デスカイザーのラノベ日誌

ライトノベルの感想を……綴るっ!

カテゴリ: ダッシュエックス文庫

どもー。
デスカイザーです。


1/10。
ここ5年の間に3回体調を崩している死の一週間に突入しました……。
暖かくして部屋の乾燥にも気を使っているつもりなんですが、この時期の体調管理は難易度が高すぎます!
今も好調とは言えず、さりとて崩しているというわけでもなくという危ない状態。
社会人ですからね、今まで以上に気をつけねば。


余談ですが、統計範囲を1月全部に変えると体調崩す確率は100%になります




今日のラノベ!


あなわた

ダッシュエックス文庫より
『貴方がわたしを好きになる自信はありませんが、わたしが貴方を好きになる自信はあります』です。



【あらすじ】

神谷誠一郎、二十八歳。職業は猟犬―吸血鬼を狩る者。ある夜、彼のもとにひとりの少女がやってきた。綾瀬真、十四歳。世界で唯ひとりの『生まれつきの吸血鬼』。とある恩人の縁を頼ってきた彼女を誠一郎は受け入れ、ふたりは同居生活を始めるのだが―いつしか彼らは、吸血鬼の謎をめぐる思わぬ事件に巻き込まれていく。年の差十四歳、狩る者と狩られる者の危険な恋物語、開幕!



感想:★★★☆☆

天使☆降臨っ!!
キタ━(゚∀゚)━!




というわけで久々に表紙買いです。
いわゆる「ねっ、せーんぱい?」のポーズ。
真のことだからこちらの庇護欲を掻き立てるようにしっかり計算してるんでしょうよ……



吸血鬼ハンターの男と、生まれつき吸血鬼の美少女の危険な恋物語。
正直すっごく……評価しづらいです。

200ページという昨今のラノベの中では薄めに分類されるボリュームの中で、キャラの魅力がしっかりと、表紙から受けていた期待以上に伝わってきたというのは良いポイント。
真が、誠一郎を精神的に振り回しつつも理論と軸をずらさない立ち回りをする“賢い”子だということ。
誠一郎が、自虐できるくらい客観視しつつもルーチンを大切にし、無意識レベルでハードボイルドであろうとする人だということ。
単純が故に読み易く、裏がいくらでもありそうなのでこの先の展開に期待が持てます。


その一方で、ストーリーはその読み易さが仇になっているように思いました。
誠一郎の周辺キャラの紹介が終わったかなー?というところで既に残り50ページ。
ちょうど先日Twitterで呟いた「左手で察する」というやつです。



ダイジェスト的に真が攫われ、問答して、戦って……を30ページ。
「仮にも真の正体に関わるところだろ!?」って思うほどの淡白さ。
ともすればここも敵さんのキャラ見せって括れちゃうほどです。


この淡白さは、この物語があくまでも「誠一郎と真のラブコメ」であって「謎を抱える美少女吸血鬼を巡る奇譚」ではないことを示していますが……。
最後の2ページで真実をドバドバ流してきたことが衝撃的で読後1分くらいは「良作!」って思ってましたが、振り返ってみると内容の無さが凄いです。
でもその内容の無さがつまらないというわけではなくて、むしろその何もない感じに愛おしさを感じている面もあるんですよねー!
吸血鬼と吸血鬼ハンターがひとつ屋根の下にいるのに、「かびの生えかけたパンが良い」「いいえしっかりしたものを食べてもらわないとっ!」ですからね。


んー、語弊を恐れずに言えば面白くはないです。
でも「キャラに惹かれる」ことを目的とした物語なので何も問題がないんですよ。

……という理由で非常に評価しづらいです。



以下、読書メモをもとに掘り下げ



~memo~


40p:安心してください、ハッピーエンドです
⇒『もんラブ』っていう前科のせいで、結ばれてハッピーエンド→からの即デッドエンドくらいは覚悟してました。



55p:豹変
⇒この作品が「真と誠一郎のラブコメ」であることを確信した瞬間ですね。
このシーンまでは大人びて理知的で良い意味で年齢不相応な態度と思考速度だった真の、百八十度違う意味で年齢不相応な喜びの感情の爆発。
「かわいい」以外の表現方法が知りたい



