今日のラノベ!


余命六ヶ月延長してもらったから、ここからは私の時間です上

余命六ヶ月延長してもらったから、ここからは私の時間です下

モーニングスターブックスより、
『余命六ヶ月延長してもらったから、ここからは私の時間です』です!



【あらすじ】

『魔法』と呼ばれる特殊な力を持つ者だけが入れる高校で、憂鬱な毎日を送っていた落ちこぼれの野花三葉は、ある日の放課後、何者かに階段から突き落とされ、命を落としてしまう。「もっと好きに生きればよかった」―後悔する三葉の前に白猫の姿をした天使が現れ、あと六ヶ月だけ時間をくれるという。かくして、三葉は六ヶ月の“余命”を手に入れるのだが!?第1回「モーニングスター大賞」受賞作!




感想:★★★★★

読後に泣く自分を幻視して買った作品
その幻視は現実のものとなりました……。



少し長い感想(あるいは駄文の垂れ流し)になったので、最初に要点を。

◎上巻は、後悔しないように生きる!という三葉の強い意思が魅力的なストーリー。
◎下巻は、自分を殺した相手に迫ることで感情が大きく動いていく…!
◎どちらかというと女性向け小説読んでる時の感覚、樹虎にきゅんきゅんする!
◎ぼくはいま、とても悲しい




ではいきます。

不遇な学校生活を送っていた三葉(「みつは」ではなく、「みつば」です)。
親友とは離れ離れになり、仲の良い友達ができず、組まされたペアは不良で、先生からもいびられ…。
とどめとばかりに階段から突き落とされ死んでしまいます。

物語はここから始まる、延長戦の6ヶ月。
奇跡で得られた6ヶ月を、後悔しないように全力で生きると決めた三葉の、不器用ながらも力強い6ヶ月。


上巻は、それまでの学生生活の難点だった人間関係について立ち向かっていくのがメインでした。
ペアの樹虎に対してはおどおどせず正面からぶつかっていくことで次第に信頼を勝ち取り。
他人の危機に見て見ぬふりをせず飛び込んで助けたことで、心実というかけがえのない友人を得て。
努力に次ぐ努力により模擬戦で好成績を収め、魔力覚醒薬使用の誤解を解いて先生からの評価も変え。

まさに表紙に映る堂々とした仁王立ちのように、「どうなるか分からないけどなんとかする!」っていう三葉の固い意思が眩しかったです!
……ポチ太郎の堂々たる姿もまた…。
お前表紙にいたのか……
ポチ太郎、なんだかんだキーマン……ならぬキーワンです。


まぁ、でもですよ。
上巻だけで見たら、割とよく見かけそうな「頑張る女の子!」系の物語と言えなくもないです。
急に何かの才能に目覚めたり、周囲の態度が唐突に一変するわけでもなく。
もちろんその頑張る姿に心打たれたので「すぐ下巻読もう!」となるわけなのですが。
……上下巻同時刊行、大正解ですよね。




ってことで下巻。
上巻で三葉は頑張りました。
すごく、すごく頑張って、人間関係も、魔法のちからも順調です。
順調なのに、これからなのに、余命が、命の期限が迫ります。


恋愛模様が動き出すのも下巻から。
樹虎と三葉の間には、ペアを超えた感情によって動いてるかのような場面が増えていきます!
最初は三葉をグズ呼ばわりしてた樹虎が、集合場所に現れない三葉を探して校内を走り回ったりね?
三葉が樹虎をからかう頻度が高くなっていたのは、あれですよね。小学校低学年くらいの男の子が好きな子にちょっかいかけちゃうみたいなやつですよね!?
そしてそんな樹虎の前に立ちはだかるは、クラスのイケメン委員長山鳥くん…!
ハァー!!!真面目くんと不良くんがクラスの美少女をめぐって恋の争い!

「ここ(モーニングスターブックス)って女性向けレーベルなのかな!?まぁいいか!!」

心実が三葉を「おねえさま!」と慕う姿がまた程よい百合感を醸し出しいとをかし。

「ここ(モーニングスターブックス)って女性向けレーベルなのかな!?まぁいいか!!」(2回目)



そんな弛みきった思考のまま、三葉を突き落とした犯人との対峙のシーンを読んだので…。
目が覚めました。



もともと6ヶ月しかない余命がもう残り半分も無いって状況で、犯人が自殺しようとしている場面に遭遇した時の三葉の気持ち。
想像するだけで、ドス黒い感情と胸が締め付けられる感情と喪失感と色々ごちゃ混ぜになりました…。
大切な人がいなくなった程度のことで、簡単に命を無駄にしようとしているなんて、ねぇ…。
限られた時間を後悔しないように生きると決めた三葉を、嘲笑うかのような。
「―ふっざけんな!」っていう慟哭に込められた感情は、どんなに想像しても想像しきれないものですよね…。




生き返る前に課題になっていたことは犯人を見つけたことで概ね完了し、あとは後悔の無いように死ぬまで生きるだけ。
……だったのに。
ここで恋心に気づいちゃうのは、切ないですよ……。
だってもう無理じゃないですか。
どんなに足掻いたって、ねぇ、もう……ねぇ。

ラスト100ページくらいですかね?
それこそ禁断魔法でも何でも使って三葉が余命以上生きる術を見つけ出すんじゃないかと急いで読みたい気持ちと、全てを察して最後の三葉の生き様を目に焼き付けようとゆっくり読みたい気持ちがせめぎ合ってました。
三葉のために何かをしなきゃいけないのに、何をすればいいのか分からない感覚。
もちろん読み進める以外には何もできないんですが、それでも何かせずにはいられないような。


そして、涙。


やっぱりどうすることもできなかったというやるせなさ、心実の心が引き裂かれるかのような痛みの幻覚、最後の最後の奇跡で樹虎と三葉が結ばれた喜びと切なさ。
三葉が後悔しないように全力で生きたこの6ヶ月が、たしかに彼女が生きたという証をこの世に残したということの誇らしさ。

クローバー畑に向かって最後まで全力で駆けて行った三葉の姿が、本を閉じたら居るわけです。
こんな満面の笑みで、樹虎に背中を預け、心実がしょうがいかなぁと見守る姿が。

ぁぁぁぁぁぁぁぁ…………。





これだけ全力で頑張る姿を見たら、「自分も後悔しないように生きよう!」って普段なら思うところですが、今回は受けたダメージが大きすぎまして…。

何より、悔しい。
三葉の死を覆すことができなかったことが、とても悔しい。



2巻分で描ききれなかった分のストーリーが詰め込まれた3巻の発売が決定しているようですが、僕は3巻をどういう気持ちで読めば良いんでしょうか…。
本当に誰か教えてください。
読みたいけど、読んだら多分また泣くですよ…。

樹虎にきゅんきゅんするという意味ではどちらかというと女性向けなのかもしれませんが、男性の皆様にもこの悔しさを味わっていただきたいです!
あと、こういう物語こそアニメやってほしいですね!
そして涙に溺れるのである。




以上!