デスカイザーのラノベ日誌

ライトノベルの感想を……綴るっ!

カテゴリ:その他のレーベル > メディアワークス文庫

どもー。
デスカイザーです。


日曜の朝食は魚にすると決めてから3週間。
今日はぶりの塩焼きが美味しかったです。
普段はギリギリまで寝てるので、パンを焼いてる間にササッとガパオライスの上に乗ってる目玉焼きを作ってオンザトーストするんですが……。
時間があるときくらいまともに栄養を摂ろうという試みです。
健全な精神は健全な肉体に宿る!かもしれない!



今日のラノベ!

死を見る僕と、明日死ぬ君の事件録

メディアワークス文庫より
『死を見る僕と、明日死ぬ君の事件録』です。



【あらすじ】

平凡な僕が唯一他の人と違うこと。それは人の死を予告する幻影を見る力があることだ。僕が幻影――【彼ら】について知っていることは3つ。
1、【彼ら】はやがて訪れる自らの死の瞬間を、何度も繰り返し続けている。
2、【彼ら】の姿が濃くなるほど、死の瞬間は近い。
3、【彼ら】は死の運命から絶対に逃れられない。
――これは全てを諦めていた『僕』が、死の未来を背負う『君』と出会い、運命に抗うため奔走する物語だ。



感想:★★★★★


んにゃー!引っかかったっ!!
綿密に推理を重ねて読み進めたうえで綺麗に引っかかったのでとても気分が良い!!



それでは、推理の過程も含んだ読書メモと共に感想をお送りいたします。


~memo~

72p:自分の行動を含む
⇒誰かの死の訪れが分かるのに、そこに介入することすら死の運命に含まれているとはなんと残酷な……。鈴さんは「僕」の言うことを理解してくれるというだけでなく、あの突拍子もない行動原理まで含めて「僕」と出会う最適な人材だったわけですね。


85p:会計金額
⇒「覚えておいてあとで払う」っていうから、終盤で死の運命覆したあたりの会話の伏線にでもなると思ったらならなかったパート1。


※p:最初から泣きそう(酒効果)
⇒覆したいのに覆せないというジレンマ。鈴さんという理解者の登場で1人の命を救えた安堵。過去に理解者だった「彼」がおそらく死んでいる。そして「僕」にとってそれはトラウマで記憶に蓋がされている。
疲れた身体に染み入るお酒の力もあっただろうけど、そんな「僕」の境遇が切なくて、プロローグから泣きそうで、100pにも達してないのについメモしてしまうくらい泣きそうでした。


96p:中央線w
⇒人身といえば中央線。84pで「僕」が駅ビルを見ただけで鈴さんが人身だと察するシーンも含めて、なんかもう本当にさすが中央線。
いや、何も笑い事ではないですねこれ……。失礼致しました。


100p:面白い人、でも……死んじゃうんだよな……
⇒プロローグをとても素直に受け取ったピュアなdeskyzerの姿が観測できます。
鈴さんは「僕」が言うようにできれば離れたところから見ていたいタイプ。でも慣れたら近づいて積極的に巻き込まれていくのも面白そう。


106p:不登校児が来ても多分バレないし気づかれない
⇒私の通っていた大学はクラス別の英語ですら講義にあまり来ない人が来ても何もなかったですし。高校までとは違って仲良しこよしでも無ければ誰が来て誰が来ないかなんて気にしない。さては「僕」は本当にほとんど大学に行ってないな…?


106p:鈴さんは主人公の何を知っているのだろう……
⇒「僕」が大学に行かないことに安堵した鈴さんのリアクションがとても謎でしたね……。何か「僕」が大学に行ったらまずいようなことが起きている?……陰口タイプのいじめって大学でもあるらしいからねぇ…。上で否定したばっかりだけど、皆実は気にしているのかもしれないですね、大学来ない子を。


114p:つまようじコーンの頻度、何かある……?
⇒やけにつまようじコーンが出てくるから、もしかしたらつまようじが終盤で鈴さんの命を救うことになるのかと思ったらならなかったパート2。


125p:僕わかる、おばあさん!
⇒純真かっ!しかも間違えてるし!その隣の中年の女性だよっ!!


