デスカイザーのラノベ日誌

ライトノベルの感想を……綴るっ!

カテゴリ: 富士見ファンタジア文庫

どもー。
デスカイザーです。

『織田信奈の野望』ファンの皆様、お待たせしました。
本編最新刊をようやく読み終えました!


ということで、
今日のラノベ!

織田信奈の野望 全国版17

富士見ファンタジア文庫より
『織田信奈の野望 全国版 17』です。


【あらすじ】

弟・信澄の死。心折れた信奈に迫る東軍。過去最大の窮地でも諦めない良晴の下に、予想外の援軍が現れる!そして―「先輩。死の瞬間まで忘れません。十兵衛は…報われました」毛利軍が迫るなか、信奈を殺す自らの結末を知った光秀が、選び取った未来。それは「運命」に抗う最大の鍵へと変わる。「起死回生の手はあるわ。織田家の窮地が『嘘』ではないからこそ、東軍を釣りあげることはできる!」絶対的に不利な戦況も、歴史という名の「運命」も英雄・織田信奈ならば覆すことができる。良晴はそう信じている。激戦続く、関ヶ原。織田家の反撃は、ここから始まる!



感想:★★★★★

関ヶ原編三部作の中編にあたる全国版17巻。
諸将が関ヶ原に集い、それぞれの立場から苦悩の「決戦前夜」を過ごし、そしてついに開戦した「関ヶ原の戦い」の序盤までを描いた物語になっています。


前巻の感想と同じく勢力ごとに整理しながら感想を書こうと思っていますが、とりあえず最初にこれだけは伝えておきたいと思います。

「ほぼずっと泣きそうだった」



①信奈・光秀・良晴(西軍)

何よりもまず、この3人を1つの勢力としてまとめられることが何よりも嬉しいです。
長かった……本当に長かった…。
「歴史」という運命に踊らされすれ違っていた3人が、最後の最後でお互いを信じ抜くことで「本能寺の変」を回避できたことが、本当に嬉しい。
3人で行われた桃園結義は、シリーズの中でも五本の指に入る名シーンですね!!

……と喜んでいられるのもここまで。
戦局は西軍圧倒的不利な状況なのです…。

不利だけども、良晴の考え方はやっぱり「信奈を勝たせる」ではなく「誰も死なせたくない」なんです。
西軍のお味方だけでなく、東軍についている小早川さんや勝千代ちゃん、さらには名も知らぬ足軽や騎馬隊まで含め関ヶ原に集った20万弱の兵、その全て。

もしかしたらこの良晴の考えは、戦う覚悟を持って集まった兵たちに対する侮辱なのかもしれないし、余計なお世話なのかもしれないです。
ですが、やっぱり未来から来た良晴にとっては、この時代に生き、尚且つあの関ヶ原の戦いに参戦する人たちというのはどうしようもなく尊敬する対象なんですよね。
そういう奴だからこそ、信奈は魔王にならず恋と天下を両方諦めずにここまで来れたし、光秀が裏切りの将となる寸前になるほど惚れてしまったんです。

だから、良晴はそれで良い。
信奈や光秀だけじゃない。
良晴の後ろに陣を構える島津家久。
そんな家久の「死の運命」を徹底的に覆すために九州戦線を離脱してかけつけた島津義弘。
「弟殺し」の運命を乗り越え、信奈の友となるためにこれまた九州戦線を離脱してかけつけた大友宗麟。
頼れる兄のため戦おうとする相良妹軍団。
七難八苦ではなく殿のはぁれむ入りを求めるようになった山中鹿之助。
先祖として、姉として、母として良晴を支える相良義陽。
エトセトラエトセトラ…。

2つの実を1人で両方取るのは、とても難しいことかもしれない。
でも、その頑張りを見ている人がいたら、助けてくれるかもしれない、誰かを呼んでくれるかもしれない、知恵を貸してくれるかもしれない。
だから、すべてが終わるまでは絶対に諦めちゃいけない。
それが、『織田信奈の野望』から、良晴の生き様から学ぶべきこと。

