デスカイザーのラノベ日誌

ライトノベルの感想を……綴るっ!

カテゴリ: 富士見ファンタジア文庫

どもー。
デスカイザーです。


昨日は大学の卒業式でしたー!
感動要素は微塵も無かったけれども、楽しかったですね!
そういう風に思える人間関係がたくさんできたのは本当に良かったです。

その反動で今日は疲れたので今日は半日読書してました。
久々にネット小説(ノクターン)も読みあされたので満足!



では、今日のラノベ!

食べるだけでレベルアップ!

富士見ファンタジア文庫より
『食べるだけでレベルアップ!~駄女神といっしょに異世界無双~』です。


【あらすじ】

「ホントに異世界だな、これ」「アタシを養いなさい!」女神ローラの唯一の信者として、異世界へと召喚された少年ケーマ。彼に与えられたのは、食べたものの経験値・スキルをそのまま獲得できちゃうチートスキルだった!狩った魔物や異世界ならではのグルメを堪能するケーマの美味しい日々は、「ふえぇぇ~!」巨乳だけが取り柄の駄女神をイジったり、「ご恩は、一生忘れませんっ!!」助けたウサ耳娘に懐かれたり、なぜか美味しい思いも特盛りで!?そして気づけば彼は、凶悪な魔物すら鼻歌交じりで蹴散らせるレベルになっていて―。美味しく食べて国士無双な、異世界食べ歩きファンタジー!



感想:★★★★★

楽しさ、国士無双!



知の女神・ローラに呼び出され異世界に転生したケーマが、「食べるだけで育つ」というレアスキルによりチートレベリングをしつつ、異世界生活をゆったりまったり満喫するお話。




「魔吸収」というスキルで、食した対象のスキルを自分のものにしたり、経験値を得たりするんですがね?
生活に必須な食事をすることで成長するというスキル特性的な強さはもちろんなんですが、食べることでスキル自体の熟練度が上がり経験値の取得効率も上がるというところが特にエグいチートですよね…!
本来存在するであろう高レベル帯のレベルアップ速度逓減問題をある程度無視できるっていうことですから…。






この作品の楽しみどころは、①駄女神の駄女神っぷり ②散りばめられた雑学 ③ケーマのスペック ④微エロ といったところでしょうか。


①は、kt60先生の書籍作品としては初めてアホの子がメインヒロインというところで大きなポイントだったと思います。
もうね、密度が濃い。
アホの子がアホの子してるだけでまず面白く、そこに先生の代名詞とも言うべき飽和した語彙による詰り(なじり)が入ってきて、それが1巻まるまる読めるとかお得すぎます!
税別750円くらいまでなら出しても良い。本当に。
ちなみに今巻で一番好きなフレーズは106pの「王じゃなくなったベルゼブブ」です。



②は、食をテーマにしているのに意外にも食以外のところのほうが「へぇ~~~」と言いたくなるものが多かったように思います。
ウーパールーパーが幼形成熟することとか、アブラムシの「個としての集団」という生態とかはここぞとばかりに書いてあったのでもちろんですが。
ギルドのクエストがランク分けしてあることの「ハンターに見合ったレベルの仕事を」という意味以外の思惑とか、遅効性の毒を門で飲ませて必要手続きをする場所で解毒薬を渡すこととか、システマチックな所での学びが色々あったところが、個人的にはとてもポイント高いです。
モンハンのランク帯による受注制限にも意味はあったんだっ!!

そういえば猪の肉を剣の上に置いて焼いていたシーンを見て、そういえば中世モデルの異世界冒険作品でも当たり前のように鍋とかフライパンのようなもの使ってるなぁ、というのを思いました。
旅の荷物を少しでも少なくするならそういう使い方は当然アリだよなぁと思う反面、衛生面の問題や脂がこびり付かないのか、火に近づけ続けて剣が痛まないのかとかは気になるところです。
異世界冒険モノの荷物事情というのは、当たり前の物を当たり前に持たせるパターン、考慮の末に減らしていくパターン、所持品無しで行くパターン等様々なので注目したら面白いのかもしれませんね!