148p:待ち合わせ前の徘徊、とても分かる!
⇒鈴さんと意気投合できそうだと初めて感じた瞬間。理由は鈴さんと同じものもあるし、ただ単に電車の遅延で遅刻したくないっていうのもあるし、家の最寄り路線が1時間に1本だというのもある。
でも、こういう徘徊が5年後くらいに役立つ時が来るので案外バカにできなかったりします。


155p:親子丼を知っているのは伏線かどうか
⇒大学のくだりから「僕」と鈴さんが過去に会っている説を有力視していたので、その時に好物を聞いていたとかそういう感じの伏線だと思ったらそんなことはなかったパート3。
むしろその隣の行のネギ丼こそが終盤の伏線だった。


173p:初めて会った気がしない、か。過去に救われた?「彼」と兄妹?
⇒あー、惜しい!実に惜しい!
初めて会った気がしないというセリフのおかげで、過去に会っている説は無くなりました。28pで親子丼説が覆されていますね……。


195p:凡て真なるもの
⇒「僕」が視ているのは未来の死の幻視でありながら、幻ではなく実である。
この物語は仕掛けがあるが、それは夢幻の類ではなく意味のある現実である。
……とか、そんな感じのメッセージなのかなぁ、と。


218p&188p:あー…、ここで連れ去られてるのか?
⇒そういうことっぽいですね、ちょい違いますが。


232p:伏線ばらし、イージーモード?
⇒部屋の様子とか、鈴さんのぬいぐるみとか、ここまででメモってなかった伏線をこの終盤で提示してくれるなんて、このミステリー簡単だなHAHAHA


245p:…………はぁ!?えー……。あー。はぁ!?
⇒何がイージーモードだっっ!!!!


~memo~




はい、ということで245pでバラされるまで全く見抜くことができませんでした!
プロローグで大学出てきたじゃん!って言い訳しようとプロローグ見返したら、5pの後ろから3行目にしっかり答えが書いてあったことに気がついて……。
その後の2行を踏まえて精神的な面での話だと思ったんですよ。
こんなの間違いなく狙って書いてあるじゃないですか…。

「このプロローグがすごい!」とかあったら間違いなく1位ですよ?




完全に想定外だったこともあって、「そういえばあのシーンでは…」という振り返りが脳内でうまく組み上がらないんですよね。
普段ならこういう「2周読みたくなる!」系の本は読後に振り返ることで大体補完できるんですが、この作品は(上の読書中memoの幾つかの項目を除けば)せいぜい1箇所か2箇所くらいしか心当たりが無いので、素直に「もう1回読もう」と思えています。
それこそプロローグの例もそうですが、とても巧妙に隠されているんですよ、きっと。