関ヶ原編最後となる18巻は、良晴を彩る花々が美しく咲き乱れ……そして儚く散る定めもまた描かれることになるんでしょうね…。



②毛利両川(東軍)

律儀の毛利を守るため、このまま東軍として良晴と戦うのか。
それとも、心の示すがままに良晴を天下人として推し西軍入りするのか。


武将と私情の間で激しく揺れる小早川さん。
さらには彼女の知る由もないことですが、彼女が陣を敷いた松尾山は史実の関ヶ原では「裏切りの将」が陣を敷いた場。
細川藤孝はこの場の力で光秀に「本能寺の変」を起こさせようとしていたわけですが、その裏切りの運命は光秀から小早川さんへと移ってしまったわけです。

彼女の智謀をもってしても一手も指すことのできない状況。
苦慮の末に選択した「相良軍への総攻撃」。
しかし、その下知をくだそうとする直前に読んだ良晴からの書状に書かれている言葉が……。

小早川さん。三本の矢を、折らないでほしい。お願いだ
(本文365p)


もう……良晴かっこよすぎ………。
自分が死ぬことになるかもしれない、一時的にとはいえ恋仲にあった人と戦うことになるかもしれない。
それでも自分の尊敬した武将で有り続けてほしいという良晴の想い。
こんなのぶつけられたら惚れ直すに決まっとるがな…!

小早川さんの涙は、どちらの決意を意味しているのか…。
良晴VS小早川さんになるにしても、小早川さんVS吉川元春になるにしても、どっちにしてもハンカチが必要となること間違いなし…。




③武田・上杉(東軍)

やっぱり信玄は、信澄を切ってなかった…!!
16巻での信玄と藤堂高虎の会話の意味は、やっぱりそういうことだったんですよ!!

でも信玄本人の死の運命、そのリミットは刻一刻と迫り…。
さらに良晴から届いた伝言の内容は、高坂弾正以外の武田四天王及び双子の真田の死の運命。
なんでこんなにもつらい運命を辿らなければならないのか…!!

信玄は本当の家族とは尽くとつらい別れをしているけれども、家臣団との家族のような絆にはとても恵まれているなぁ、というのを改めて今巻感じました。
今まで感じていたのは主に山本勘助との絆だったけれども、それと同じものを四天王とも分け合っていれたというのは、信玄の生涯の中でも本当に大事な要素だったんじゃないかと思います。
戦の趨勢を決める戦力という意味でも、絆に飢えた年相応の女の子としても。


でもだからこそ、信玄と共に四天王が死んでしまうような結末は見たくない。
そして、欲を言うならばIFの親友として、上杉謙信が武田信玄の死に間に合ってほしい。

謙信の信玄愛は時空を越える(迫真)



④官兵衛ちゃん軍(西軍)

主人公は遅れてやってるくのだ!(ちょちょーん!)

とばかりに最高のタイミングで関ヶ原入りを果たした黒官一流さん。
西国無双・立花宗茂 VS 東国無双・本多忠勝
という世紀の名勝負を実現させただけでなく、道中でもとある助っ人を確保してのご到着。

その助っ人の名は。
お市、改め浅井長政


官兵衛の言うところの「人の和」、それをこの作品でもっとも表しているのはまさしく彼女でしょう。
2巻での初登場時には良晴をはじめ織田家と対立していた長政がそういう立場にいるのは、今振り返ってみるととても不思議です…。
当時は真逆も真逆なスタンスだったのになぁ…。

この本通して、長政の登場シーンが一番泣きそうでした。
視界が滲みかけていたくらいには危なかった…。



⑤和ませ's(梵天丸、長宗我部元親)

梵天丸 VS 真田十勇士 !!

戦国の片隅でひっそりと行われていた異能バトル!
勝つのは南蛮の邪気眼か、それとも戦国最後の異能集団か……!?

