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今日のラノベ!

幼女さまとゼロ級守護者さま 2


幼女さまとゼロ級守護者さま 2

著者:
すかぢ

イラスト:
狗神煌

レーベル:
GA文庫


【あらすじ】

「お願いします!!」
 校門で待ち構えていた咲乃は、目を潤ませながらノートを差し出した。名門・ケセド女学院の女生徒による告白イベントに周囲は色めき立つ。なにしろここは七F高――ネテスハイムでも最底辺の学校なのだから。咲乃は決めたのだ。もっと強くなると。だから“ゼロ級守護者”への弟子入りを決意したのだ。
 そして再び天球儀が動き始める。不自然なほど低いランクの青銅ダンジョン。しかし、そこに集結したのは対抗勢力の大アルカナ、そして謎に包まれた最強最悪のJoker of Death ――かつてない強敵が羽玖を狙う。様々な思惑が複雑に交錯する天球儀ゲームの行方や、いかに!?




感想:★★★★★




絶対にネタバレしない、という鋼の決意を感じる公式あらすじに敬礼

そしてそれに倣い、1巻に引き続きネタバレは……頑張ってしないように…………







1巻と連続で読んで大正解でした!

その理由はずばり、チェーホフの銃



1巻315pで羽玖が説明しているシーンもある言葉で、序盤に出てきた小道具が後々重要な小道具へと変わっていくことを表します。
で、まさにコレが2巻のテーマで、面白かったポイントでした!



皇、止水のクラスメイトとして登場したものの1巻ではあまり出番のなかった歌乃が今巻最大のキーパーソン。
ほかにもあれやこれやそれや……
1巻で放られた何気ない言葉、2巻序盤で出てくる何気ない世界設定。
それらが後に進むにつれて、1つのうねりとなってザバーッと押し寄せてくるのは快感でもあり恐怖でもあり。
だって、銃に気づけなければこの1冊の楽しみを1つ失ってしまうということなんですもん。

記憶と照らし合わせつつ記憶に刻みこむかのように読み、あっという間に読み切ってしまいました……!
こんなに前向きに集中して読んだのはいつ以来か、というくらい集中しました。






お約束要因・咲乃の204p以降のお約束じみたやり取りは、ある意味この作品のこれからを象徴しているのではないかと思いました。
最初に叙述トリックという爆弾を仕込んだ以上、残るは局所的な殲滅戦。
1つ1つ進めていきながらも、その過程は単純かつ迂遠で果てないものになるというか……
伝わるといいな……(努力の放棄)






あと今回、羽玖の「幼女さま」って感じのシーンがマシマシで最高でした!
ナイス平手打ち!!
多分1巻ではやりたくてもやれなかったんでしょうね、諸々の都合上。
ネテスハイム公・透華との繋がりも感じさせる威厳と聡明さで、でもたまに許容範囲を超える出来事があると取り乱す姿もあったり。
良いですねぇ……!





まとめ




この感想は、前後左右を地雷とひよこに囲まれたうえでお届けしております。

踏み込んじゃいけないところと、踏み込みたくても踏み込めないところしかない……





果たしてJoker of Death と“ゼロ級守護者”とのバトルはどんな結末を迎えるのか。
今回の戦闘もだいぶメンタル持っていかれた感じありますが、次はもっと大変そうですよね……
覚悟は持っておいたほうが良さそう。




まだ登場していない「銃」はあったかしら……?




以上!


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今日のラノベ!

