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今日のラノベ!


ひきこまり吸血姫の悶々 2


ひきこまり吸血姫の悶々 2

著者:
小林湖底

イラスト:
りいちゅ

レーベル:
GA文庫


【あらすじ】

 「ごめん。お前、誰だっけ?」
 コマリが意図せず煽ってしまったのは七紅天大将軍の一人、フレーテ・マスカレール。これがきっかけで事態はどんどんエスカレートし、ついに将軍同士が覇を競う「七紅天闘争」にまで大発展してしまう!
 敵となる将軍どもは手ごわいヤツばかり……かと思いきや、コマリは新たに七紅天となった少女、サクナと打ち解ける。文学趣味で、コマリのことを「姉」と慕うサクナは、コマリ以上に内気で気弱な子だった。
 一方その頃、宮廷内では要人暗殺が横行。さらにはヴィルがサクナに微嫉妬したりと、コマリの周囲は大さわぎ。コマリの平穏な引きこもりライフは、はたしてどうなる!?



感想:★★★★★





ハートフルでありハートフルボッコであり……






ひきこもれないコマリの将軍生活2冊目。



1巻で暗躍していたテロ組織 “逆さ月” の影もチラつきつつも、今回のメインは何と言っても七紅天大将軍内の内輪もめ!


世間知らず(※ひきこもっていたから)のコマリがうっかり煽ってしまったフレーテさんが激おこ。
他の七紅天大将軍も巻き込んでの闘争へと発展します。
闘争と言っても、魔核の範囲内であれば本当の意味で死ぬことの無い世界。
遠隔中継を利用した一大イベントとしての側面が強いのはご愛敬。
……まぁフレーテたちがコマリに向ける殺気は本物ですが。




不参加の第一部隊を除く全六部隊の面々が、個性的で面白かったです!!
陣容としては以下のような感じ。概ね。




第七部隊・コマリ:主人公
第六部隊・サクナ:今巻のメインヒロイン
第二部隊・ヘルデウス:サクナの将軍就任推薦者


VS


第三部隊・フレーテ:コマリに煽られた人
第四部隊・デルピュネー:仮面被った怪しい人
第五部隊・オディロン:見た目がTHE・武人って人





とはいえ、七紅天闘争はポイントを争う個人戦(個部隊戦)かつ最下位は将軍罷免=爆破なので、あくまでも名目上はサバイバル。

普通にやってたら勝てない(と思っている)コマリがサクナと手を組み、サクナにヘルデウスが味方し……といった形でこんな感じに。






まぁ一国の戦闘部隊が総出でやってるこの闘争すら、テロリストからしたらコマリを殺す良い機会でしか無いわけですが……







~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~






新キャラ・サクナをめぐる物語だったわけですが、こう、「良い話だったなー!」と纏めるには事の経緯の毒が強かったです。
サクナ目線で見ると、わりかしハートフルボッコです。
傷心です。

1巻でコマリと敵対したミリセントも境遇はなかなかでしたが、サクナはそれ以上……


でもそーゆーとこの魅せ方もうまいんですよね、この作品。

「こういう経験があったからこういう行動をした」ではなく、「こういう経験があったから、こういう考え方をするようになりました」なのが凄いです。
作品の中でキャラが生きてます。間違いなく。




そういうわけで、
サクナの二面性みたいなものを察してゾワッとした時の
……楽しさと言ったらもう!!



これからどんな葛藤をしてくれるんだろう!」ってウキウキしちゃいましたね!

……鬼か。






でも、しっかり最後はハートフル。
力を持たない(というかまだ自覚していない)コマリが敵に立ち向かう姿というのは王道カッコイイですし、覚醒してからの力の使い方もやっぱりカッコよくて心温まります。

あと今回はラストのあの人ですよね~~~~~~~~!!
かんっぜんに全部もっていきましたね!!!!
あんなことされたら入信しちゃう……
一生付いていっちゃう……








~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~







っていうかイラスト力高すぎません???