……みたいなことがあったとか無かったとか。
猫は正義。異論は認めない。
ところで梵天丸とか氏郷ちゃんは関ヶ原に間に合いそうもないんですが、やっぱりここにも「歴史」の強制力が…!?



長宗我部元親 VS 小早川隆景

大坂の某所で行われていた壮絶な舌戦!
勝つのは土佐の姫若子(ひめわこ)か、それとも毛利の智将か……!?

……智将の圧勝だったそうな。
長宗我部元親が東軍につくことになった「成り行き」の部分は今回のエピソードで明かされたけれども、彼女が関ヶ原の鍵を握るとはどういうことなのか…。
やっぱりあの布陣に意味があるとするならば……小早川さんの決断はあっちか?



⑥北陸方面軍(西軍)

良晴・光秀・信奈が「らしい」ところにやっと戻ったのとは対照的に、徹底的に「らしくない」方向に転がったのが北陸方面軍の半兵衛・勝家・犬千代・長秀。

半兵衛の知略は、上杉謙信の前に初めて完全に破られ。
勝家の無鉄砲突撃主義は、作戦上の最適解として与えられ。
犬千代は信澄の死の悲しみからういろうを食べることができず。
長秀さんは(別行動中の田辺城で)採点する余裕すらも失い…。


大局的に見て良い方向に向かい始めている西軍だけれども、綻びが生まれるとしたら北陸方面軍が対応していた上杉謙信が関ヶ原に来るところなんですよね。
何せ、信玄が信澄を討ち取ったことで義将・上杉謙信が信玄と共に上洛を目指す口実が無くなった……と関ヶ原に集っている誰もがそう思っているわけですから。
逆になりふり構わず突っ込んできているだなんて、半兵衛が予想できず誰が予想できようか。




⑦今川義元

度々引き合いに出される、全ての始まり「桶狭間の戦い」。
敗者でありながらのうのうと生き、名目上とはいえついには天下分け目の戦の大将になるまでに。
あの行動を見ているとついつい忘れてしまいますが……彼女も立派な姫将軍なんですよね。

六角承禎との言い合いの中で放った言葉は、おそらく1巻からの彼女の全ての言葉の中で一番本心に近い言葉でしょう。
特に「義元ちゃんといえど絶対こうは思っている」と確信していた部分が言葉になっていたので、ある意味嬉しかったし、ますます義元ちゃんのことが好きになりました!
その言葉は、

わらわが、恥辱も後悔も悲しみも感じられぬうつけとお思いか!太原雪斎に『生きよ、生きて幸福を掴め』と教えられていなければ、この、わらわとて……!かつては何度、暗澹たる思いに囚われて泣き濡れたことか……!

(本文358p)

桶狭間の地で「死にたくありませんわ!」と泣いていた彼女の、本当の思いはここにあったんですよ!
教えに従い、生きて、生きて、今の立場に。
彼女の強さは本物ですよ。
ちょっと抜けてるように見える時があるだけで…。





あとがきでも触れられているように、今巻のテーマは「言葉の力」。

誰かから誰かに伝えられた言葉が人を動かし。
伝えられた言葉を胸に今を生きる人がいて。
誰かに言葉を伝えるために今必死に駆ける人がいる。


あとはその言葉の力が、歴史の強制力にどこまで立ち向かえるのか、です。
関ヶ原編最終巻、その行く末を決めるのは、良晴から言葉を託された小早川さん。
どっちを選ぶのか……。



……ところで、関ヶ原編最終巻になる次巻は『織田信奈の野望』シリーズ本編の最終巻にもなってしまう…んでしょうかね…?
それともここから幕府編に、あるいは世界編に……?




以上!


今日のラノベ!