幼女さまとゼロ級守護者さま


幼女さまとゼロ級守護者さま

著者:
すかぢ

イラスト:
狗神煌

レーベル:
GA文庫


【あらすじ】

 ネテスハイム公、雨宮透華は「切り札」たる守護者を召喚して告げた。「雨宮羽玖。雨宮の娘を守って欲しい。忌まわしき天球儀ゲームから」
「十三血流れ」――その眷属たちは名だたる能力使いであり、世界史を裏から操ってきた。だが、その近郊を揺るがしかねない存在が羽玖であり、彼女は「不死」にさえなりうる希有な能力《節制》に覚醒する予兆を示していたのだ。
 十三血流がさらなる力を得るべく眷属を送り込む「天球儀の迷宮」。能力者たちが集う閉鎖空間において誰かが羽玖を亡き者にしようと狙い、誰かが羽玖を守護する切り札となる。
 各家の思惑が交錯する中、その趨勢を決する迷宮探索が幕を開けた――。




感想:★★★★★







質問箱で「このライトノベルがすごい!」投票前までに読んで欲しい作品!というテーマで募集した際にオススメいただいた作品です!
ありがとうございます!!



姫を守りながら迷宮を攻略する従者一行のお話







序盤はネテスハイム公をはじめとした十三血流による会議の様子と、ネテスハイム公が切り札へ役割を与えるシーン。
とっっっっても迂遠で重厚で雰囲気に満ち溢れています。

いやー、やっぱりこういう厨二感マシマシな世界観の設定は苦手です。
もう何を言っているのか全く頭に入ってこなくて、同じ文章行ったり来たり。
冒頭二行目、
「巨大時計の動作機構ムーブメントが大きな音を立てて廻る」
だけでもう苦手スイッチオン……


これが続いたら読了までに5回寝るな、と思いつつ1度の寝落ちで1章をなんとか読み切りました……
寝落ちの最速記録を叩き出しましたね……



2章からはそんな重苦しい雰囲気が一度なくなり、皇目線で描かれる学園生活と天球儀ゲームのお話。
世界の行方と自らの命をかけた迷宮攻略にハラハラドキドキ。
無事に元の世界に帰れるのか?
姫の命を狙う不穏分子は誰なのか?






とかいう普通の話だとねー、思ってましたよねー





迷宮の最新部にたどり着いてからの大アルカナ同士の戦いは、それまでの戦闘シーンがあまりにもちっぽけで児戯にも等しいものだったと思い知らされ。
今まで認識していた戦力図が全くの虚像で。
あれほど苦手だった序盤のシーンがカモフラージュと最初の仕掛けだったことに気づいて無性に読み返したくなり。

それら全てのトリックが、絶妙にプライドを守れるくらいの場所で気付けるように構成されている安心設計で。







読後の満足度が今年随一です!

これはオススメしたくなる気持ちがよく分かります……




適度に頭をパンクさせつつ、僅かに働いている思考も「迷宮からみんなで生きて帰るにはどうしたらよいか」というところにうまく誘導されているので、うまくカモフラージュされているんですよね。多分。
木を隠すなら森の中。
謎を隠すなら謎の中。
愚者を隠すなら愚者の中。

……いやこれ本当に迂闊に何も話せない(笑)






ネタバレずにしゃべれる部分もあるんですよ。
アルカナにまつわる設定部とか、十三血流の出自とか。
でも、冒頭にお伝えしたとおりどうしてもこのあたり苦手で、ネタバレ云々関係なく理解が語れるレベルに及んでいないためにしゃべれない……
パラケルススならFGOで名前だけ知ってるぞ!とかくらいですよ……?





まとめ





未読の方に言えることとすれば、

「序章と1章を乗り切って、
 2章以降普通に能力ものとして楽しんで、
 9章以降であたふたしてください」


というところでしょう。
幼女すばらしい。



とりあえず「サクラノ詩」を絶賛していた友人に今度押し付けてきたいと思います!



以上!



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どもー。
デスカイザーです。


そろそろ引越しの時に持っていくラノベを厳選する作業に取り掛からないといけない、という話は以前してましたっけ?

とりあえず超お気に入りの作品以外は既読を置いていくとして、です。
おそらく500冊は優に越えるであろう未読作品の何割を持っていくのかですよ…。
読む時間は今までより減り、必然的に購入作品数に対する積ん読率も高まるであろう状態で…。
……2割くらい?