扉絵のむっすーしてるヴィルがメチャカワなのに目次カラーのヴィルはカッコイーで、読む前から心臓やられましたし。


ちくしょおおおおおぉぉぉぉしてるコマリの躍動感やら、


サクナ初登場のきゅるるるるんって感じと、ヤバサクナ初登場の怖さの落差やら、


とどめにまさかの登場ミリセントさん!
え、美女……(昇天)ってなるのもやむを得ないと思うんですよ。
あのイラストだけ5度見くらいしました!
それくらい素敵!





GA文庫さん、最近イラスト偏差値がめちゃくちゃ高いのでとても信頼できますね!
ありがとうございます!!










まとめ





信頼できる爺ちゃんほど怪しく見える説









国内で争える人もいないですし、次はいよいよ本格的な対外戦になるんでしょうか……?


いいぞー!
世界が広がるということはキャラが増える!
キャラが増えるということは推しが増える!


コマリの心労も増える!!


心労が増えるということはぶっ飛んだセリフが増える!



つまり面白い!!!




次もとても楽しみです!
ミリセントさんもまた見たいな……(ガチ恋勢)




以上!



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今日のラノベ!


ひきこまり吸血姫の悶々


ひきこまり吸血姫の悶々

著者:
小林湖底

イラスト:
りいちゅ

レーベル:
GA文庫


【あらすじ】

「……ふぇ? な、なに?」
 引きこもりの少女テラコマリこと「コマリ」が目覚めると、なんと帝国の将軍に大抜擢されていた! しかもコマリが率いるのは、下克上が横行する血なまぐさい荒くれ部隊。
 名門吸血鬼の家系に生まれながら、血が嫌いなせいで「運動神経ダメ」「背が小さい」「魔法が使えない」と三拍子そろったコマリ。途方に暮れる彼女に、腹心(となってくれるはず)のメイドのヴィルが言った。
「お任せください。必ずや部下どもを勘違いさせてみせましょう!」
 はったりと幸運を頼りに快進撃するコマリの姿を描いたコミカルファンタジー! 引きこもりだけど、コマリは「やればできる子」!?




感想:★★★★★



どもー!
読了直後のデスカイザーです!

早く2巻が読みたいので(既に手元に用意している)、今回の感想はいつもみたいに2時間とか3時間とか掛けずにブワアアアアアッッと思いつくままに書いていきたいと思います!!


大丈夫。できる。
何せ、言葉に迷わなくて済むくらいには面白かった!







①コマリが可愛い!





何はともあれ、この作品の良さを語るうえでは外せない主人公・コマリの可愛さを語ろうと思います!!



ビジュアル!! 100点!!!





サラッサラの金髪に芯を感じさせる紅の瞳!


慎重は小さいけれど、美の迫力でもって威厳すらをも感じさせる造形美!


薄めの胸と絶対領域!!







表紙だとちょっと困った顔してますが、表紙めくっての扉絵での嗜虐的な笑みがまた良いのなんの!!!






私やコマリ隊の面々がロリコンであるか否か、その真偽なぞ些事なのであります。
このオーラを前にしたら膝ついて頭垂れることに違和感は無いですね間違いない。




そんでもって、幹部クラスだけでなく部下のお悩み相談までしてくれる御心の大きさ……!

これで心酔しないわけがない。



あとあと!!
伊達に3年間引きこもって小説を読んだり書いたりしてきたわけじゃないんだな、っていうのが発揮されるシーンが良いんですよね。




それすなわち、
将軍として部下に虚勢を張るシーン!!





事あるごとにお披露目される口上は、内心冷や汗ダラダラなことを微塵も感じさせない素晴らしい文言の並びで、堅苦しいようでスルッと入ってくる分かりやすさなのがとってもコマリ様らしいと思います!!!








②コマリの周りを固める人たちも強い!






コマリの可愛さを全力で引き出していく、無茶ぶり四天王たちの活躍も忘れちゃいけない。




愛しい四天王たちを紹介するぜっ!!






娘のためなら何でもする(※比喩ではない)、父!


