どもー。
デスカイザーです。


風邪をひいたおかげで読書が捗っております!
やっぱりラノベって楽しい!



今日のラノベ!


あんたなんかと付き合えるわけないじゃん!ムリ!ムリ!大好き!

HJ文庫より
『あんたなんかと付き合えるわけないじゃん!ムリ!ムリ!大好き!』です。



【あらすじ】

高校入学から数ヶ月。大貫悟郎はその日、長いこと片思いをしていた幼なじみの美少女・杉崎小春に告白した。「小春!好きだ!俺と付き合ってはくれないだろうか!!?」「いや、無理ですから」この一言であえなく玉砕!さらに小春は何を思ったのか悟郎に、「悟郎、あんた彼女作りなさいよ」とムチャぶりまでしてきて!?両思いなのに付き合えない!?一途過ぎる少年と本当は彼のことが大好きな少女の、どうしようもない青春大暴走ラブコメ開幕!



感想:★★★★★

あらゆる手を尽くしてでも完結まで読みたい作品



何から言えば良い?
とりあえず感情爆発させておく?


あぁ、ちくしょう完全に騙された!
比較的早い段階で違和感を持っていたとはいえ、
その展開は見破れなかった!
悔しい!
ありがとう!
大好き!!!



~(以下未読の方はネタバレ自己責任)~




書店で最初に見かけた時、

「お、こじらせ系ツンデレっ子のラブコメかな?」

って即カゴに入れたけれども、いやまさかここまでの破壊力をもってこられるとは…。
(前半の)どこを切り取っても二人の掛け合いは夫婦漫才とも言うべきもので、こう全てを許しあっている仲のする会話なんですよ。
でもそんな小春にも秘密がある…?
↑↑↑この疑問を頭に残されてしまったのが敗北の最初の布石。


放送部の千夏、生徒会長の真冬との掛け合いもまた必笑。
ぶれないハイテンション、鋭いボケ、助言の数々…。
既にヒントが散りばめられていたなんて思いもせず楽しく読んでいましたよ、えぇ!!



大貫君、藪蛇という言葉もあるのだから、これ以上掘り起こすととんでもない事実を引っ張り出してしまうこともあると思うよ。忠告までに
(本文29p)

真冬さああああん………。
そういうことだったんですね。
「あると思うよ?」ってイントネーションでつい脳内再生しちゃってましたけど、「あると思うよ。」って言い切ってるんですね。




そのあとは幼なじみとデートの下見と称して公園行ったり、ラブホ行ったり、旧友が登場して小春ちゃんが逃げちゃったり……。
友達に相談しながらなんとか小春を喜ばせようとする主人公、ね。
疑いの余地のない完璧なラブコメですよね。

でもここらへんも読了後に読み返すとありますね、ヒント。
しかもおそらく大量に散りばめられてますねこれ…。
なんで気付かなかったんだろう…、いや気づけないし気づきたくない…。

ちなみにこのあたりで最初の「小春のひみつ」=「旧友・明菜ちゃんとのけんか」だと思い込んでおります。
完全にしてやられてます。




さて、ここで最初の叫びで言っていた「違和感」についてです。
この作品では章の合間に「小春の日記」が挟まっています。
最初はリアルタイム形式なのかと思っていましたが(ひなこのーとみたいな?)、5章後で日付が1ヶ月飛び、6章後で日付が1ヶ月戻るという。


はっは~ん、この作品叙述だな?


deskyzerは日々着実に学んでいます。
2014年、小川晴央先生の『僕が七不思議になったわけ』で受けた衝撃をdeskyzerは忘れていませんでした。


この日記は、過去のものだ!



なんて名推理!
明菜ちゃん(中学時代の友達)のセリフで裏付けも取れたしこれは間違いない!
つまりこの作品は時系列が実はバラバラで…………うん、そうじゃないな。
………あれ?どういう叙述だ?






(敗北を悟りつつ読み進める)







(生徒会長が不穏な空気醸し出したところで察する)











(交差点の…………)










本当に、もう…。
こうなることを想定して読み始めてないわけですから、当然心構えなんてできないじゃないですか?


作中では一番最初と、終盤小春の死を主人公が認知する場面で「心が折れる音」について語られています。
倒木の音ではないです。
ガラスが割れる音でもありません。

無音。


なーんにも響かない。




この感想を書きながらパラパラ読み返しているだけでも、本当にたくさんのヒントが、齟齬が落ちていることに気がつきます。

カラオケに行かなかったのは?
珈琲を入れようとしたのにクルッと踵を返したのは?
電話に出なかったのは?
ラブホの受付のお婆ちゃんが怪訝な顔をしたのは?


おそらくまだまだ仕込まれていることでしょう。
2回、3回と読んで、気づいて、気づく度に…小春の気持ちを理解していくんですね、きっと。




『あんたなんかと付き合えるわけないじゃん!ムリ!ムリ!大好き!』というタイトル。

読み終わった今となっては。



小春の悲痛な叫びにしか見えないですよ…。






主人公が狂気に触れはじめたところでの1巻END。
あとがきでも先生が仰られていたとおり、終わりに向かう物語。
奇跡も魔法もない世界で、どんな終わりを迎えるのか。
今から想像するだけで胸が痛いです…




以上!



あんたなんかと付き合えるわけないじゃん!ムリ!ムリ!大好き! (HJ文庫)
内堀優一
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