③はチートスキル「魔吸収」ではなく、会話スキルのほうですね。
192pとか203pのリリナという商人を相手にしている時は特に顕著なんですが、ケーマは口がうまいというか人心掌握に長けてるんですよ。
ちょっとすごいとかじゃなく、それこそスキルなんじゃないの?と思うくらいに。

何でかなぁと少し考えてみたんですが、現状判断材料としては前世のケーマの環境しか無いですよね…。
24pでは暮らしがあまり良くなかったこと、母のいる家にいるのが辛く父ともうまくやれていないことがサラッと書いてありました。
母の「アレ」というのがどこまでのものか気になってはいましたが、文章から受ける印象よりは酷いものを想像したほうが良さそうですね。
なるべく敵を作らず、挑戦的な相手とも蟠り(わだかまり)をあまり作らず会話できるスキルが自然と身につくくらいのものを。



④は読んで字のごとく?
唐突におっぱい揉んだり、戦略的におっぱい揉んだり。





無限に読んでいられるので無限に続いて欲しい!



以上!


今日のラノベ!


医療魔術師は、もう限界です!

富士見ファンタジア文庫より
『医療魔術師は、もう限界です!』です。


【あらすじ】

大国に挟まれ戦乱が絶えない小国ノーザルの診療所には、今日も多くの患者が列を作る。天才医療魔術師ジークは睡眠を削り、体力も限界、それでも治療の手を休めることはない!「嘘ですもうやだ眠い、休みたい!40時間ぶっ続けたぞ!?」「仕方ないですね、私たちの愛を注入しますから元気出して」美人助手オータムたちの優しい支え(鉄拳制裁もドーピングも辞さないバックアップ)もあって、患者は笑顔で帰って行く。その笑顔が、ジークを何度でも奮い立たせる―「先生、近くで大きな戦乱があって、1000人追加です!」「…もう限界です!いっそ俺を殺してくれ!!」診療所も戦場!?癒したい系ファンタジーラブコメ開幕!!



感想:★★★★★

表紙に一目惚れして買いましたん。




読み始めの引き込まれ方は過去稀に見るレベルでしたね…。
10pくらいを読んだ感覚でページ数見たら40p目でビックリしたのをよく覚えてます。
他の作品で言うところの「プロローグでワンクッション置いて本編」にあたるところが、いきなりのド修羅場120時間労働ですよ…。
しかもその間にキャラ紹介を済ませ、且つメインヒロイン(表紙の子)・オータムの寝顔付き(扉絵)!


始まりのシーンだけでなく、この作品は妙に繋がりが滑らかで想定してるページ数と実際のページ数が合わないことが頻発してました。
単純に労働時間がおかしいっていうのもあるし、オータムとジーク先生の遠いようで近い距離感にドキドキっていうのもあるし…。
なんでしょう……なんでしょうね?
鉄拳制裁系ヒロインであるんだけど、それは患者の事を真剣に考えているからで、でも先生のこともとても尊敬しているから時折優しくなる姿にこっちはクラッと来て……。
ジャンルとしてはよくいるヒロインなのに、今までのそれとはまるで違う魅力を感じるオータムさん、マジ至高。






この作品の軸は、先生と助手のラブコメというものと、医療従事者の立場から見た戦争を描くというもの。

ラブコメに関しては、後半の駆け引きでもにゃもにゃした後、317pからのラストシーンがもう本当に素晴らしいの!!
不器用で唐変木でダメダメなジーク先生がひねり出した「オータムへの答え」と、それを察した瞬間のオータムの反応……!
このシーンは、キャラが生きてます!
頭の中でオータムとジーク先生がしゃべった通りの事、動いた通りの事が文章に書いてあるような、そんな感覚。
素晴らしすぎてこのシーンだけ既に100回くらい読み返している気がする…。



医療従事者から見た戦争=無くなってしまえ、なんだけれども。
それ以上に、戦争をする人を憎み、巻き込まれた人を憂い手を差し伸べるという点をフィーチャーしていたことを評価したいです。

