメというものと、医療従事者の立場から見た戦争を描くというもの。

ラブコメに関しては、後半の駆け引きでもにゃもにゃした後、317pからのラストシーンがもう本当に素晴らしいの!!
不器用で唐変木でダメダメなジーク先生がひねり出した「オータムへの答え」と、それを察した瞬間のオータムの反応……!
このシーンは、キャラが生きてます!
頭の中でオータムとジーク先生がしゃべった通りの事、動いた通りの事が文章に書いてあるような、そんな感覚。
素晴らしすぎてこのシーンだけ既に100回くらい読み返している気がする…。



医療従事者から見た戦争=無くなってしまえ、なんだけれども。
それ以上に、戦争をする人を憎み、巻き込まれた人を憂い手を差し伸べるという点をフィーチャーしていたことを評価したいです。

これは魔法治癒能力が高い=基本的に魔力の扱いが上手いというこの世界ならではの法則があるから成り立っている事業だけども。
戦争当事者を治療しないという方針を貫いているその裏側で、それこそ何日間も文句は言うけど決して逃げ出さずに治療し続けるジーク先生の根性、プロ意識に脱帽です…。
きっかけが悲惨だからこそ、それに懸ける想いも強く…。
それ故にオータムの思いに気づくことができなくなった……と考えればあの唐変木もしょうがないのかなぁ…。





オータムの笑顔をもっと見たいけど、あのラストを越える完結シーンを想像できないんですよね…。
ギャグの勢いも、ここぞという時の感情描写もバッチリなので続刊にしろ新刊にしろ、楽しみに待ちたいと思います!



以上!


医療魔術師は、もう限界です! (ファンタジア文庫)
はな
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