専属メイドにして凄腕の変態、ヴィル!


色情魔、皇帝!


アウトローの塊、コマリ隊!







うん、「ギャグ」の付かないファンタジーにしては盛りすぎなくらいにキャラが濃い!
よく空中分解しないな……




この四天王たちが休む隙もなく全力投球してくるのに、いささかも負ける事のないツッコミと涙目でもって相対しているコマリンの逞しさ!
そういう意味ではコマリはとても強いと言っても過言ではない……?









なお、こうした前半の「ぶっ飛んだおふざけ」が後半のシリアスパートを引き立たせているのは言うまでもなく、(少しだけ冷静になって文学作品として読み解くのであれば)私はこの点に小林湖底先生の力量の強さを感じました。


あ、そういう意味では「小難しいセリフ・情景描写」と「舌ったらずなセリフ・端的な内心吐露」の使い分けも素晴らしいと思ってます!
そういう文章ラブ!!!!!






③世界観




世界に存在する6つの種族がそれぞれ「魔核」を持ち、それの持つ無限の魔力のおかげで、死んでも回復する=魔核の範囲内では本当の意味では死なない、というベースが結構効いてきます。



ワンチャン、“コマリに隠された力がなかったとしても” 死んで蘇って逃げれば将軍職とはサヨナラできるという枠組み。
でも死ぬのは当然痛いから、頑張るしかない。
しかも無条件で死なないわけじゃない(魔核の範囲外だったらそのまま死んじゃう、etc)から、日頃から油断するわけにもいかない。


保険があるけど体をゆだねることもできないコマリの葛藤と、それに反してポンポン死んでいく周りの人たちとの温度差が面白かったです(笑)


また、そのベースによって戦争の価値観も現実のものとは大きく違っていて、コマリが曲がりなりにも将軍職をやれているのってコレのおかげなところがあるとも思います。
いくら名家の生まれだからって、なんの訓練もなしに「人を殺す指揮を執れ」だなんて言われたら病むもんね……








まとめ




結局感想書くの1時間はかかるんですよね知ってた






ということで、『ひきこまり吸血姫の悶々』の感想をネタバレしない程度にお届けしてきました。




真面目な引きこもりのコマリと周囲の変人たちとの掛け合いが面白かったですし、前半と後半の空気感の違いにグワシッと胸を捕まれて握りつぶされた気分です!
清々しい紅(あか)!!!!




そもそも何故コマリが引きこもったのか、何故コマリが将軍になることを皇帝が認めたのか等々、気になる方は是非手に取ってみてほしいです!
ちゃんと1巻で纏まってるです!

何なら表紙を見て「可愛い」と思った人は手に取って損しないと思います。
あー……好きな子がボロボロになるのを見たくなかったら、そこだけ目を伏せましょう。うん。




では、感想、終わり!
2巻を読んできます!!!!!




以上!



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どもー
デスカイザーです


このライトノベルがすごい!2020への投票はしっかりしてきました!
実はこの記事の作品にも……?(示唆)

おかげで少しだけ読書習慣を今の生活にねじ込めたので、(以前までと比べれば少ないですが)このままゼロにならない程度には読んでいければと思います。
もちろんブログもね! 書くよ!





ではでは、今日のラノベ!

処刑少女の生きる道


処刑少女の生きる道
―そして、彼女は甦る―

著者:
佐藤真登

イラスト:
ニリツ

レーベル:
GA文庫


【あらすじ】

 この世界には、異世界の日本から『迷い人』がやってくる。だが、過去に迷い人の暴走が原因で世界的な大災害が起きたため、彼らは見つけ次第『処刑人』が殺す必要があった。
 そんななか、処刑人のメノウは、迷い人の少女アカリと出会う。躊躇なく冷徹に任務を遂行するメノウ。しかし、確実に殺したはずのアカリは、なぜか平然と復活してしまう。途方にくれたメノウは、不死身のアカリを殺しきる方法を探すため、彼女を騙してともに旅立つのだが……
「メノウちゃーん。行こ!」
「……はいはい。わかったわよ」
 妙に懐いてくるアカリを前に、メノウの心は少しずつ揺らぎはじめる。
 ――これは、彼女が彼女を殺す旅。