これは魔法治癒能力が高い=基本的に魔力の扱いが上手いというこの世界ならではの法則があるから成り立っている事業だけども。
戦争当事者を治療しないという方針を貫いているその裏側で、それこそ何日間も文句は言うけど決して逃げ出さずに治療し続けるジーク先生の根性、プロ意識に脱帽です…。
きっかけが悲惨だからこそ、それに懸ける想いも強く…。
それ故にオータムの思いに気づくことができなくなった……と考えればあの唐変木もしょうがないのかなぁ…。





オータムの笑顔をもっと見たいけど、あのラストを越える完結シーンを想像できないんですよね…。
ギャグの勢いも、ここぞという時の感情描写もバッチリなので続刊にしろ新刊にしろ、楽しみに待ちたいと思います!



以上!


医療魔術師は、もう限界です! (ファンタジア文庫)
はな
KADOKAWA (2017-02-18)
売り上げランキング: 289,229

どもー。
デスカイザーです。

『織田信奈の野望』ファンの皆様、お待たせしました。
本編最新刊をようやく読み終えました!


ということで、
今日のラノベ!

織田信奈の野望 全国版17

富士見ファンタジア文庫より
『織田信奈の野望 全国版 17』です。


【あらすじ】

弟・信澄の死。心折れた信奈に迫る東軍。過去最大の窮地でも諦めない良晴の下に、予想外の援軍が現れる!そして―「先輩。死の瞬間まで忘れません。十兵衛は…報われました」毛利軍が迫るなか、信奈を殺す自らの結末を知った光秀が、選び取った未来。それは「運命」に抗う最大の鍵へと変わる。「起死回生の手はあるわ。織田家の窮地が『嘘』ではないからこそ、東軍を釣りあげることはできる!」絶対的に不利な戦況も、歴史という名の「運命」も英雄・織田信奈ならば覆すことができる。良晴はそう信じている。激戦続く、関ヶ原。織田家の反撃は、ここから始まる!



感想:★★★★★

関ヶ原編三部作の中編にあたる全国版17巻。
諸将が関ヶ原に集い、それぞれの立場から苦悩の「決戦前夜」を過ごし、そしてついに開戦した「関ヶ原の戦い」の序盤までを描いた物語になっています。


前巻の感想と同じく勢力ごとに整理しながら感想を書こうと思っていますが、とりあえず最初にこれだけは伝えておきたいと思います。

「ほぼずっと泣きそうだった」



①信奈・光秀・良晴(西軍)

何よりもまず、この3人を1つの勢力としてまとめられることが何よりも嬉しいです。
長かった……本当に長かった…。
「歴史」という運命に踊らされすれ違っていた3人が、最後の最後でお互いを信じ抜くことで「本能寺の変」を回避できたことが、本当に嬉しい。
3人で行われた桃園結義は、シリーズの中でも五本の指に入る名シーンですね!!

……と喜んでいられるのもここまで。
戦局は西軍圧倒的不利な状況なのです…。

不利だけども、良晴の考え方はやっぱり「信奈を勝たせる」ではなく「誰も死なせたくない」なんです。
西軍のお味方だけでなく、東軍についている小早川さんや勝千代ちゃん、さらには名も知らぬ足軽や騎馬隊まで含め関ヶ原に集った20万弱の兵、その全て。

もしかしたらこの良晴の考えは、戦う覚悟を持って集まった兵たちに対する侮辱なのかもしれないし、余計なお世話なのかもしれないです。
ですが、やっぱり未来から来た良晴にとっては、この時代に生き、尚且つあの関ヶ原の戦いに参戦する人たちというのはどうしようもなく尊敬する対象なんですよね。
そういう奴だからこそ、信奈は魔王にならず恋と天下を両方諦めずにここまで来れたし、光秀が裏切りの将となる寸前になるほど惚れてしまったんです。

だから、良晴はそれで良い。
信奈や光秀だけじゃない。
良晴の後ろに陣を構える島津家久。
そんな家久の「死の運命」を徹底的に覆すために九州戦線を離脱してかけつけた島津義弘。
「弟殺し」の運命を乗り越え、信奈の友となるためにこれまた九州戦線を離脱してかけつけた大友宗麟。
頼れる兄のため戦おうとする相良妹軍団。
七難八苦ではなく殿のはぁれむ入りを求めるようになった山中鹿之助。
先祖として、姉として、母として良晴を支える相良義陽。
エトセトラエトセトラ…。

