デスカイザーのラノベ日誌

ライトノベルの感想を……綴るっ!

カテゴリ: その他のレーベル

どもー。
デスカイザーです。


日曜の朝食は魚にすると決めてから3週間。
今日はぶりの塩焼きが美味しかったです。
普段はギリギリまで寝てるので、パンを焼いてる間にササッとガパオライスの上に乗ってる目玉焼きを作ってオンザトーストするんですが……。
時間があるときくらいまともに栄養を摂ろうという試みです。
健全な精神は健全な肉体に宿る!かもしれない!



今日のラノベ!

死を見る僕と、明日死ぬ君の事件録

メディアワークス文庫より
『死を見る僕と、明日死ぬ君の事件録』です。



【あらすじ】

平凡な僕が唯一他の人と違うこと。それは人の死を予告する幻影を見る力があることだ。僕が幻影――【彼ら】について知っていることは3つ。
1、【彼ら】はやがて訪れる自らの死の瞬間を、何度も繰り返し続けている。
2、【彼ら】の姿が濃くなるほど、死の瞬間は近い。
3、【彼ら】は死の運命から絶対に逃れられない。
――これは全てを諦めていた『僕』が、死の未来を背負う『君』と出会い、運命に抗うため奔走する物語だ。



感想:★★★★★


んにゃー!引っかかったっ!!
綿密に推理を重ねて読み進めたうえで綺麗に引っかかったのでとても気分が良い!!



それでは、推理の過程も含んだ読書メモと共に感想をお送りいたします。


~memo~

72p:自分の行動を含む
⇒誰かの死の訪れが分かるのに、そこに介入することすら死の運命に含まれているとはなんと残酷な……。鈴さんは「僕」の言うことを理解してくれるというだけでなく、あの突拍子もない行動原理まで含めて「僕」と出会う最適な人材だったわけですね。


85p:会計金額
⇒「覚えておいてあとで払う」っていうから、終盤で死の運命覆したあたりの会話の伏線にでもなると思ったらならなかったパート1。


※p:最初から泣きそう(酒効果)
⇒覆したいのに覆せないというジレンマ。鈴さんという理解者の登場で1人の命を救えた安堵。過去に理解者だった「彼」がおそらく死んでいる。そして「僕」にとってそれはトラウマで記憶に蓋がされている。
疲れた身体に染み入るお酒の力もあっただろうけど、そんな「僕」の境遇が切なくて、プロローグから泣きそうで、100pにも達してないのについメモしてしまうくらい泣きそうでした。


96p:中央線w
⇒人身といえば中央線。84pで「僕」が駅ビルを見ただけで鈴さんが人身だと察するシーンも含めて、なんかもう本当にさすが中央線。
いや、何も笑い事ではないですねこれ……。失礼致しました。


100p:面白い人、でも……死んじゃうんだよな……
⇒プロローグをとても素直に受け取ったピュアなdeskyzerの姿が観測できます。
鈴さんは「僕」が言うようにできれば離れたところから見ていたいタイプ。でも慣れたら近づいて積極的に巻き込まれていくのも面白そう。


106p:不登校児が来ても多分バレないし気づかれない
⇒私の通っていた大学はクラス別の英語ですら講義にあまり来ない人が来ても何もなかったですし。高校までとは違って仲良しこよしでも無ければ誰が来て誰が来ないかなんて気にしない。さては「僕」は本当にほとんど大学に行ってないな…?


106p:鈴さんは主人公の何を知っているのだろう……
⇒「僕」が大学に行かないことに安堵した鈴さんのリアクションがとても謎でしたね……。何か「僕」が大学に行ったらまずいようなことが起きている?……陰口タイプのいじめって大学でもあるらしいからねぇ…。上で否定したばっかりだけど、皆実は気にしているのかもしれないですね、大学来ない子を。


114p:つまようじコーンの頻度、何かある……?
⇒やけにつまようじコーンが出てくるから、もしかしたらつまようじが終盤で鈴さんの命を救うことになるのかと思ったらならなかったパート2。


125p:僕わかる、おばあさん!
⇒純真かっ!しかも間違えてるし!その隣の中年の女性だよっ!!