ということで、ちょっと2周目読んできます!ノシ


~~~~~~~~~


読んできました!
思っていた以上に色々手がかりありましたねー。
張り込みさせないとか、戸籍謄本とか、自然と手を繋いでいるとか。
すべてを羅列するにはあまりにも多かったのでこのくらいに留めますが、1周目でこれだけのヒントを並べられて気がつかないというのは、やはりそれだけ巧みに隠されていた事の証左でしょう。
あるいは読解力不足という可能性。



隠れていた手がかり以上の収穫もありました。

1つは245pで騙されるまでに、2回ほど「僕」が自分の姿を見る機会があったのに、気付かなかったこと。
それだけ深く、強固に記憶に蓋をしているということですよね……。
想像していた以上に「僕」の在り方が危ういものだったんですね……。

もう1つは決定的な認識は245pだけど、その前から兆候があったのではということ。
途中から不登校をやめて「学校」に通うと言っていたり、鈴さんと並んで映るショーウィンドウを見て「ちぐはぐ」と感じたり。11pで窓に映る自分の顔を見たときとは少し違う反応だったかな?と。
後半に行くにつれて手がかりが増えているように感じたのですが、それもまた認識の齟齬の表出なのかなぁ?と思ってみたり。





読んでいる間も、読んだ後も、二度読みしても楽しめました。
実はここまで決定的な「僕」にまつわる秘密の答えを意図的に書かずにいるので、答えが気になる方は是非読んでみてください。
答えを察した明晰な方も、ぜひ隠された手がかりを見つけ出すために読んでいただきたいです。




鈴さんと「僕」のキャンパスライフが、良きものでありますよう。




以上!


死を見る僕と、明日死ぬ君の事件録 (メディアワークス文庫)
古宮 九時
KADOKAWA (2017-11-25)
売り上げランキング: 13,907

今日のラノベ!


僕らが明日に踏み出す方法

メディアワークス文庫より
『僕らが明日に踏み出す方法』です。




【あらすじ】

「納得できるまで、今日をやりなおせたら」―そう思ったことは、ないですか?ピアノコンクールを一週間後に控えた少年・中瀬と、同じく一週間後に告白の返事を待たせている少女・山田。ふたりはある日、同じ一日をループしている自分に気づく。次の日へと進むための条件は「『最善の一日』と思える一日を過ごす」こと。目の前にいるキミの、本当の願いはどこ?わたし達が出逢った理由は―?廻る毎日に二人が見つける「明日に踏み出す方法」は―。



感想:★★★★★

ある理由のためにどうしてもピアノコンクールで一番を取りたい中瀬。
告白の返事を決めあぐねている山田。



二人は同じく「納得できるまで、今日をやりなおせたら」という願いを持ち、それが額面通り満足のいく一日を過ごさないと次の日に進めないという現象を引き起こします。
でも、幾度のループの果てにたどり着いた結末はというと、中瀬はコンクールで一位を取ることができず、山田は忍と交際しない選択をするというもの。



“理想の結末”を完遂するまで繰り返す『リゼロ』みたいなタイプのループものとは違い、繰り返す中で自らの真意に気づいて“理想の結末”が変わるタイプのループものでした。
何度も何度も繰り返す中での精神的な成長が心地よかったです。


で、それだけで終わらなかったのがこの作品のすごく良かったところ!
コンクールの日であり告白の返事をする日だったループの最終日が終わったのに
「あれ…?まだ40p近くある…?」ってなった時のワクワク感!
「まさか…あれがこうなってそういうこと!?」をさらに裏切る、それでいて納得の結末。

これがまぁ堪らないわけですよ!!


最終的に読む前にあらすじから想像していた結末とは何もかもが違うのに、「岬先生…こんにゃろめー♥!」ってついついじゃれつきながら崇め倒したくなるような気持ちのいい敗北感。
これだからラノベ読みはやめられない…!





……っていう感想を1ヶ月前には抱いていたということを最後に。
読み終わってから感想書くまでに間が空いているのでふわっとした感想になってしまったこと、ご容赦ください…。




以上!



僕らが明日に踏み出す方法 (メディアワークス文庫)
岬 鷺宮