では、今日のラノベ!


地球丸ごと異世界転生 2

地球丸ごと異世界転生 2
~無敵のオレが、最弱だったスライムの子を最強にする~

著者:
kt60

イラスト:
〆鯖コハダ

レーベル:
GA文庫


【あらすじ】

「『浮遊城』を調査、可能なら破壊して欲しい」転生者の少年レイクは最弱種族の少女スーラをパートナーに得て今日も修行に励んでいた。そんな彼らの住む国を、突如正体不明のモンスターが襲撃する事件が発生する。時を同じくして、謎の『浮遊城』が出現し、レイク達もこの城の調査に協力することに。空からの侵入には、一騎当千と言われる天馬騎士団との協力が必要なのだが、自称・レイクの下僕のキャロルは騎士団のエースである少女と衝突してしまい―!?『理不尽な天才』の少年と最弱種族のパートナーは謎の『浮遊城』で何を目にするのか。ハーレムファンタジー怒濤の第二弾、登場!




感想:★★★★☆

2巻目にして完結巻!
売上的な大人の事情とのことですが(あらすじ談)、それがストーリーの落差を良い意味で大きくしているように思いました。
打ち切りをプラスに持っていくって、なかなか稀有なパターンじゃないでしょうか…?




文章としては……あれですよね。
2chのスレで「最近のラノベ、やはりスッカスカwwwww」とかで例として挙げられそうな改行の嵐

deskyzer個人としては、それを瞬間描写の連続として、1コマ1コマを描くことで動きをより濃密に感じ取れるというメリットを恐らく他の方より大きく見ています。
状況説明にしても視界全体を説明されるよりも、順番に視点を変更しながら情報処理していくほうが楽なので。
以前上のような2chのまとめスレ見て、メリットを語る意見が一切無かったのが気になっていたんですが、今回良い機会なので少し書かせてもらいました。


でも!それにしても!と言いたくなる気持ちが無いわけでは…ない。かな?
以上★-1の理由。





キャラとかストーリーのおはなし。



事件の発端となるサメの飛来、あれは……かの有名なB級映画「シャークネード」のオマージュですよね!
自分でもよく分からないところで1人テンション上がってました。
だって、あの映画発想の素晴らしさしかないじゃない…?





ヒロインが増えれば増えるほど強くなるkt60先生なだけあって、冒頭第1話での引き込まれ方、中盤新キャラのカルラ、サリッサ、リック、アオバという新キャラ登場となる7話~12話にかけての日常パートはやっぱり大好き。
好きっていうの何回目だか分からないけど、好きなものは好き。



作品を部屋に例えると、ヒロインはそこに置いてある家具とか箱なんです。
で、そこに全力でレイクというスーパーボールを投げ込みます。
しっちゃかめっちゃかに跳ね回ります。


ほら楽しい(真理)




そんな家具たちの中で今巻スーパーボールを一番翻弄していたのは学習机ことリック
……いや、ちゃんと考えて学習机に喩えてますから!

スーパーボールで遊んだ人の中でも一部の方の共感しか得られないんですが、学習机の下って棚があったり段差あったりでイレギュラーバウンドしまくるんですよね。
しかもハマるとなかなか出てこない。
そして本来の用途は効率的な学習。
椅子(アオバ)という名の寡黙ながら欠かせないパートナーの存在。

ほら!