OnlySenseOnline 白銀の女神 2

富士見ファンタジア文庫より
『Only Sense Online 白銀の女神 2 -オンリーセンス・オンライン-』です。


【あらすじ】

「センス」と呼ばれる能力を組み合わせ“唯一”の強さを目指すVRMMORPG―「オンリーセンス・オンライン」OSO初の公式イベント“サマーキャンプ”が開幕!イベントトップスコアを目指すミュウパーティーは、ダンジョン攻略をしながら、センスの新しい運用法やジョブを活かした連携を学んでいく。そしてパーティーとして急成長する中、OSO最大手ギルドからレイド級MOB討閥の要請が入るのだが―火の鳥の眠る遺跡ダンジョン攻略や検証撤退戦、タクパーティーとのメンバーシャッフル対決など、ヒロインたちの攻略最前線と本編の裏側を描くサイド“アサルト”ストーリー!


感想:★★★★☆

本編の最新刊が読んでないのに外伝最新刊を先に読んだのは、偏にトビちゃん表紙に惹かれたというのが理由でしたん。



今巻は、本編で言うと2巻。
OSO初の大規模イベント前後の物語でした。


『白銀の女神』1巻では比較的焦点の当たっていなかったリレイ、コハクをフィーチャーした章が1つずつ。
それとパーティ全体を俯瞰するような章、タクたちのパーティをピックアップした章。
そして最後にユンたち生産職の底力が発揮される章。

……となっていて、1巻の1~5章と2巻の6~10章を合わせて一区切りっていう印象ですね。




リレイは今巻を読んでも今までの印象とさして変わりませんでしたね…。
彼女が女の子好きだということは、登場当初からの自明の理。
照明のスイッチをONにしたらライトが付くくらい当たり前のこと。

照明から電球を取り外したら…?というのが今回のお話だったけれども、その状態が長く続かないというのもまた自明。




逆に印象が変わったのはコハクですよ!

今までのコハクの印象って、「関西弁のツッコミキャラ」であって、それ以上でもそれ以下でも無かったんですよね…。
ご覧ください。
女子キャラとすら認識されていません…(汗)

それが今回のストーリーで幼獣を愛でる姿やら、簪の刺し方をミュウにレクチャーする姿やらを見ているうちに「関西弁のツッコミキャラ(かわいい)」に!

ルカちゃんといいコハクちゃんといい、『白銀の女神』はミュウパーティの魅力再発見という点ではレベル高すぎます…!



パーティ全体の俯瞰と先ほど称した章は、大規模イベントの大詰めを描くお話でした。
ここは……ねぇ…?
検証して、夜間撤退戦して、「さぁ!ボス狩りだ!」ってところでまさかのカット!イベント終了!

いくら本編でやっていた内容とはいえ、(ぶっちゃけ2巻の細かい内容とか忘れているので)しっかりボス戦まで描写していてほしかったなぁ、というのが正直なところです…。
やるにしても、もう少しぶつ切り感が無ければ…。



タクパーティや生産職との交流は、「個性的な育て方をしているプレイヤーたちが集って色々な遊び方を見つける」という意味で、すごく『OSO』らしかったです!

ミュウたちは純粋にその場にあるものを楽しむタイプなので、読んでてもストレートに面白いです。
逆に本編のユンちゃんは研究して楽しむタイプなので、読んでるこっちも頭をウンウンさせながら……(笑)
それがクセになるんですけどね?
「あ、本来OSO運営が想定していたメインの遊び方ってこういうことかー」という気持ちを『白銀の女神』で味わい、その後本編を読むときっと1巻当時にユンちゃんに抱いていた気持ちがまた味わえるはず…!

「こいつ……チマチマ面白いことしてんな!!」って。




以上!

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今日のラノベ!