148p:待ち合わせ前の徘徊、とても分かる!
⇒鈴さんと意気投合できそうだと初めて感じた瞬間。理由は鈴さんと同じものもあるし、ただ単に電車の遅延で遅刻したくないっていうのもあるし、家の最寄り路線が1時間に1本だというのもある。
でも、こういう徘徊が5年後くらいに役立つ時が来るので案外バカにできなかったりします。


155p:親子丼を知っているのは伏線かどうか
⇒大学のくだりから「僕」と鈴さんが過去に会っている説を有力視していたので、その時に好物を聞いていたとかそういう感じの伏線だと思ったらそんなことはなかったパート3。
むしろその隣の行のネギ丼こそが終盤の伏線だった。


173p:初めて会った気がしない、か。過去に救われた?「彼」と兄妹?
⇒あー、惜しい!実に惜しい!
初めて会った気がしないというセリフのおかげで、過去に会っている説は無くなりました。28pで親子丼説が覆されていますね……。


195p:凡て真なるもの
⇒「僕」が視ているのは未来の死の幻視でありながら、幻ではなく実である。
この物語は仕掛けがあるが、それは夢幻の類ではなく意味のある現実である。
……とか、そんな感じのメッセージなのかなぁ、と。


218p&188p:あー…、ここで連れ去られてるのか?
⇒そういうことっぽいですね、ちょい違いますが。


232p:伏線ばらし、イージーモード?
⇒部屋の様子とか、鈴さんのぬいぐるみとか、ここまででメモってなかった伏線をこの終盤で提示してくれるなんて、このミステリー簡単だなHAHAHA


245p:…………はぁ!?えー……。あー。はぁ!?
⇒何がイージーモードだっっ!!!!


~memo~




はい、ということで245pでバラされるまで全く見抜くことができませんでした!
プロローグで大学出てきたじゃん!って言い訳しようとプロローグ見返したら、5pの後ろから3行目にしっかり答えが書いてあったことに気がついて……。
その後の2行を踏まえて精神的な面での話だと思ったんですよ。
こんなの間違いなく狙って書いてあるじゃないですか…。

「このプロローグがすごい!」とかあったら間違いなく1位ですよ?




完全に想定外だったこともあって、「そういえばあのシーンでは…」という振り返りが脳内でうまく組み上がらないんですよね。
普段ならこういう「2周読みたくなる!」系の本は読後に振り返ることで大体補完できるんですが、この作品は(上の読書中memoの幾つかの項目を除けば)せいぜい1箇所か2箇所くらいしか心当たりが無いので、素直に「もう1回読もう」と思えています。
それこそプロローグの例もそうですが、とても巧妙に隠されているんですよ、きっと。