喩えの出来はともかくとして、リックは本当に良いキャラでした…!
常人とは少し違うところだけど確かに芯を持っていて、感覚派と見せかけた理論武装で、それでいて学習意欲と吸収速度も高くて、ボクっ娘で、エッチくなれる素質も有り。
強い。
どうでも良いけどレイクが学習机(本物の)に座ってたら、いつの間にか足の間に入ってる子だよね、この子。



まぁ、メインヒロインたるキャロルにはあと一歩及ばないんだけどね!!
(※個人の感想です)



1巻の感想で願った「キャロルの幸せ」が、まさかまさかのあとがきコメント付き(しかも当ブログのことを仄めかしながら…?)で叶うという奇跡。
過去の彼女の境遇を思えば、奇跡という言葉ですらまだ足りない…。

友達としてという注釈があったとしても「普通に好きだし」とレイクに言ってもらえた時の彼女の気持ち、自分が最も力を出せるであろうシチュエーション・レイクの言葉が揃った上での精霊化、迷宮内での不甲斐ない気持ち、スーラを伴わず城を出てきたレイクを抱きしめた時の胸の痛み、そしてレイクの子がお腹にいるというどうしようもない幸せ。


よがっだよ……ほんどうによがっだよ……(号泣)






号泣といえば、カラーイラストにもなっているスーラ絶命のシーン…。
これまた1巻の感想で「主人公のかっこよさが際立つこと、キャラへの仕打ちが容赦ないことがこの作品の特長になりそうですねー。」と何気なく書いていたんですが、この2つの要素が特に顕著に出ていました。
で、このシーンがまさに、一番最初に書いた稀有なパターンの要因だと思うんですよ。


本来ならもっと時間をかけて判明しそうな「地球丸ごと異世界転生」の真相、レイクの強さ、妙に少ない元地球人の謎だったりが畳み掛けるように明らかにされ、あこがれの傭兵の助力まで。
この時点で前半でのスーパーボール感からは想像できない闇があるのに、その上でさらにスーラまで…。

ぎゅっと詰め込み完結させたが故に、落差もとんでもないことになっていて、その結果想定外の感情の揺れ動かされ方をしたのでは、というのが読後しばらくしてからの分析です。
最初からこの構想だったんだとしたら、私にはもう才能に震えることしかできない…。





なんと言いますか…。
キャラの境遇に本気で悲しみ、本気で幸せを願い、成就を見届け…。
あまりにも早い完結が受け止めきれないというか…。
もっと広い世界でのレイクの活躍を見たかったなぁ…。



学級写真が、学年写真となり、いずれは全校写真へと。
そうなる事を確信し、スーパーボールが跳ね続けることを願い、この辺で筆を置くことにします。





以上!


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どもー。
デスカイザーです。


やったねキングハサン!!\(^o^)/
これは間違いなく、事前に100万ポイント使い切って友情ガチャで呪腕のハサン20人くらい呼んでおいたおかげですね!

宝具上げ?知らないです。



今日のラノベ!


最弱無敗の神装機竜 5

最弱無敗の神装機竜 5

著者:
明月千里

イラスト:
春日歩

レーベル:
GA文庫


【あらすじ】

「初めまして主様。暗殺でも、雑用でも―わたくしの身体をお好きに使っていただいても構いませんわ」
 ルクスの前に現れた少女、切姫夜架。かつて『帝国の凶刃』と呼ばれた彼女は、ルクスを慕い世話を焼こうとしつつ、新王国の滅亡と帝国の再興を求め、学園に波紋を呼ぶ。
 そして、ついに王都で始まった校外対抗戦―全竜戦で新たな強敵も現れる一方、反乱軍による『帝都奪還計画』を阻止すべく、ルクスは執政院から重大な任務を与えられる。
 秘められた過去の因縁と、新王国を狙う策謀が姿を現したとき、王都は未曾有の危機を迎え、開戦する!
王道と覇道が交錯する、“最強”の学園ファンタジーバトル第5弾!



感想:★★★★☆

今回は夜架との対立解消『帝都奪還計画』の阻止が大きな軸でした。




似て非なる理想を抱く夜架とルクス。
今巻では案の定敵として立ちはだかった夜架だったけど、戦いの中でルクスの本音を聞き、自分の源をルクスに伝えたことで、今後は頼もしい味方になりそう。
……戦力的には。
リーシャ様たち女生徒組からしたら、あんなに無防備に積極的な存在看過できるわ…けが………?