ワンハンド・マテリアル

富士見ファンタジア文庫より
『終末ノ再生者(リアクター)Ⅰ.ワンハンド・マテリアル』です。


【あらすじ】

人より少しだけ勇敢で、誰もが思う程度に物語の主人公に憧れる高校生・千潮有斗は、ある日人を助けてあっけなく死んだ。そして美少女のキスで目覚めた。(なんだ、夢か…)「あれ、また寝ちゃった?ならもう一度―」「って待て待て!」起き上がるとそこは荒れ果てた世界。傍らの少女カノン・フラメルは告げる。有斗こそ、かつて災厄を振りまいた“天使”を打倒し得る肉体に、召喚された人格なのだと。そして有斗は知る。この世界が彼の時代より、はるか未来にあることを―。これは、滅びた世界を生きる少年少女が、輝かしい今を勝ち取るまでの物語。「さあ、世界を救ってみせて。最強の救世主」


感想:★★★☆☆

魔術VS錬金術
という対立構造が確立されてしまった未来の日本で、魔術と錬金術の合わせ技たるホムンクルスの人格として転生させられた有斗の、かつての憧れだった「ヒロインを救う主人公」としての物語。




良かった所!

・タイトルのルビ「リアクター」
・利権争い、ダメ、ゼッタイ
・カノンとアリスが格好可愛い


魔術と錬金術を合わせて生まれたホムンクルスが強い、っていうのはタイトルルビにあるリアクター=reactorの本来の意味である「原子炉」と「反応装置」に準拠するイメージでしょうか。
合わさったらエネルギーが発生する、という意味で。
それに加えてリアクター=Re Actorでもあるわけですね。
二度目の人生でヒロインを救う主人公になりきる、という意味で。



利権争い……要するに魔術側と錬金術側の醜い争いのことですね(´Д`)
それぞれに誇りがあることは分かるんだけど、それと相手を見下していいことは繋がらない!

最終的にそれぞれの勢力単体で挑んでも《天使》には歯が立たず、それをなんとかできたのは両勢力の橋渡しとして動く人たち、という形に収まっていたのが良かったです。
まぁ、無理な合わせ技の副作用が《天使》なわけだけども、あれは元を正せば片方の利権を守るための研究の過程で生まれてしまったものなので…。



カノンは2大勢力のどちらからも良い目で見られない境遇のなかでも全くブレずに自分の信念を貫いている強さと、実行を躊躇わない思い切りのよさが魅力的。
アリスは過去の事件やその後の生活によって無表情キャラではあるけれども、有斗とのかかわり合いによって少しずつ表情が出てくるようになってきて「口角をあげる」という表現を見つけるとニヤニヤしてしまうくらいの魅力を身に付けてしまった。小さな笑みによってまさに人類を混沌の最中へと誘う最終兵(ry



腑に落ちてないところ!

・魔術、錬金術、《天使》の設定


それぞれの成立過程が作品内で提示されているんですが……
28pに書かれている13年前の経緯をまとめると以下のようになります。

①天使がある日突然発生、堕天病が振りまかれる

②堕天病により成人の88%が死亡、子供は生存率高め

③天使及び堕天病に対抗するため、人類が魔術と錬金術という2つの超常能力を身に付ける

④その2つの掛け合いで生まれた《救済の剣》という特効薬が開発され、人類絶滅回避


一方で、270pの今巻の黒幕の発言では以下のように。


Ⅰ魔術と錬金術を融合させた大いなる業(アルスマグナ)を研究していた

Ⅱかつての天使の模造品ができた




《天使》に対して生まれた力が魔術と錬金術。
その魔術と錬金術をさらにかけ合わせて生まれたのが《救済の剣》。
でも魔術と錬金術を足すと《天使》になってしまう。


何が腑に落ちないのかやっと分かりました…。

魔術と錬金術を「掛け合わせる」ことと「足す」ことの違いがイマイチ分からないことがひとつ。
天使⇒魔術・錬金術⇒天使と成立過程が円環になってしまうのがもうひとつ、です!



前者の概念的な話はともかくとして、後者は……ねぇ?
物語の根幹である以上、以降の物語で伏線として使われる可能性もあるけど、そこまでこの円環を抱えたまま読み続けるのは……どうだろう…。





呪縛から解き放たれた可愛いだけのアリスを愛でられるならそれでいい気もする(迫真)



以上!