感想:★★★★★




大賞、納得。









さてさて。
今抱えている「すっごく面白い!」って感覚を、ネタバレ控えめで、かつ分かりやすく書き残すにはどうしたらいいのか悩んでいるわけですが。




何せ、ページを重ねるごとに面白さがも重なっていくというのが、ひとつ感覚としてあるわけです。





「何を当たり前のことを」と後から見返した時に自分で突っ込みそう。

違うんですよ。
主流とは言わずとも、こう、ひとつの大きな流れとして「タイトルを秒で回収するラノベ」があると思うんですけど、例えるならばタクシー乗り場でタクシー待ってたらタクシー来たみたいな感覚なんです。
その後の乗り心地、運転技術、目的地が違うから千差万別の物語になっていくんですが、根本の「タクシーに乗る」という部分は安心感として担保されているんです。



一方、この作品を例えるならばタクシー乗り場でタクシー待ってたらやけに長い車が来て、訝しみながらも乗ったらドリンクやら軽食やらがあるし静かだし……これはもしやリムジン!? みたいな感覚なんです。
タクシー、なれどタクシーに非ず。







(読み返したら自分で何を言っているのか分からないんですが、面白いので残しておきます)



キャラとストーリーの2方向から感想を書いていきたいと思います!




①キャラが良い!




主な登場人物は4人。





表紙で可愛い、主人公で神官、そして処刑人のメノウちゃん。

メノウの補佐を務めているモモ。

迷い人で日本では女子高生のアカリ。

王族でありながら騎士にもなった王女・アーシュナ。






それぞれ見た目からして「好き!」ってなる素晴らしさしてますし、表向きの性格も魅力的。
しかし見た目だけにあらず。
美しさを引き立てる陰がある事こそが、最大の良さなんですよね。


例えばメノウちゃん。

陽炎フレアと呼ばれた伝説的な処刑人の弟子で「清く正しく、そして強い」神官であろうとすることを意識しているよう。

それ自体は何もおかしくないんですが、問題は彼女が「心を漂白」されかけた過去を持つということ。
それ以外の生き方を知らずに……というか処刑人として生きる以外に道が残されていないような状態で処刑人となった彼女が、強く在れていること。
信じて疑わない芯を持てていること。

存在に影が無いことが、逆に陰となって付きまとっているような感覚でした。


作中でもモモが懸念していましたが、もし処刑するべき人間へ強い情を持ってしまい自分の芯との間で板挟みになってしまったら……
それもまた成長のきっかけとなるかもしれないし、もしかしたら壊れちゃうかもしれない。
表紙のイラストからも感じる色気のある危うさが彼女の最大の魅力です。





……と、メノウちゃんに関してはそんな感想を抱きました。
普通の枠組みで見れば圧倒的とも言える能力を持っているのに、安心はできない。
このハラハラ感がメノウちゃんだけじゃなくどのキャラにも共通してあって、読んでいる時の面白さに繋がっているのかなぁと思います。

好きです。






……なんで私、メノウちゃんだけちゃん付けしてるんでしょうね??




あとその延長線上なんですけど、扉絵のキャラ紹介に句点が付いてるのすっごく良いんですよね……!
「処刑人。」みたいな。
簡潔だからこそ逆に闇を感じるやつ……!









②ストーリーが良い!!





いやぁ、まさか開始30pもしないうちに……(不穏







(不穏 から始まる物語って否応なしにその後の期待値も跳ね上がっていくんですが、この作品の場合はそれすらも軽く超えていきましたね!
世界観の解説と、バトル、あとメノウちゃんとアカリによるコント(コメディと言え)がそれぞれすごく良いタイミングで切り替わっていくなと思いました!

飽きないんですよー!
正確には、先が読め始めたところでそれをひっくり返されるような感じ?でしょうか?