無防備。
積極的。

=フィルフィ


こと5巻に至るまでフィーちゃんとの同室を(不承不承とはいえ)受け入れていたこと考えると、意外と寛容なのかも……。


夜架が「ルクス」という旧帝国の血筋を引く人間ではなく「旧帝国」という形に対して忠誠を誓っていたというところが、夜架が語っていた生い立ちや考え方を補強しているように思えて良かったです。
良かったし、最後には形ではなく人への忠誠、その第一歩を踏み出せているのも話のオチとしてGOOD。






『帝都奪還計画』の阻止は、ルクスが五年前とはあらゆる意味で真逆の立ち位置にいるところがポイントですかね。

「旧帝国を滅ぼす」のではなく「新王国を守る」ために。
「たったひとりの力」ではなく「みんなの力」で。
「圧倒的優勢」ではなく「圧倒的劣勢」の状態から。



正確には守る対象は新王国そのものではなく、リーシャ様とかがいる平和な生活か。
4巻で新王国の体制が旧帝国に近くなっているのを感じ取り始めてることだし、このままだとリーシャ様のもとで大改革とか始めそうだな…。


バハムート頼りの一点突破ではなく、4巻での個別指導の伏線を回収した騎士団全体のレベルアップで各戦線を突破していく展開は熱かったですね!
地味だけど嫌らしいほどの精度になったクルルシファーさん、ただでさえ厄介だった戦術の幅をさらに厄介な方向に伸ばしたセリスさん、スタミナ不足という欠点を克服した物理さんなフィーちゃん。

リーシャ様!!周りがなんか異様に強くなってますけど大丈夫ですか!?
このままだと戦場での相棒枠が早々と埋まっちゃいますよ!?




4巻と5巻で「全竜戦・国外編序章」とまとめて、一区切りですかねー。
今巻で執拗なくらい国外との諍いの種は蒔いたことだし、争いごとには事欠かないぞー!
身内にも一人いることだしね?


以上!



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明月 千里
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今日のラノベ!

ハンドレッド 2 歌姫のラブソング


ハンドレッド2 -歌姫のラブソング-

著者:
箕崎准

イラスト:
大熊猫介
(ニトロプラス)

レーベル:
GA文庫


【あらすじ】

「あなたが如月ハヤトね。今日から、ボディーガード、よろしく」「ど、どうも…はい?」無事サベージの脅威も去り、改めて世界的歌姫・霧島サクラのライブが開催されることになったツヴァイ諸島。なんとハヤトはその霧島サクラの身近警護役に選ばれてしまう。じつはサクラのハンドレッド、さらにはステージに使われるヴァリアブルストーンが狙われているという。「悪いがこれは俺らの獲物だぜっ」そこには謎の三人組の存在が…?箕崎准(ocelot)×大熊猫介(ニトロプラス)のコンビが贈る、“究極”の学園バトルアクション、第二弾。これが私の―「歌姫降臨!(ハンドレッド・オン)」。




感想:★★★★☆

ハヤトはいずれ「後で説明する」を積み重ねすぎて圧死する(確信)




良かったところ!

・サクラとハヤトとカレンの繋がり
・というか大筋のストーリー全部


大切な存在を亡くしどうしようもなくなってしまったところを、唄と人のチカラで踏みとどまることができて。
そんな3人が巡り巡って再び出会い、唄で繋がる。

物語としてはベッタベタかもしれないけど、だからこそ好き。
ある意味どういう経緯になるのか分かってるから安心して読める。
でもやっぱりお互いがそれに気づくシーンでは「…(パアァァァ!!!!)」って一気に視界が開けるような感覚になって、読んでよかったと心から思える。