2つの実を1人で両方取るのは、とても難しいことかもしれない。
でも、その頑張りを見ている人がいたら、助けてくれるかもしれない、誰かを呼んでくれるかもしれない、知恵を貸してくれるかもしれない。
だから、すべてが終わるまでは絶対に諦めちゃいけない。
それが、『織田信奈の野望』から、良晴の生き様から学ぶべきこと。

関ヶ原編最後となる18巻は、良晴を彩る花々が美しく咲き乱れ……そして儚く散る定めもまた描かれることになるんでしょうね…。



②毛利両川(東軍)

律儀の毛利を守るため、このまま東軍として良晴と戦うのか。
それとも、心の示すがままに良晴を天下人として推し西軍入りするのか。


武将と私情の間で激しく揺れる小早川さん。
さらには彼女の知る由もないことですが、彼女が陣を敷いた松尾山は史実の関ヶ原では「裏切りの将」が陣を敷いた場。
細川藤孝はこの場の力で光秀に「本能寺の変」を起こさせようとしていたわけですが、その裏切りの運命は光秀から小早川さんへと移ってしまったわけです。

彼女の智謀をもってしても一手も指すことのできない状況。
苦慮の末に選択した「相良軍への総攻撃」。
しかし、その下知をくだそうとする直前に読んだ良晴からの書状に書かれている言葉が……。

小早川さん。三本の矢を、折らないでほしい。お願いだ
(本文365p)


もう……良晴かっこよすぎ………。
自分が死ぬことになるかもしれない、一時的にとはいえ恋仲にあった人と戦うことになるかもしれない。
それでも自分の尊敬した武将で有り続けてほしいという良晴の想い。
こんなのぶつけられたら惚れ直すに決まっとるがな…!

小早川さんの涙は、どちらの決意を意味しているのか…。
良晴VS小早川さんになるにしても、小早川さんVS吉川元春になるにしても、どっちにしてもハンカチが必要となること間違いなし…。




③武田・上杉(東軍)

やっぱり信玄は、信澄を切ってなかった…!!
16巻での信玄と藤堂高虎の会話の意味は、やっぱりそういうことだったんですよ!!

でも信玄本人の死の運命、そのリミットは刻一刻と迫り…。
さらに良晴から届いた伝言の内容は、高坂弾正以外の武田四天王及び双子の真田の死の運命。
なんでこんなにもつらい運命を辿らなければならないのか…!!

信玄は本当の家族とは尽くとつらい別れをしているけれども、家臣団との家族のような絆にはとても恵まれているなぁ、というのを改めて今巻感じました。
今まで感じていたのは主に山本勘助との絆だったけれども、それと同じものを四天王とも分け合っていれたというのは、信玄の生涯の中でも本当に大事な要素だったんじゃないかと思います。
戦の趨勢を決める戦力という意味でも、絆に飢えた年相応の女の子としても。


でもだからこそ、信玄と共に四天王が死んでしまうような結末は見たくない。
そして、欲を言うならばIFの親友として、上杉謙信が武田信玄の死に間に合ってほしい。

謙信の信玄愛は時空を越える(迫真)



④官兵衛ちゃん軍(西軍)

主人公は遅れてやってるくのだ!(ちょちょーん!)

とばかりに最高のタイミングで関ヶ原入りを果たした黒官一流さん。
西国無双・立花宗茂 VS 東国無双・本多忠勝
という世紀の名勝負を実現させただけでなく、道中でもとある助っ人を確保してのご到着。

その助っ人の名は。
お市、改め浅井長政


官兵衛の言うところの「人の和」、それをこの作品でもっとも表しているのはまさしく彼女でしょう。
2巻での初登場時には良晴をはじめ織田家と対立していた長政がそういう立場にいるのは、今振り返ってみるととても不思議です…。
当時は真逆も真逆なスタンスだったのになぁ…。

この本通して、長政の登場シーンが一番泣きそうでした。
視界が滲みかけていたくらいには危なかった…。



⑤和ませ's(梵天丸、長宗我部元親)

梵天丸 VS 真田十勇士 !!