終末ノ再生者 I.ワンハンド・マテリアル (ファンタジア文庫)
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どもー。
デスカイザーです。

「9月の新刊情報まとめ」の記事で今年は風邪ひかないだろうみたいなこと書いたんですが、物の見事にひきました……。
微熱レベルなので楽といえば楽なんですが、なんか悔しい…。


今日のラノベ!

織田信奈の野望 全国版16

富士見ファンタジア文庫より
『織田信奈の野望 全国版16』です。


【あらすじ】

「命を救われた日から、素晴らしい人生でした。僕は岐阜城で武田・徳川軍を一刻でも長く、食い止めます」命尽きかける信澄を救うため、信奈と共に奔走する良晴。そんな折、前将軍・足利義輝と側近・細川藤孝が、東軍に参戦!彼らが出した和睦条件は―光秀と藤孝が祝言をあげること!?自らの恋と織田家の命運。光秀は、本当の苦境に立たされた。戦局打破のため、将軍・今川義元と奥州の覇者・伊達政宗がついに動き、光秀のもとには宣教師・ガスパールが現れる!?「さあ、はじめましょう。運命に抗い、未来を奪い合う戦いを」全姫武将たちの総力決戦!関ヶ原編、ついに開幕!


感想:★★★★★

「あぁ、これが”全国版”の意味か」と納得。


北は東北、南は薩摩まで全国の諸将が織田の西軍か、それを討ち滅ぼす東軍かにつき、天下分け目の大戦へと突き進む。
”関ヶ原”に至るまでのプロローグがこの16巻ですね。

あとがきでも触れられていますが、この時期の戦国を綴る物語は群像劇として描かれることが多いように思います。
(意図して制作されたか、受け手がそう感じたかは別として)
それはやはり、関ヶ原が日本史上初めて日本全国を巻き込んだ大乱であったからでしょう。
それまでは両家、せいぜい地方単位で済んでいた戦の主体が増えたことで、その戦に至るまでのそれぞれの思惑・策謀・駆け引きも増え、必然物語としての密度も濃く。
さらに関ヶ原という要所はあるものの、それ自体への参加・不参加、またそれ以前の武将の動向を描くと地理的にも離れた場所を描く必要があるため、どうしても戦全体を描くには群像劇にならざるを得ないんですよね。
大河ドラマ「真田丸」のように一人の登場人物、一つの家に焦点を絞ると、50秒関ヶ原のようになってしまうわけですから。


関ヶ原編1巻となる今巻もその例に漏れず群像劇と言っていいでしょう。
登場キャラクター108人(ファンタジア文庫ニコ生発表)は伊達じゃない。


備忘録も兼ねて、場面ごとにまとめておきましょうか。
北から順番に。


①越後
上杉景虎VS最上義光

後述の梵天丸の成長が気に食わない最上っちが調子乗って不可侵領域たる越後に手を出そうとしたけど、それを読んでいた上杉謙信が北条家からの人質にして関東管領後継者の上杉景虎にフルボッコにされてどうしよっか…、っていう。

ついに、義姫が梵天丸を褒めました
外伝で語られた伊達親子のことを思うと、本編内では5ページにも満たない義姫のセリフの1つ1つが感動的でした。


②関東
梵天丸率いる奥州関東連合軍VS北条家

武将単位ではなく家単位としてだと唯一西軍=織田家側についた伊達家。
史実では関ヶ原に参加しなかった伊達政宗が、関ヶ原の地にやってこれるのかどうかが関ヶ原編の大きなポイントとなりそうです。

なかなかまとまった話が語られない北条氏康の家族愛・仲間愛が見れたのも嬉しかったです


③武田信玄
今巻のメインパーソン晴信ちゃん。
良晴の助けで運命を乗り越えた信玄に容赦なく襲いかかる死病という形の歴史の揺り戻し。
それを乗り越え、父との、そして散っていった近しい者達の想いを、「瀬田に武田菱を」という夢を叶えることができるのか。
シリーズの中で一番武将たる凛々しさを持つ彼女の、最後の粘りがどこにたどり着くのか。
運命を変えることが、できるのか…?