KADOKAWA (2017-06-24)
売り上げランキング: 314,394

どもー。
デスカイザーです。


アカリコはいいぞ

ラノベ属性デッキを組みたい!




今日のラノベ!

猫と金髪としあわせの湯

メディアワークス文庫より
『猫と金髪としあわせの湯』です。


【あらすじ】

自宅の給湯器が壊れたため、スーパー銭湯に行こうとしていたOLの塔子は、かわいい猫につられて、街の裏通りへ。着いた先には、まるでドラマにでも出てきそうな町屋造りの銭湯が建っている。「ゆ」と書かれた暖簾を塔子がくぐると、なんと番台には、金髪イケメンのチャラ男が座っていた―!ひっそりと建つ銭湯「五福の湯」は、カラダもココロも温めて、悩みまでもキレイに洗い流してくれる。貴方も、ひとっ風呂いかがですか?


感想:★★★★★


銭湯という場の力と、お風呂の物理的な温かさ。
二重の意味でほっこりです…





  ……(´ω`)…(´ω`)……
 

   ↑  銭  湯






番台のチャラ男…に見えるだけでお客さん想いの二郎と、招き猫の三助に招かれて銭湯を訪れた塔子さんが出会うのは、銭湯を訪れる幅広い年代のお客さんが持ち込むちょっとしたお悩み。


「銭湯独特の開放感が心の垣根を少し低くする」っていうのはもちろんあるけど、それ以外の2つのポイントが書き込まれていてすごい良かったと思います。
そのポイントっていうのは、①香り、色の演出 ②人と人の繋がり です!


①香り、色の演出

まずはなんといってもこれでしょう!
ラベンダー湯だったり桃湯だったりと色々な種類の薬湯が出てくるんですが、どんな色のお湯で目を奪われて、どんな香りに惹きつけられていったのかがじんわりと伝わってきます。
決して多くの言葉で彩られているわけじゃないんですが、それが銭湯特有のシンプルだけど核がある感じを引き立てているんですかね…?

合わせて薬湯の効能も二郎が解説してくれるので、湯上りの感じなんかも味わえたりします。
あとちょっと賢くなった気分にも。


色の演出は銭湯だけでなくファッションのほうもですね。
美月りん先生の前作『姫恋ヤンキーコレクション』ではファッションを題材にしていましたが、今回も割と重要な場面でファッションに焦点が当たっていたりします。
しっかりとした根拠を並べてコーディネートする描写が、なぜか好きです。

「昔ながらの銭湯と、現代風のきらびやかなファッション」という対比構造がお互いの魅力を引き立てていますね!



②人と人の繋がり

番台とお客さんの距離の近さはもちろんなんですが、それ以上に猛プッシュしたいのが五福の湯(というのが銭湯の名前)が繋ぐお客さん同士の繋がりです!

幼なじみ同士、母と娘、父と娘、それに”昔の私”と”今の私”なんかもそうですかね。
さっきちょっと書いたとおりお風呂が心の垣根を少し低くすることが後押しになっているのもそうなんですが、その後押しを受けて一歩踏み出す、そして新たな繋がりを築くこと。

それってすっごく素敵じゃないですか!

そんな新たな繋がりの誕生を当人の気持ちで主観的に味わって、もう1度読み返して今度は二郎の、番台さんの気持ちになって客観的に味わって。
「あぁ、良いなぁ…、良かったなぁ」って思うわけですよ…。
ほっこりですよ…。



「もちろんなんですが」と飛ばしてしまいましたが、二郎との繋がりにも触れましょうか!

太陽のような存在だと作中でも触れられていますが、まさしく太陽のような存在で人を惹きつけるのが二郎。
でも夏のギンギラギンな感じというよりは、春先や秋に縁側であたるポカポカした日差しをくれる太陽っていうイメージですね。
うちに縁側無いけど。
親戚の家の縁側は日当たり絶望的だけど。
実際に縁側でポカポカしたことが無いんだけどっ!!

※イメージです


存在感をなにげなくアピールしてくるんだけど、それが全く鬱陶しくなくてむしろ心地いい感じ。
それを可能にしている二郎の洞察力と対応力は天賦の才であると同時に、しっかり磨きぬかれた才能なんですよね。
お客さんとの関わりのなかで、確かに彼自身の努力によって伸ばされていったもの。
生まれ持っての才能を僻んだって仕方ないんだから、今の自分ができる努力を彼のように、彼以上に、でも適度に力を抜きつつしていきたいなぁ、と思いました。