ということで、ちょっと2周目読んできます!ノシ


~~~~~~~~~


読んできました!
思っていた以上に色々手がかりありましたねー。
張り込みさせないとか、戸籍謄本とか、自然と手を繋いでいるとか。
すべてを羅列するにはあまりにも多かったのでこのくらいに留めますが、1周目でこれだけのヒントを並べられて気がつかないというのは、やはりそれだけ巧みに隠されていた事の証左でしょう。
あるいは読解力不足という可能性。



隠れていた手がかり以上の収穫もありました。

1つは245pで騙されるまでに、2回ほど「僕」が自分の姿を見る機会があったのに、気付かなかったこと。
それだけ深く、強固に記憶に蓋をしているということですよね……。
想像していた以上に「僕」の在り方が危ういものだったんですね……。

もう1つは決定的な認識は245pだけど、その前から兆候があったのではということ。
途中から不登校をやめて「学校」に通うと言っていたり、鈴さんと並んで映るショーウィンドウを見て「ちぐはぐ」と感じたり。11pで窓に映る自分の顔を見たときとは少し違う反応だったかな?と。
後半に行くにつれて手がかりが増えているように感じたのですが、それもまた認識の齟齬の表出なのかなぁ?と思ってみたり。





読んでいる間も、読んだ後も、二度読みしても楽しめました。
実はここまで決定的な「僕」にまつわる秘密の答えを意図的に書かずにいるので、答えが気になる方は是非読んでみてください。
答えを察した明晰な方も、ぜひ隠された手がかりを見つけ出すために読んでいただきたいです。




鈴さんと「僕」のキャンパスライフが、良きものでありますよう。




以上!


死を見る僕と、明日死ぬ君の事件録 (メディアワークス文庫)
古宮 九時
KADOKAWA (2017-11-25)
売り上げランキング: 13,907

どもー。
デスカイザーです。


ひとことだけ。
製造業はやばい。





今日のラノベ!

俺の『鑑定』スキルがチートすぎて 2



Kラノベブックスより
『俺の『鑑定』スキルがチートすぎて 2 ~伝説の勇者を読み“盗り”最強へ~』です。



【あらすじ】

規格外の固有スキル『鑑定』ランクEXを授かったメル・ライルートは、当代の勇者となって、世界を滅ぼさんとする悪竜の打倒を決意した。エルフの少女シルフィーナの故郷に到着したメル一行は、エルフの女王から悪竜に与する妖精の存在を知らされる。その正体を突き止めるべく、メルたちは妖精の国へと赴くのだが…妖精王が妙ちくりんな試練を強要したり、さらには悪竜が直接攻撃をしかけてきたり―。それでも新たな仲間を得たメルは、今日も“神の眼”であらゆるモノを読み“盗って”、立ちふさがる困難を打ち砕く!



感想:★★★★☆

2巻もとてもスルスル読めましたー!




今回もメルくんの鑑定スキルが大活躍でしたね。


「何も読み盗ってない時にメルくんがSランクと同等のスピードで動いてるのは『勇者の剣』に残ってるアース・ドラゴの残滓のおかげだっけ?勇者の剣のスキルだったっけ?
うーん……。



まぁ、メルくんだし、いっか!」



みたいなテンションで読んでいるので、結構内容の理解がアバウトだったりします……。
いや、多分読み込んで理解したらそれはそれで面白いとは思うんですが、メルくんが無意識に『真眼』を発動させていることもあって、直感に頼って読み進めるのが一番面白いと思うんですよ!

一応ラスボス的ポジションの封印されし悪竜さん「の一部」、あるいは「の瘴液を浴びた狂化人類」との戦闘も特に危なかっしく感じることもないですし。
仮に危機的状況になっても「……でもメルくんがなんとかするんでしょう?」という無類の信頼!約束された勝利の剣(勇者の剣的な意味で)。

メルくんに絶対の信頼を寄せているという意味ではシルフィにリンクして読んでいるといっても過言では無いかもしれませんね…!
1巻ではメルくんとリンクしていたdeskyzerなので、3巻を読むときはおそらくクララとリンクしていることでしょう。
\(^o^)/唸る野生\(^o^)/


一方、その絶対的な安心感はある意味マンネリ感というか、盛り上がりに欠ける印象を感じさせなくもなかったです。
マンネリ感を微塵も感じさせない主人公への安心感。
スローライフともまた少し違った方向でのこのフィーリングを、ぜひこの作品には大成していただきたい!!





イオリ・キドーが兄の末路を知ったらどんな顔をするのかな…。


以上!



今日のラノベ!

俺の『鑑定』スキルがチートすぎて

Kラノベブックスより