分かりやすく一言でまとめるなら「キタアアアアアアアアアア!!!!!!」


サクラの場合は、亡くなってしまった母の形見の唄が生きる希望へと繋がっている、という点がベッタベタの中でのオリジナリティな部分で、気づくとさらにこのストーリーが面白くなるポイントでした。


ストーリーだと他にも、巻の中でも段々好感度が上がっていくクレア生徒会長を愛でるのが楽しかったり、「……桜色の突起率高いな…」と瞑目したり、「汚い大人だけじゃない!本当に良い大人もいるんだ!」と世界に希望を持ったり。
フリッツ&レイティアの幼なじみコンビの今後の活躍が楽しみな一方、敵として登場した褐色三人組の異様な強さと行動の真相が気になったり…。

メインはもちろんサクラだったけど、いろんな側面がバランス良く現れていました。
「色々楽しめる」と取るか、「軸がフラフラしてる」と取るかは読み手しだいかもしれませんが…。
個人的には前者。


気になったところ!

・ツヴァイ諸島東西問題
・名乗ろう気づこうハヤトさん
・気づくのはそこじゃないハヤトさん



1つ目の東西問題

38p「その際にリトルガーデンは、ツヴァイ諸島の西側の島―ウエストランドと接岸することになったのである」
50p「たった今、この艦はツヴァイ諸島の中の東の島―イーストランドに接岸しました」
51p「リトルガーデンが接岸するツヴァイ諸島の西側にあるフィッシャーマンズワーフはずいぶんと栄えていて楽しいみたいだし、そこまでなら三十分もかからずに行けるはずだよ」
66p「霧島サクラが宿泊するホテルは、リトルガーデンが接岸しているウエストサイドにあるのに対して」


東西どっちなのか分からなくなって泣きそうになってました(ガチ)
上の抜粋と本編全体から判断するに50pのところが誤植で、68pのもランドとサイドをの誤植ってことになるのかな…。



2つ目。
プロローグで妹・カレンと歳の近い女の子(=サクラ)を見つけ、カレンの友達になってくれることを期待して話しかけたハヤト。
まず自己紹介……ではなくカレンを紹介し、次に自己紹介…するかと思いきや「よかったら、お前の名前を教えてくれないか?」。
その後も数時間一緒に過ごしたのに結局最後まで名乗んないのかーい!!

そして再開。
サクラがハヤトのことを過去の少年だと気づけないのはしょうがないですね。
ハヤトは名乗ってないわけですからね。
……でも如月ハヤト、あなたはサクラの名前をサクラだと聞いているでしょう!?(唐突なクレア降臨)
いや、そりゃ何年も前のことだろうけど、特徴的な髪の色で同郷の子の名前くらい、こう、聞いたらピンとくるくらいのことがあってもいいんじゃないかなー!!


さらにそのままの流れで3つ目のことも話しますけど、

「もしかしたらその想いが、サベージに通じたのかもしれないし、ただ、サクラの声に反応をしただけなのかもしれない。その真意はハヤトにはもちろんわからない。一瞬、サクラの目が黄金色に輝いていたような気もする。」(本文216p)


そこは気づくんだっ!!?
髪の色と名前からはピンとこなくても、戦場の中で離れたところにいる女の子の目の色の違いには気づくんだっ!!?!

実際目の色ってどのくらいの距離なら判別できるんですかね…?
水色っぽい欧米人の目でも10メートルとか離れたらきつい気がするんだけど、逆に目元のメイクは線の1本、色の少しの違いで印象が変わるという話もあるし…。
今回のように大きな声を発した人を反射的に振り向く場合、声だと認識している以上目線は口に(顔に)いくから通常の条件よりも気づきやすいのかもしれないですね。

なんの分析コーナーだこれは





3巻はエピローグの感じからすると、デレ度が逓増しているクレア生徒会長回ですかね?
縦ロールは伊達じゃない!!




以上!


ハンドレッド2 -歌姫のラブソング- (GA文庫)
箕崎 准
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