ところで今ちょっと気になって調べてみたら、やっぱり言葉として存在していましたね、店名の「五福」。

孔子の編纂した経書『書経』のなかの洪範が出典というか原典で、人としての五つの幸福のこと、らしいですね。
その五つっていうのは、

・長寿(寿命の長いこと)
・富裕(財力が豊かであること)
・健康(無病息災を好むこと)
・徳を好むこと
・天命を全うすること

…だそうです。
思っていた以上に縁起のいい店名だったんですね!
そりゃおじいちゃんおばあちゃんも入りに来るわ…!



最後に、気づいてしまったからには記しておこうと思います。

「二郎」+「三助」+「五福」=「塔子」



素敵な出会いに感謝を。



以上!


猫と金髪としあわせの湯 (メディアワークス文庫)
美月 りん
KADOKAWA (2016-10-25)
売り上げランキング: 22,452

どもー。
デスカイザーです。

FGOネタでハサンについて調べた記事のアクセス数が急に伸びててびっくりしてます…(笑)
6章で色んなハサン出てきたから?

みんな、ハサンと一緒に戦おうぜ!



んじゃ、今日のラノベ!

踊り場姫コンチェルト

メディアワークス文庫より
『踊り場姫コンチェルト』です。


【あらすじ】

その日、踊り場でひとり佇む君と出逢った――
彼女と僕が奏でる、青春吹奏楽ストーリー。
全国大会を目指すべく、県立伊佐美高校吹奏楽部に入部した梶浦康規。
真面目で正確な演奏しか取りえがない康規が命じられたのは、天才的な音楽の才能を持ちながら、破滅的な指揮を振りつづける問題児「踊り場姫」藤野楡を、まともな指揮者に生まれ変わらせることだった。
周囲に関心がなく自分の思う指揮を振る楡には取りつく島もなく、演奏は空回りを続けるばかり。
どうすれば、彼女と周囲の歯車とを噛み合わせることができるのか。コンチェルトを奏でることができるのか……。
青春の踊り場にいる彼女と僕の、吹奏楽ストーリー。



感想:★★★★★

元吹奏楽部員の岬鷺宮先生の描く物語。

表紙の美しさに目を奪われ、さらにそれに負けないくらい美しい内容に心奪われました。



表紙に小さく書いてある「The revolving star & A watch maker」(廻る星と時計師)という一文が、楡(にれ)先輩と康規の関係を綺麗に表していることに本編を読んだ後に気づいて感動しました。

音楽にしか自分を見いだせない楡先輩は一切の妥協をすることなく”自分”を曲や指揮に乗せて表現し周りがコントロールできないような様が、まさしく暗闇の中で誰にも邪魔されることなく輝く星であり。

楡先輩をコントロールするのではなく、そんな彼女と周囲とをつなぐ歯車となり、また全体を俯瞰して組み立てていく康規はまさしく時計師。
「動く歯車を一番最初に見る存在」という意味でも、音楽に対しての楡先輩の想いを最初に知ることになる康規にぴったりかもしれません。



また、表紙と口絵の意味も、読後に考えるとすごく…良いです。

表紙が「夕焼け+康規と楡先輩」という構図なのに対して、口絵は「夜空+楡先輩ひとり」という構図。

きっと口絵のほうは康規は「踊り場姫」こと楡先輩と偶然初めて見た際の光景であり、楡先輩が目を閉じていることが「周囲を見ずに自分を全力で表現する」という最初のスタンスを表現しているんだと思います。

それに対して表紙のほうは、本文中にそのままのシーンがあるわけでは無いですが240p前後で楡先輩と康規が本当の意味で歩み寄った後の練習風景なんじゃないかと思います。
そして、楡先輩が目を開け、康規の様子を伺いながら踊っているというところが楡先輩の成長の表れなんです!


自らを表現するだけでなく、相手に(康規に)伝えたい。


もしかしたら音楽をする人からしたら当然の感覚かもしれないけど、楡先輩が今までどうしても気付けなかった感覚で。
楡先輩の最初の指揮の良さを殺すことなく、かといって自分本位に終始するのでもなく。
確かに生まれた楡先輩と康規との繋がりの形が、この表紙なんだと私は思います。






今作の見所のひとつとしてやっぱり楡先輩の成長あるいは発展が挙げられると思うんですが、それに関してどうしても「素晴らしい!」と言いたいことがあります。