『俺の『鑑定』スキルがチートすぎて ~伝説の勇者を読み“盗り”最強へ~』です。



【あらすじ】

天涯孤独の少年メル・ライルートが、15歳になって授かった固有スキルは人や物の情報を読み取る『鑑定』スキル。しかも幻のランク“S”をも超える、存在しないはずの規格外―ランク“EX”だった!しかし『鑑定』は人の情報をも読み取れるため、身分を隠したい犯罪者に狙われる危険がある。さっそく命を狙われたメルはどうにか返り討ちにするも、追われる立場に!?エルフの少女とともに逃亡生活を余儀なくされる彼はしかし、チート能力を駆使して困難をあっさり乗り越えていき―。“神の眼”を手にした少年は、伝説の勇者の能力を読み“盗って”、最強へと駆け上がるっ!



感想:★★★★★


279pの、
「そっか。なら、納得だね」

このセリフに至るまでの物語。
ここで感動するための物語。




第1巻にしてただの村人から先代勇者以上の力を得るまでになったメルくん。
鑑定スキルに関して、ランクEXがどれだけのことができるのがメルくんの知る以上にヒントや情報が無い構成なので、「もっとこうすれば…」とか「なんでそれやっちゃったの!?」とか不必要な煩悶に苦しめられることなくサラッと読めた印象です。
大地母神さまの“真眼”に関してのバラしも、「い、言われてみれば確かにそうかも…」と、疑問を挟むことも否定することもないメルくんの立場とほぼ同じ反応でいられたのが良かったです。

そう、シルフィの拉致の真相以外、ほぼ全てメルくんの意識と同化して読めた気がします。
まさに真の一人称。
偶然なのか計算なのか、本を読んでいる時の自分の思考速度と、メルくんの会話速度が完全に一致していたというのも一人称感を強めていたと思います。
心の声と発声のバランスとタイミングとかね?
多少あってもおかしくない主人公と読者の意識のズレみたいなものがほぼ無かったという点で評価されるべきだと思います!!




さて、その上でシルフィというメインヒロインについてです。
人殺しをしたことで、(事情があったとはいえ)問答無用で否定されてもしょうがないのに「メルくんの言うことだから」と納得してしまう系ヒロインです。
はい、かわいい!
多分この子「お湯がもったいないし、一緒にお風呂入ろっか?」って言ったら恥ずかしがりつつも「め、メルくんが言うなら…」って納得して入っていきますよね。
かわゆいなぁもう!!
……で、後でそれを知ったリザにメルくんが撃たれる。





物語全体としてはいたって明瞭。

①シルフィの故郷をめざす
②途中で戦闘になったら、近くの人(敵含む)のスキルを読み盗り対応する

ソフトカバーで300ページ弱だけども、それを感じさせないくらいスルスル読めちゃいました。
癖の強すぎるキャラもいないし、影が薄すぎるキャラもなし。
見る人によっては「平凡でつまらない」という感想にもなるかもしれませんが、個人的には余計なこと考えずにメルくん視点で没頭できたので最高に楽しかったです!!!



以上!



今日のラノベ!


余命六ヶ月延長してもらったから、ここからは私の時間です上

余命六ヶ月延長してもらったから、ここからは私の時間です下

モーニングスターブックスより、
『余命六ヶ月延長してもらったから、ここからは私の時間です』です!



【あらすじ】

『魔法』と呼ばれる特殊な力を持つ者だけが入れる高校で、憂鬱な毎日を送っていた落ちこぼれの野花三葉は、ある日の放課後、何者かに階段から突き落とされ、命を落としてしまう。「もっと好きに生きればよかった」―後悔する三葉の前に白猫の姿をした天使が現れ、あと六ヶ月だけ時間をくれるという。かくして、三葉は六ヶ月の“余命”を手に入れるのだが!?第1回「モーニングスター大賞」受賞作!




感想:★★★★★

読後に泣く自分を幻視して買った作品
その幻視は現実のものとなりました……。



少し長い感想(あるいは駄文の垂れ流し)になったので、最初に要点を。

◎上巻は、後悔しないように生きる!という三葉の強い意思が魅力的なストーリー。
◎下巻は、自分を殺した相手に迫ることで感情が大きく動いていく…!
◎どちらかというと女性向け小説読んでる時の感覚、樹虎にきゅんきゅんする!
◎ぼくはいま、とても悲しい




ではいきます。

不遇な学校生活を送っていた三葉(「みつは」ではなく、「みつば」です)。
親友とは離れ離れになり、仲の良い友達ができず、組まされたペアは不良で、先生からもいびられ…。
とどめとばかりに階段から突き落とされ死んでしまいます。

物語はここから始まる、延長戦の6ヶ月。
