今日のラノベ!


始まりの魔法使い 1

富士見ファンタジア文庫より
『始まりの魔法使い 1 名前の時代』です。


【あらすじ】

かつて神話の時代に、ひとりの魔術師がいました。彼は、“先生”と呼ばれ、言葉と文化を伝え、魔法を教えました。そんな彼を人々はこう呼びました。―始まりの魔法使い、と。そんな大層な存在ではないのだが―「だから火を吹かないで!」「ごめんごめん。私にとってはただの息だからさ」竜として転生した“私”は、エルフの少女・ニナとともに、この世界の魔法の理を解き明かすべく、魔法学校を建てることにした。そこで“私”は、初めての人間の生徒・アイと運命の出会いを果たした―。これは、永き時を生きる竜の魔法使いが、魔術や、国や、歴史を創りあげる、ファンタジークロニクル。



感想:★★★★★

名前によって事象が確定されるのなら、この読後の気持ちにはあえて名前を付けないでいたい。

そして、永遠に不確定の中を漂っていたい。



そう思うくらい胸いっぱいになる物語。






95pの「この世界の魔法は、名前でできていた。」っていうのが、この本の核心でした。

魔法そのものが名前、言葉によって補強されるものであるということはもちろん。
登場人物の名前に込められた想いが伏線となり、名前が真実であり、名前が力となる。

魔法に絶望することはあっても、名前に込められた想いは希望となる。
その希望は、まるで魔法のようで…。




……もうこれ以上は。
ラストの29話・30話を読んで、ハッとしてプロローグを読んで。
もうそしたら言葉が浮かばなくなるというか。

あの儚く幸せだった生活の延長が、6000年あまりの時の果てに…?と考えたらもうダメになってしまいました。


だって、あまりにも。
前世で諦めたオカルトチックなもの満載の世界なのに、たったひとつ不老不死だけは不完全にしか存在せず。
そんな運命を受け入れるしかなかった二人の、その決定的瞬間を想像するだけで…。

それでも、今までに感謝して、次に希望を託して。
どれだけの感情がそこにあるかなんて、名前をつけられるはずが、言葉にできるわけがなかろうて。






プロローグに至るまでの物語。
6000年の物語、はよ。はよ。




以上!



始まりの魔法使い1 名前の時代 (ファンタジア文庫)
石之宮 カント
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