メノウちゃん、戦いはじめる
 ↓ ↓
有効打は無いけど時間切れ狙えばOKだと分かる
 ↓ ↓
安心してたらアンラッキーな妨害で難易度跳ね上がる
 ↓ ↓
アカリが来ちゃう(戦闘しながらコントスタート!!)
 ↓ ↓
メノウちゃんよく頑張ったね……(同情)






作中とあるシーンの流れなんですが、特に3・4番目の秀逸さが面白さにブーストかけていると思うんですよね!!
2番目で勝ちの未来が見えたところで、安心して読ませないための工夫。
特にアカリが来ちゃうあたりで戦闘の雰囲気まで変えてくるのが好きですね……!


さらに、こうした一つ一つの戦闘の流れも、巻を通して見ると確かなストーリーの一部となっているところが、経過としてではなくポイントのひとつとして機能しているのが良いんですぅ……!
主にラストバトルで「!!!??」ってなったアカリのギミックのせいなんですけどぉ……!!
そうだよねぇ……“時”だもんねぇ……!







まとめ





この世界観で、
あの掛け合いが書ける……


なんと
素晴らしいことかッッッッ!!!










……という感情すらも上回ってこの作品が好きな一番の理由って、黒幕の動機かもしれないです。

ここまでのことをやって、それ??っていう。
世界征服とか権力の統率みたいな分かりやすい理由以上に分かりやすい。
故に狂気。
故に純粋。
一歩間違えればギャグになりそうなところを、よくシリアスにまとめあげてくださいました!!!と感謝感激感動感涙です!





強いて言うなら魔導を用いた戦闘が1巻からぶっ飛ばしすぎててこの後大丈夫??というくらいですかね、懸念点。
なんかアルテラの宝具みたいなの出してませんでした?黒幕さん。






もう……なんでしょう。
完成度高すぎて、しばらく私これを生きる理由のひとつにしようかなと思うくらいには好きです。


これから先のストーリー、どうなるんだろうなぁ……





以上!




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今日のラノベ!



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きれいな黒髪の高階さん(無職)と付き合うことになった

著者:

森田季節

イラスト:

紅林のえ

レーベル:

GA文庫


【あらすじ】

「失敬な。私はプロのニートだ」
「プロというのは、お金をもらう立場のことだろ」
「私はちゃんと親から毎月、お金を得ている」
「違う! そういう意味じゃない!」
 サークルにも行かず暇をもてあました京都の大学生、日之出は学内でミステリアスな女性に出会う――。
 しかし、高階さんというその女性は学生ではなく、ニートだった!
 そして、日之出が暇であることを看破した。
「なら、ちょうどいい。私と付き合わないか?」
 森田季節×紅林のえが贈る、無職と大学生のスローライフだらだらラブコメディ!




感想:★★★★★



猛烈な説得力を持つ持論を展開するニート・高階さんと、暇を持て余した大学生・日之出のお話





どのくらい説得力あったかは、下の読書メモを見ていただければ一目瞭然だと思います、はい。
夜勤明けで読んで頭が回ってなかったとか、そういう言い訳はしないです。
今読み返しても「やっぱり実在したのでは??」って思うくらいなので。






18p〜20pにかけて語られる高階さんの考える「労働」の定義と持論に痺れて、そこから一気に引き込まれました。
特に「遊びと労働が事実上、同一のものになっている人間もより勝利者に近い」という一文が強かったですね……!



まさに!!



って早朝の東海道線で膝を打ったのをよく覚えています……
持ってたビール零したからな……
よく覚えていますとも……







所属しているサークルでは実質幽霊部員となっている日之出が、高階さんに感化されることでついに身の振り方を決めるのか!
それともサークルメンバーで唯一交流のある「たぬきち」こと狸林に引っ張り戻されるのか!!