戦国の片隅でひっそりと行われていた異能バトル!
勝つのは南蛮の邪気眼か、それとも戦国最後の異能集団か……!?

……みたいなことがあったとか無かったとか。
猫は正義。異論は認めない。
ところで梵天丸とか氏郷ちゃんは関ヶ原に間に合いそうもないんですが、やっぱりここにも「歴史」の強制力が…!?



長宗我部元親 VS 小早川隆景

大坂の某所で行われていた壮絶な舌戦!
勝つのは土佐の姫若子(ひめわこ)か、それとも毛利の智将か……!?

……智将の圧勝だったそうな。
長宗我部元親が東軍につくことになった「成り行き」の部分は今回のエピソードで明かされたけれども、彼女が関ヶ原の鍵を握るとはどういうことなのか…。
やっぱりあの布陣に意味があるとするならば……小早川さんの決断はあっちか?



⑥北陸方面軍(西軍)

良晴・光秀・信奈が「らしい」ところにやっと戻ったのとは対照的に、徹底的に「らしくない」方向に転がったのが北陸方面軍の半兵衛・勝家・犬千代・長秀。

半兵衛の知略は、上杉謙信の前に初めて完全に破られ。
勝家の無鉄砲突撃主義は、作戦上の最適解として与えられ。
犬千代は信澄の死の悲しみからういろうを食べることができず。
長秀さんは(別行動中の田辺城で)採点する余裕すらも失い…。


大局的に見て良い方向に向かい始めている西軍だけれども、綻びが生まれるとしたら北陸方面軍が対応していた上杉謙信が関ヶ原に来るところなんですよね。
何せ、信玄が信澄を討ち取ったことで義将・上杉謙信が信玄と共に上洛を目指す口実が無くなった……と関ヶ原に集っている誰もがそう思っているわけですから。
逆になりふり構わず突っ込んできているだなんて、半兵衛が予想できず誰が予想できようか。




⑦今川義元

度々引き合いに出される、全ての始まり「桶狭間の戦い」。
敗者でありながらのうのうと生き、名目上とはいえついには天下分け目の戦の大将になるまでに。
あの行動を見ているとついつい忘れてしまいますが……彼女も立派な姫将軍なんですよね。

六角承禎との言い合いの中で放った言葉は、おそらく1巻からの彼女の全ての言葉の中で一番本心に近い言葉でしょう。
特に「義元ちゃんといえど絶対こうは思っている」と確信していた部分が言葉になっていたので、ある意味嬉しかったし、ますます義元ちゃんのことが好きになりました!
その言葉は、

わらわが、恥辱も後悔も悲しみも感じられぬうつけとお思いか!太原雪斎に『生きよ、生きて幸福を掴め』と教えられていなければ、この、わらわとて……!かつては何度、暗澹たる思いに囚われて泣き濡れたことか……!

(本文358p)

桶狭間の地で「死にたくありませんわ!」と泣いていた彼女の、本当の思いはここにあったんですよ!
教えに従い、生きて、生きて、今の立場に。
彼女の強さは本物ですよ。
ちょっと抜けてるように見える時があるだけで…。





あとがきでも触れられているように、今巻のテーマは「言葉の力」。

誰かから誰かに伝えられた言葉が人を動かし。
伝えられた言葉を胸に今を生きる人がいて。
誰かに言葉を伝えるために今必死に駆ける人がいる。


あとはその言葉の力が、歴史の強制力にどこまで立ち向かえるのか、です。
関ヶ原編最終巻、その行く末を決めるのは、良晴から言葉を託された小早川さん。
どっちを選ぶのか……。



……ところで、関ヶ原編最終巻になる次巻は『織田信奈の野望』シリーズ本編の最終巻にもなってしまう…んでしょうかね…?
それともここから幕府編に、あるいは世界編に……?




以上!


今日のラノベ!