奇跡で得られた6ヶ月を、後悔しないように全力で生きると決めた三葉の、不器用ながらも力強い6ヶ月。


上巻は、それまでの学生生活の難点だった人間関係について立ち向かっていくのがメインでした。
ペアの樹虎に対してはおどおどせず正面からぶつかっていくことで次第に信頼を勝ち取り。
他人の危機に見て見ぬふりをせず飛び込んで助けたことで、心実というかけがえのない友人を得て。
努力に次ぐ努力により模擬戦で好成績を収め、魔力覚醒薬使用の誤解を解いて先生からの評価も変え。

まさに表紙に映る堂々とした仁王立ちのように、「どうなるか分からないけどなんとかする!」っていう三葉の固い意思が眩しかったです!
……ポチ太郎の堂々たる姿もまた…。
お前表紙にいたのか……
ポチ太郎、なんだかんだキーマン……ならぬキーワンです。


まぁ、でもですよ。
上巻だけで見たら、割とよく見かけそうな「頑張る女の子!」系の物語と言えなくもないです。
急に何かの才能に目覚めたり、周囲の態度が唐突に一変するわけでもなく。
もちろんその頑張る姿に心打たれたので「すぐ下巻読もう!」となるわけなのですが。
……上下巻同時刊行、大正解ですよね。




ってことで下巻。
上巻で三葉は頑張りました。
すごく、すごく頑張って、人間関係も、魔法のちからも順調です。
順調なのに、これからなのに、余命が、命の期限が迫ります。


恋愛模様が動き出すのも下巻から。
樹虎と三葉の間には、ペアを超えた感情によって動いてるかのような場面が増えていきます!
最初は三葉をグズ呼ばわりしてた樹虎が、集合場所に現れない三葉を探して校内を走り回ったりね?
三葉が樹虎をからかう頻度が高くなっていたのは、あれですよね。小学校低学年くらいの男の子が好きな子にちょっかいかけちゃうみたいなやつですよね!?
そしてそんな樹虎の前に立ちはだかるは、クラスのイケメン委員長山鳥くん…!
ハァー!!!真面目くんと不良くんがクラスの美少女をめぐって恋の争い!

「ここ(モーニングスターブックス)って女性向けレーベルなのかな!?まぁいいか!!」

心実が三葉を「おねえさま!」と慕う姿がまた程よい百合感を醸し出しいとをかし。

「ここ(モーニングスターブックス)って女性向けレーベルなのかな!?まぁいいか!!」(2回目)



そんな弛みきった思考のまま、三葉を突き落とした犯人との対峙のシーンを読んだので…。
目が覚めました。



もともと6ヶ月しかない余命がもう残り半分も無いって状況で、犯人が自殺しようとしている場面に遭遇した時の三葉の気持ち。
想像するだけで、ドス黒い感情と胸が締め付けられる感情と喪失感と色々ごちゃ混ぜになりました…。
大切な人がいなくなった程度のことで、簡単に命を無駄にしようとしているなんて、ねぇ…。
限られた時間を後悔しないように生きると決めた三葉を、嘲笑うかのような。
「―ふっざけんな!」っていう慟哭に込められた感情は、どんなに想像しても想像しきれないものですよね…。




生き返る前に課題になっていたことは犯人を見つけたことで概ね完了し、あとは後悔の無いように死ぬまで生きるだけ。
……だったのに。
ここで恋心に気づいちゃうのは、切ないですよ……。
だってもう無理じゃないですか。
どんなに足掻いたって、ねぇ、もう……ねぇ。

ラスト100ページくらいですかね?
それこそ禁断魔法でも何でも使って三葉が余命以上生きる術を見つけ出すんじゃないかと急いで読みたい気持ちと、全てを察して最後の三葉の生き様を目に焼き付けようとゆっくり読みたい気持ちがせめぎ合ってました。
三葉のために何かをしなきゃいけないのに、何をすればいいのか分からない感覚。
もちろん読み進める以外には何もできないんですが、それでも何かせずにはいられないような。


そして、涙。


やっぱりどうすることもできなかったというやるせなさ、心実の心が引き裂かれるかのような痛みの幻覚、最後の最後の奇跡で樹虎と三葉が結ばれた喜びと切なさ。
三葉が後悔しないように全力で生きたこの6ヶ月が、たしかに彼女が生きたという証をこの世に残したということの誇らしさ。

クローバー畑に向かって最後まで全力で駆けて行った三葉の姿が、本を閉じたら居るわけです。
こんな満面の笑みで、樹虎に背中を預け、心実がしょうがいかなぁと見守る姿が。

ぁぁぁぁぁぁぁぁ…………。





これだけ全力で頑張る姿を見たら、「自分も後悔しないように生きよう!」って普段なら思うところですが、今回は受けたダメージが大きすぎまして…。

何より、悔しい。
三葉の死を覆すことができなかったことが、とても悔しい。



2巻分で描ききれなかった分のストーリーが詰め込まれた3巻の発売が決定しているようですが、僕は3巻をどういう気持ちで読めば良いんでしょうか…。