(戻るという選択肢はまず無いので)そこまでハラハラせず落ち着いて読んでいましたが、だからこそ面白かったです。

世間的に白い目で見られるであろう「ニート」「無職」よりも、まだ評価されるであろう「サークル活動」「学生生活」が選択肢として弱く見えていたので。


そこにある差は、行動に伴う意思かなぁ……
本能的に遊んでいるか、理論的に遊んでいるかみたいな。
でもあっちにはあっちなりの理論があるのかもしれない。ないかもしれないけど。










めちゃくちゃしっかりしているように見えて、誰かと居ることに慣れていない高階さんが時々ポカるのが可愛かったです!!
お風呂とかね!!!!



あと家庭教師のバイトをしている日之出の教え子・彩乃ちゃんの可能性が強々です!
たぬきちと同じく高階さんと真逆のポジション…………と思いきや、たぬきちタイプへの苦手意識がありそうで。
エピソードひとつ追加されるだけで印象ガラッと変わりそうな予感がします。





読書メモ



20:調べちまったよ!!!


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(11月23日朝6時30分時点での検索結果)




131p:東京ばな奈
⇒…………確かに東京とバナナに何の関連性もねぇ!?
鎌倉の鳩サブレとかはまだ鶴岡八幡宮感あるし、広島のもみじ饅頭ももみじだから分かるけど、東京とバナナは繋がらねぇ……!!あとひよ子も!!!(飛び火)

老若男女誰にでも親しめるというのがバナナの採用理由だそうです。Wikiに書いてあったから間違いない。






まとめ




なお、今回の感想は読了後1ヶ月経ってからの感想でふわっとしてしまい申し訳ありませんシリーズです。申し訳ありません。



感想書くにあたってパラパラ読み返すだけのつもりが、5分10分と読みふけってしまいました。
それだけの魔力があります。

高階さんのどこか大人びた毅然とした態度と、時折見せる若者らしい素の表情とのギャップが最高です!!


京都ご当地ネタもいくつかありそうなので、そちら方面での期待もアリだと思います!






ぜひ!!!




以上!


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今日のラノベ!

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最果ての魔法使い

著者:

岩柄イヅカ

イラスト:

咲良ゆき

レーベル:

GA文庫


【あらすじ】

 はるか昔、人類を滅亡寸前まで追い込んだ魔獣を自らと共に封印し、伝説となった魔法使いがいた。だが、彼は千年の封印から目覚めた後に絶望する。魔法は忘れ去られ、世界は再び崩壊の危機をむかえていたのだ。
  そんな世界で彼に手をさしのべた少女・フィルとの出会いが、千年の孤独ですり減った彼の心に新たな火を灯す!
「あなたは一体……何者なんです?」
「僕の名前はアルカ=ニーベルク、ちょっと凄めの魔法使いさ」
 悠久の時を越え、伝説の続きが今紡がれる!最強の魔法使いによる救世の物語、開幕!!
 第10回GA文庫大賞『優秀賞』を受賞した傑作ファンタジー!



感想:★★★★★




第10回GA文庫大賞にて優秀賞を受賞した新時代の王道ファンタジー!




冒頭。



いきなりクライマックス



仲間たちの文字通り命懸けのサポートによって魔獣氾濫の元凶たる魔樹を封印、人類を救った主人公・アルカ。
しかしその救いはいつ終わるとも知れず、そしていつか終わりを迎えてしまう封印という形。
アルカの幼馴染が死んじゃってることに絶望したあたりで、感情移入はばっちり完了しましたよね……
つらい。




そして封印明け。こっちの世界観がメイン舞台。
世界には再び魔獣が氾濫し、人類は大打撃を受け……という情勢。
魔法が無いものの科学の力によって千年前よりもしぶとく生き残っていた人類に、アルカという伝説の魔法使いが加わることで戦況はどう変わるのかな?というのが、シリーズ通しての注目ポイントになっていくのかと思います。

とりあえず1巻となる今巻では、フィルというケモ耳少女との出会い、アルカの時代と現代との差の洗い出し、そして千年の時を越えて行われる決戦が物語軸となっていました。






フィル可愛いですよ!フィル!!