④清洲城
元康ちゃんと二郎三郎の入れ替わりの真相とそれを計画した本多正信の人生。
信玄が表のメインだとしたら、裏のメインは徳川ですね。
三方ヶ原から設楽原を経て関ヶ原に至るまで、松平家に何があったのかが明かされ、色々合点がいきました。

そしてその入れ替わりの事実と信玄の病の事実を掴んだ五右衛門と妹・石川一宗。
二人の決死の逃走の行方は…。
五右衛門は二つの実を拾えず、本当に死んでしまったのか……?


⑤岐阜城
今巻の信奈軍の行動目標だった岐阜城の信澄の救出。
それは……徳川と武田の結束により、叶うことはありませんでした…。
ういろうを手に高笑いをしていた彼の姿はなく、そこにいたのは一人の立派なもののふでした…。
誰か嘘だと言って…。

信澄の死のシーンとその後の信玄と藤堂高虎の会話を曲解すれば、信澄がまだ生きているという捉え方ができなくもないです。
それを一片の希望として、私は生き続けます…。


良晴が今まで捻じ曲げてきた運命は、道三や弾正のように既に揺り戻しがあったものと、そうじゃないものがありました。
今巻、特に後半ではその揺り戻し、”歴史の修正力”というべきものが一気に織田家を襲っています。
弟殺しという運命、”長良川”という場における親しい者の死。

さらには「関ヶ原の前に信奈(信長)が歴史から退場する」という運命と、「信奈(信長)の天下統一事業を良晴(関白秀吉)が継承する」という運命さえも呼び寄せようとしています。
良晴が藤吉郎のおっさんの代わりであることは、こういう運命をも示唆していたんですね…。
それは今まで一度も考えたことが無かったように思います。
もっと言うならその秀吉でさえ、関ヶ原の前には歴史から退場しているわけですが…。



⑥北陸方面
勝家・犬千代・長秀・半兵衛VS上杉謙信

膠着していた戦線を動かさねばならない事態に。
良晴、ガスパールに続いて未来を見る力を持つ細川藤孝が、亡命先の明から先の将軍足利義輝とともに帰国。
義輝亡命の折から歴史を裏で操っていた細川を見逃せるはずもなく…。
結果として戦力が分断されたうえに、その補填として越後方面からの援軍となるはずだった最上も①のとおりボロボロなため、戦況はだいぶ劣勢。

長秀さんの「ひぎっ!」という悲鳴が聞けたので私はもうこの人生に悔いはありません…!
ナイス勝家


⑦明智十兵衛光秀
間違いなく関ヶ原の行方を一番左右することになるのは彼女。
明智光秀が主君・織田信長を殺した”本能寺の変”と、西軍・小早川秀秋が東軍に寝返ったことで大局が決したという”関ヶ原の戦い”。
戦国時代のその2つの裏切りを、歴史の強制力として利用した細川藤孝の策略が十兵衛ちゃんに容赦なく襲い掛かります。

とうとう壊れてしまった十兵衛ちゃんに、再び光が差すことはあるのか…?


⑧その他
九州からの援軍を率いる官兵衛ちゃんは、小早川隆景の策と偶然の大雨により足止め。
14巻で見せた凛々しさはどこに行ってしまったのかと思うほどいつもの官兵衛ちゃん。
でもその頭のキレは過去最高。

395pで登場したガスパールが切り札と称した「ヤスケ」という少女。
日本人でも南蛮人でもない黒い肌。
史実では「弥助」ってググれば出るんですが、本能寺の変の際にその場にいたくらいにしかめぼしい情報が無いですからね…。

毛利両川は今巻は目立った動きはなし。

光秀の腹心・斎藤利三が援軍を要請した長宗我部元親は、大坂の海で毛利側に捉えられ、東軍として参戦することに。
何しに来たんだ……

描写は無いものの、宗麟ちゃんは弟殺しの運命を乗り越えるため九州で蒲生氏郷と対峙中。
宗麟ちゃんが良晴と共に来ていたら…、と思うとやるせない…。

ガスパール=2周目の良晴説がまた浮上しました。
……やっぱり本当なのか?