本当に誰か教えてください。
読みたいけど、読んだら多分また泣くですよ…。

樹虎にきゅんきゅんするという意味ではどちらかというと女性向けなのかもしれませんが、男性の皆様にもこの悔しさを味わっていただきたいです!
あと、こういう物語こそアニメやってほしいですね!
そして涙に溺れるのである。




以上!


気づいたら2週間。
どもー。
デスカイザーです。


前回の更新後1週間は不眠に襲われ、その後1週間は眠気に襲われておりました…。
ストレスはしょうがなくないけど飲み込むとして、「そろそろ…寝れる?」って時に始まる隣の部屋の熱唱マンの罪は重い。


コミケでご挨拶させていただいた方々、遅ればせながらありがとうございました!
久々にラノベオタクっぽい日常(戦場?)に浸れて、楽しかったですし回復しました!
お金と時間の都合上回れなかったサークルさんもいくつかあったのが大変申し訳なく…、悔しいです…。
冬コミはもう少し余裕を持って参加したいです!



では、今日のラノベ!


成人すると塩になる世界で生き残る話

ビギニングノベルズより
『成人すると塩になる世界で生き残る話』です。



【あらすじ】

ある夏の日、成人になると肉体が塩になって死ぬ世界に一変した。これまでの社会機能は麻痺し、町では不良共が欲望のままに暴れ回る。そんな中、夏休みから自宅に引きこもってゲーム三昧だった青年・祐也が、不良達の抗争に巻き込まれることとなった。飛び交う銃弾、破壊と暴力、セックス。突如出会った盲目の少女と偏執的な後輩少女とともに、この異常な世界を奔走していく!



感想:★★★★★


タイトルの右側を理解することを脳が拒絶するところから、既にこの物語に呑まれていたのだと知る。




「なんで塩なの!?」
「どういう現象なんだ!?」


思い返してみると、そういうセリフが一切無かったように思います。
(あるいは覚えてないほど希薄なシーンではあったのかもしれませんが)
主人公なんて、初めて塩になった大人を見て最初は固まったものの最後には「まあいい、」で済ませますからね!

よくねぇよ!!?


と、読者としてはついつい思ってしまいますが。
あの場で「何で…?」のループにハマり行動しないなどという愚を犯さず、自分の守れる範囲を正確に判断して守るために行動し続ける主人公に、もう惚れ惚れ。
裏を返せば守れるもの以外は切り捨てるという残酷な姿勢が、どういう経緯で培われていたのかもまたこの作品に厚み(物理)を加えるスパイスの1つ。

そういえばこの作品、何かと人殺しを正当化している気がしますね。
それも自分や自分に近しい誰かを守るための人殺し。
許される行為か、許されざる行為か。
少なくとも塩になる世界になってからの話で言えば、司法も警察もまともに機能してないんで許す許さないの話ですら無いんですがね?





ヒロインは2人+1人。

+1こと、主人公のおとなりさんこと新崎さん。
幼なじみ的ポジションなのに、序盤に拉致られレ○プされるだけの子。
あるいはこの物語で一番不憫なのは彼女なのかもしれない…。


ヒロインその1、本条唯ちゃん。
新崎さんの友達の盲目の女の子。
人の善性をかき集めて形成したかのような天使、それ故に他人の悪意に疎い。
そして、悪意に疎いが故に悪意を上回る善意で包み込めるタイプの天使。
語弊を恐れず言えば、秩序も何も無い世界では足でまといにしかならず存在価値が女性であることくらいの存在。
主人公のスタンスに噛み合わないのに何故か行動を共にさせてもらえている。
その答えは結局うまく見つけることができませんでした!
情?



ヒロインその2、森園真名実ちゃん。
泣く子も黙る主人公の後輩のストーカー(仮)。
表紙で一目惚れしてずーーーーっと出番を待っていたのに、まともに喋るまで20万字超ってどういうことですかデブリ先生。
そしてスク水をありがとう。
主人公と同じくらい黒く、暗く、ぶっ壊れた存在でとてもゾクゾクしましたありがとう。
壊れてるけど、壊れてる世界においては狂おしいほどに愛しい。






何かが欠けた少年少女たちが、壊れた世界で互いを照らし合う物語。
四十二万文字のボリュームに見合うだけの読書時間は必要だけれども、
控えめに言って最高なので、是非。

とりあえず真名実ちゃんに出会えて本当に良かった。ありがとう。ありがとう。




成人すると塩になる世界で生き残る話 (ビギニングノベルズ)
宙乃塵屑
キルタイムコミュニケーション (2017-07-22)
売り上げランキング: 446,490

↑このページのトップヘ