すんごい良い子で、一緒に逃げている子供たちの前ではお姉さんしてて、でもアルカの前ではフィルもまた純粋な子供で。
あと服装がえっちぃ
あのスカート丈、じょーそーきょーいくに悪いと思います!


フィルと共に居る自立ロボのナビが、作中でフィルの言動を解説してくれるので読むのも楽でした。
「あ、こういう理由があるからフィルはアルカにこういう態度なのか」って。
多分あれが無かったら、異様に距離感の近いヒロインだと思ったまま読んでいたでしょう……

アルカはフィルのことをナビから、フィルはアルカのことを“物語”からそれぞれ知ることができて、だからこそ幾年も共に居たかのようなやり取りが後半にかけて増えていくんでしょうし、その距離感の縮まり方に納得できるんでしょうね。









決戦からエピローグに至るまで……凄かったですよね……


これ第1巻の重みじゃないんですよ……
新時代の「王道」ファンタジーを名乗るだけあって、てんこ盛り。


濃縮した闇のような絶望的な展開と、熱々の熱みたいな展開がラッシュ仕掛けてくるんですよ……




語彙がこうなるのも当然。



でもただ詰め込んだだけではこうはならないですよね、やっぱり。

例えば子供三人組の出し方が多すぎず少なすぎずの絶妙なラインだったり、奥の手を示唆していたり、魔法の出力を段階的に引き上げていたり。


途中で作られていた小さな波が、ラストの大きな波に合流して更に大きい波になっているような。
そんな感じを受けました。最高です。(やはり語彙)





無くなった語彙を探してくるので、その間に読書メモをば。


読書メモ


53p:奇しくも防弾ガラスと同じ
⇒高度に発達した科学が魔法のようであるならば、
高度に研鑽された魔法は科学と同じ結論に達する、と。

このワンクッションがあったから、その後のアルカの魔法的に使う魔法の凄さが染みるんですよね。
科学では成し得ないことをいとも簡単に成し遂げてしまうアルカさん。
ぱないっす。



108p:神さまが成した4つの奇跡
⇒ほかの作品だと禁忌として描かれることが多い「死者蘇生」などを、魔法使い(あるいは人間の)至るべき最終目標として描いているんですよ……!
ここに至るまでにも好きなシーンは幾つもありましたが、ここの解釈を見て「……推そう」ってなりました。
いやまぁどちらかというと解釈の内容よりも、魔法使いとしての誇りを説明するアルカの表情とか、抑揚のひとつひとつまで想像できる文章に凄いな、好きだな、ってなったのですけどもね。
そこを大々的に言うのも恥ずかしいのでそれは内緒にしておきます。



116p:フィル好きー
⇒みんなを護るために力を欲するここのフィルちゃん、好き……むり……



179p:爆発しろ
⇒人間味のあるロボット萌え



~208p:ギルメア
⇒アルカと同じく千年の時を過ごし、考え、感情を持ってしまった異形。
かの存在もまた、ラストバトルの重みをズッシリとしたものにしていますよね……
同意するかは別として、その内心を知っているか知らないかではやはり違う……



260p
⇒熱い……!!!!!!!!!





まとめ



見つかりかけて、また消えた語彙











面白かったです!!






……いや、うん。
もうちょっと素直に述べると、中盤は少し不安だったというかダレていたというかモニョモニョ……
フィルが自分の恋心に気づくまでの描写が、私には少しあからさますぎるように映っていたというかモニョモニョ……
ただ、あれがあったからその後の「抱いてください!」の面白さがランクアップしているわけなので、それを踏まえて見返せばそういうことだと理解はできるものの、やはり読んでいる最中の一瞬のモヤッは無かったことにはならず、しかしそれもまたスパイスとなり……

理解も納得もしたうえで、あえて書き残しておきたいと思います。














だって、2巻出るなら、同棲スタートでしょ!!??


告り告られた2人がひとつ屋根の下でしょ!!??



恋心で魅せてくるんでしょう!!!!????













楽しみです。
とっても、楽しみです。




以上!


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