それは、楡先輩の感情表現の成長に対して康規が強く言及していないこと。


最初は無表情キャラだった楡先輩ですが、ラストシーンでは確かな笑みを浮かべて会話するまでになります。
そこに至るまでにはいくつかきっかけや転機があったんですが、(おそらく)一番最初の変化以外、康規が楡先輩が確かな感情表現をしたことに驚くような描写(「あれ?今……笑った?」みたいなやつです)が無いんです。

そのおかげでストーリーがぶつ切りにならずひとつの連続したものとして自然に認識できたというのと、楡先輩の変化を当然のものとして受け入れている康規の人としての優しさというかなんというか…暖かさ?が感じられたのがすごい良かったです!




自分の生きる意味に迷いかけたらこの本を読み返したいですね。


あ、最後に。
本文12pで康規が夜空を見上げた際に頭に浮かんでいた「The seventh of July」、通称「たなばた」という曲の動画がYoutubeにあったので貼っておきます。
これを聞きながら読むと、作品の世界観がより広がっていくような気がします。





以上!

踊り場姫コンチェルト (メディアワークス文庫)
岬鷺宮
KADOKAWA/アスキー・メディアワークス (2016-07-23)
売り上げランキング: 73,442

どもー。
デスカイザーです。


合宿から帰宅した後、結局絶妙に厳しいラインの宿題が出てしまい…。
今日ようやく一段落しました…。
ってことで、まだ『織田信奈の野望 全国版』に手を出せていない状況です。


マジでおあずけくらいすぎて死んじゃう。



ってことでパパッと丁寧に感想書いていきましょー!

今日のラノベ!


君の色に耳をすまして (メディアワークス文庫)
小川晴央
KADOKAWA/アスキー・メディアワークス
2015-08-25


メディアワークス文庫より
『君の色に耳をすまして』です。


【あらすじ】

芸大に通う杉野誠一は“声の色”で見たくもない人の感情や嘘が見えてしまうことに悩まされていた。そんな彼がキャンパスで出会ったのは声を失った透明な女の子。『川澄真冬』と書かれたメモ帳で自己紹介をした彼女は、誠一の映像制作を手伝いたいと申し出た。不審がる誠一に、彼女は手伝う条件として、テープに録音された姉の歌を映像に入れて欲しいという。彼女に惹かれ、生まれて初めて心の色を知りたいと願う誠一。だけど、彼女の透明な色には秘密があって―。


感想:★★★★★

ほらやっぱり予想の斜め上!!

前作『僕が七不思議になったわけ』は読んだ年のなかでもトップ3には入る面白さだったんだけど、今作もそのクオリティは健在。
前作の感想はこちらからどうぞ!


顔と声を直に聞く・見ることで相手の素の感情を色で感じ取ってしまい、それにより人間関係に苦しんでいた誠一。
彼が出会ったのは過去のショックから失声症になってしまった川澄真冬。

声を聞かないでコミュニケーションするため誠一が嫌う「声の色」を感じないで済む相手、ということもあり誠一は段々真冬に惹かれていきます。
彼自身も自覚しきれていないんだろうなぁ、という初々しさを遺憾無く発揮しながら真冬との撮影にのぞむ誠一。


ちなみに彼の手に取っていた「パッケージ」は時間をとめて女の子にいたずらする系のもの!
(作品全体としてはどうでもいい情報なのになぜかはっきり覚えてる…)


真冬と過ごす時間が増えていくと同時に、天真爛漫な彼女が不意に影を見せることが増え…。




ただの大学生の恋愛にはとどまりません。
勘のいい人は「失声症」「展開の意外性」ってだけでひとつの展開を予想できると思います。
自分もその展開を予想していました。
そして、半分…いや三分の一くらいは正解でした。
残りの三分の二は「おお~~!!」と言いたくなる巧妙な伏線。


そういう意味では前回の100%意外性というものには引けを取るかもしれません。
が!
ファンタジー要素の無い現実に即した内容、その上での三分の二というのはやはりすごい。



怒涛の真相ラッシュのあとに残るのは、心が洗われた綺麗なあなた。





次回作にも期待です。
以上!

↑このページのトップヘ