OnlySenseOnline 白銀の女神 2

富士見ファンタジア文庫より
『Only Sense Online 白銀の女神 2 -オンリーセンス・オンライン-』です。


【あらすじ】

「センス」と呼ばれる能力を組み合わせ“唯一”の強さを目指すVRMMORPG―「オンリーセンス・オンライン」OSO初の公式イベント“サマーキャンプ”が開幕!イベントトップスコアを目指すミュウパーティーは、ダンジョン攻略をしながら、センスの新しい運用法やジョブを活かした連携を学んでいく。そしてパーティーとして急成長する中、OSO最大手ギルドからレイド級MOB討閥の要請が入るのだが―火の鳥の眠る遺跡ダンジョン攻略や検証撤退戦、タクパーティーとのメンバーシャッフル対決など、ヒロインたちの攻略最前線と本編の裏側を描くサイド“アサルト”ストーリー!


感想:★★★★☆

本編の最新刊が読んでないのに外伝最新刊を先に読んだのは、偏にトビちゃん表紙に惹かれたというのが理由でしたん。



今巻は、本編で言うと2巻。
OSO初の大規模イベント前後の物語でした。


『白銀の女神』1巻では比較的焦点の当たっていなかったリレイ、コハクをフィーチャーした章が1つずつ。
それとパーティ全体を俯瞰するような章、タクたちのパーティをピックアップした章。
そして最後にユンたち生産職の底力が発揮される章。

……となっていて、1巻の1~5章と2巻の6~10章を合わせて一区切りっていう印象ですね。




リレイは今巻を読んでも今までの印象とさして変わりませんでしたね…。
彼女が女の子好きだということは、登場当初からの自明の理。
照明のスイッチをONにしたらライトが付くくらい当たり前のこと。

照明から電球を取り外したら…?というのが今回のお話だったけれども、その状態が長く続かないというのもまた自明。




逆に印象が変わったのはコハクですよ!

今までのコハクの印象って、「関西弁のツッコミキャラ」であって、それ以上でもそれ以下でも無かったんですよね…。
ご覧ください。
女子キャラとすら認識されていません…(汗)

それが今回のストーリーで幼獣を愛でる姿やら、簪の刺し方をミュウにレクチャーする姿やらを見ているうちに「関西弁のツッコミキャラ(かわいい)」に!

ルカちゃんといいコハクちゃんといい、『白銀の女神』はミュウパーティの魅力再発見という点ではレベル高すぎます…!



パーティ全体の俯瞰と先ほど称した章は、大規模イベントの大詰めを描くお話でした。
ここは……ねぇ…?
検証して、夜間撤退戦して、「さぁ!ボス狩りだ!」ってところでまさかのカット!イベント終了!

いくら本編でやっていた内容とはいえ、(ぶっちゃけ2巻の細かい内容とか忘れているので)しっかりボス戦まで描写していてほしかったなぁ、というのが正直なところです…。
やるにしても、もう少しぶつ切り感が無ければ…。



タクパーティや生産職との交流は、「個性的な育て方をしているプレイヤーたちが集って色々な遊び方を見つける」という意味で、すごく『OSO』らしかったです!

ミュウたちは純粋にその場にあるものを楽しむタイプなので、読んでてもストレートに面白いです。
逆に本編のユンちゃんは研究して楽しむタイプなので、読んでるこっちも頭をウンウンさせながら……(笑)
それがクセになるんですけどね?
「あ、本来OSO運営が想定していたメインの遊び方ってこういうことかー」という気持ちを『白銀の女神』で味わい、その後本編を読むときっと1巻当時にユンちゃんに抱いていた気持ちがまた味わえるはず…!

「こいつ……チマチマ面白いことしてんな!!」って。




以上!

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今日のラノベ!