ということでして。
現在の地理で言うと北は山形、南は熊本まで本当に日本全土で姫武将たちが己の運命を変えるために戦っています。

誰が運命に抗えて、誰が儚く散っていくのか。
読むその瞬間までわからないだけに17巻以降クライマックスに至るまでの物語が楽しみだけど怖くてしょうがないです…。





ここまで来たら「賤ヶ岳の戦い」イベントは警戒しなくてもいいかな…?
あれ始まったら、よ?




以上!


織田信奈の野望 全国版16 (ファンタジア文庫)
春日 みかげ
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どもー。
デスカイザーです。

海で「波を起こす系の能力者の攻撃を受けた体で吹き飛ばされる」遊びをしていたんですが、すぐ近くの海岸で波にさらわれ亡くなった方がいるということでちょっと反省中。
改めて水の質量って怖いと感じました…。
押し流されたり引き込まれたりであちこち擦りむいたし軽く痛めてるし…。

海では適度に遊びましょう



今日のラノベ!

アサシンズプライド3 暗殺教師と運命法廷

富士見ファンタジア文庫より
『アサシンズプライド3 暗殺教師と運命法廷』です。


【あらすじ】

「わたしがその試験に合格できなかったら、先生は?いなくなってしまうんですか…?」学院での一年が過ぎ去ろうとする季節。クーファは様々な悪意に晒される教え子・メリダに、進級試験を課す。もし失敗すれば、自らの手を彼女の血に染める覚悟を秘めて―。もう何もできない私じゃない。気負いながらエリーゼと共に試験へ赴くメリダの前に、同じ騎士公爵家の娘ミュールとサラシャが現れ…「三大騎士公爵家の四人娘、初の共同任務よ!」世界を欺く少女に試練と断罪の刃が振り下ろされるとき、暗殺教師と少女は命がけの矜持を示す―!


感想:★★★★★

1巻を読んでいた時に思い描いていた通りの展開。
メリダは【パラディン】を【サムライ】の力で押し破り、それに呼応するかのようにクーファがダンピールの力をもって敵を打ち砕く。

分かりやすく王道を突き進んでいるけど、魅力的な感情表現と無限に広がる戦い方がそれを感じさせないですね。

特にメリダの成長は誰の目から見ても顕著で、それは読者としても変わりなく。
「メリダだったらこのくらい乗り越えてくれる」という、やっぱりどこかクーファ目線での安心した気持ちで戦いを見ていられます。
一刀流、二刀流、肘、掌底、蹴り、体重移動、回転、踏み出し…
教えれば教えるほど吸収していく彼女の姿は、やはり金に輝く宝石のようです…。


「無限に広がる戦い方」という意味では今回出てきた人外ズたちが凄かったし、それに対応した暗殺教師ズたちも当然凄い。
ぶっちゃけ何がどうなってるか理解できない部分あるよね!





今回の事件は暗殺教師の矜持(アサシンズプライド)を保つことができたけど……メリダが1年生の時点でこれだからなぁ…。
暗躍する影があるとはいえ、犯罪ギルドの主要3メンバーが全員消え、表ギルドのトップを(形の上では一応)破って。
少なくとも聖フリーデスヴィーデ周辺に敵がいないですよねこれ……。

次巻はラブコメ要素増し増しらしいですが、シリアス方面での伏線張りがどうなるのかもちょっと気にしておきたいところ。
…だからといって暗殺教師の誓約(アサシンズプライド)は成ってほしくはないですがね?




以上!

アサシンズプライド (3) 暗殺教師と運命法廷 (ファンタジア文庫)
天城ケイ
KADOKAWA/富士見書房 (2016-07-20)
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