ワンハンド・マテリアル

富士見ファンタジア文庫より
『終末ノ再生者(リアクター)Ⅰ.ワンハンド・マテリアル』です。


【あらすじ】

人より少しだけ勇敢で、誰もが思う程度に物語の主人公に憧れる高校生・千潮有斗は、ある日人を助けてあっけなく死んだ。そして美少女のキスで目覚めた。(なんだ、夢か…)「あれ、また寝ちゃった?ならもう一度―」「って待て待て!」起き上がるとそこは荒れ果てた世界。傍らの少女カノン・フラメルは告げる。有斗こそ、かつて災厄を振りまいた“天使”を打倒し得る肉体に、召喚された人格なのだと。そして有斗は知る。この世界が彼の時代より、はるか未来にあることを―。これは、滅びた世界を生きる少年少女が、輝かしい今を勝ち取るまでの物語。「さあ、世界を救ってみせて。最強の救世主」


感想:★★★☆☆

魔術VS錬金術
という対立構造が確立されてしまった未来の日本で、魔術と錬金術の合わせ技たるホムンクルスの人格として転生させられた有斗の、かつての憧れだった「ヒロインを救う主人公」としての物語。




良かった所!

・タイトルのルビ「リアクター」
・利権争い、ダメ、ゼッタイ
・カノンとアリスが格好可愛い


魔術と錬金術を合わせて生まれたホムンクルスが強い、っていうのはタイトルルビにあるリアクター=reactorの本来の意味である「原子炉」と「反応装置」に準拠するイメージでしょうか。
合わさったらエネルギーが発生する、という意味で。
それに加えてリアクター=Re Actorでもあるわけですね。
二度目の人生でヒロインを救う主人公になりきる、という意味で。



利権争い……要するに魔術側と錬金術側の醜い争いのことですね(´Д`)
それぞれに誇りがあることは分かるんだけど、それと相手を見下していいことは繋がらない!

最終的にそれぞれの勢力単体で挑んでも《天使》には歯が立たず、それをなんとかできたのは両勢力の橋渡しとして動く人たち、という形に収まっていたのが良かったです。
まぁ、無理な合わせ技の副作用が《天使》なわけだけども、あれは元を正せば片方の利権を守るための研究の過程で生まれてしまったものなので…。



カノンは2大勢力のどちらからも良い目で見られない境遇のなかでも全くブレずに自分の信念を貫いている強さと、実行を躊躇わない思い切りのよさが魅力的。
アリスは過去の事件やその後の生活によって無表情キャラではあるけれども、有斗とのかかわり合いによって少しずつ表情が出てくるようになってきて「口角をあげる」という表現を見つけるとニヤニヤしてしまうくらいの魅力を身に付けてしまった。小さな笑みによってまさに人類を混沌の最中へと誘う最終兵(ry



腑に落ちてないところ!

・魔術、錬金術、《天使》の設定


それぞれの成立過程が作品内で提示されているんですが……
28pに書かれている13年前の経緯をまとめると以下のようになります。

①天使がある日突然発生、堕天病が振りまかれる

②堕天病により成人の88%が死亡、子供は生存率高め

③天使及び堕天病に対抗するため、人類が魔術と錬金術という2つの超常能力を身に付ける

④その2つの掛け合いで生まれた《救済の剣》という特効薬が開発され、人類絶滅回避


一方で、270pの今巻の黒幕の発言では以下のように。


Ⅰ魔術と錬金術を融合させた大いなる業(アルスマグナ)を研究していた

Ⅱかつての天使の模造品ができた




《天使》に対して生まれた力が魔術と錬金術。
その魔術と錬金術をさらにかけ合わせて生まれたのが《救済の剣》。
でも魔術と錬金術を足すと《天使》になってしまう。


何が腑に落ちないのかやっと分かりました…。

魔術と錬金術を「掛け合わせる」ことと「足す」ことの違いがイマイチ分からないことがひとつ。
天使⇒魔術・錬金術⇒天使と成立過程が円環になってしまうのがもうひとつ、です!



前者の概念的な話はともかくとして、後者は……ねぇ?
物語の根幹である以上、以降の物語で伏線として使われる可能性もあるけど、そこまでこの円環を抱えたまま読み続けるのは……どうだろう…。





呪縛から解き放たれた可愛いだけのアリスを愛でられるならそれでいい気もする(迫真)



以上!


終末ノ再生者 I.ワンハンド・マテリアル (ファンタジア文庫)
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