72p:人類救済連盟
⇒簡単に言えば「吸血鬼は人間の上位種、崇めよ!」みたいな団体。
いつの時代、どこの場所でも理解できない力を持つ者たちを勝手に奉る集団はいるんですね~、としみじみ思いました。
一種の同化なんでしょうかね、こういうの。




76p:マルボロ
⇒マルボロだからこそ出せるハードボイルド感ありますよね。

「タバコ」だとちょっと悪い感じ
「メビウス」だとやや若者感
「マイセン」だと時代に取り残されつつある感
「わかば」だとおじいちゃん
「マルボロアイコスバランスドレギュラー」だと長い
「あぁん?ボックスしか取り扱ってないってどういうことじゃ、こちとらお客様やぞ要望聞いてソフトも置けやボケ!」←闇

※イメージです




129p:優しい
⇒表面的な行為ではなく、相手の意を汲むかどうかで優しさを判定しているあたりに良さを感じます



148p:んー……泉=真?
⇒音信不通で行方不明の真の母・泉が薬で若返って“娘”として振舞っている説を提唱したかったんですよ。
過去の泉の言動と真の言動があまりにもダブるので。



166p:半分正解
⇒クローン!っていうことで泉=真説はある意味正解、ある意味不正解という微妙な宙ぶらりん状態に。
「吸血鬼」という表面的なキーワードの他に、「心」という潜在的なキーワードがこの作品にはありそうです。
……どうでもいいですがマコトネットワークとか言い出さないですよね?



210p:怒涛の新情報
⇒いろいろ知ってんじゃねぇか真ちゃん!!

世界観が暗いなかで、いかに暗く見せないかというのがこの作品のひとつのポイントな気がします。
暗く見せればその分真に同情が生まれてしまい、この作品の場合はそれが雑音になってしまうんですよね。
なので、こういう何気ないところで先に真実を暴露しちゃうことで、作品の未来に対しての不安をなくそうという意図でしょう。
誠一郎はまだ何も知らないわけですが(笑)



~memo~



徐々に料理のレパートリーを増やしていく真とか、
わざとうっかりお風呂上がりにタオル巻くだけで出てきたりする真とか、
時計のパーツを前に「むむむ……?」ってなってる真とか。

そういう真を、私は読んでみたい




以上!



どもー。
デスカイザーです。


コミケ1日目&2日目、お疲れ様でした。
私deskyzerは何年かぶりに(5年ぶり?)不参加です。
明日、男どもの聖戦となる3日目も寒くなるようですので、風邪と凍死に十分お気をつけくださいませ。
……リアルに冬コミ早朝のトイレ列の寒さで気を失いそうになったお兄さんからの注意だよ!

ラノベ界隈も明日なので、本当に行きたかった……。




悔やんでも仕方ない!
こう、自制心とか射幸心とかそのあたりのせいですからね!!

ので、今日のラノベ!


文句の付けようがないラブコメ 7

ダッシュエックス文庫より
『文句の付けようがないラブコメ 7』です。



【あらすじ】

幾千幾万の輪廻を超え、ユウキとセカイは真のエンディングにたどり着いた。高校生だった彼らはいつしか大人になり、酒盛りしたり就活したり、周囲の反対を押し切って同棲してみたり。裁定者として絶対的な役割を担ってきたハルコ・クルミ・おチヨの三人もまた、新たな人生を謳歌し始めている。バッドエンドの連続だったこれまでの不条理を笑い飛ばすかのように、彼らは“普通のしあわせ”を当たり前に過ごしていく。これは、たった五人でセカイと世界を救うべく足掻いてきた勇者たちに贈る、最初で最後で最高の「文句の付けようがないラブコメ」。



感想:★★★★★

恐らく感想やレビューのほとんどに使われているであろう、この言葉。
やはり、この言葉こそがこの巻に、この作品に相応しいでしょうっ!!


まさに、文句の付けようがないラブコメ、でした!






以下、読書メモと共に感想を。




~memo~



10p:衝撃の一行、あと把握
⇒前巻のラストから、セカイとのどんな甘い生活が繰り広げられるのかなー!とワクワクしながら本を開いたら「妹と結婚して五年が経った 」、ですよw
びっくりして笑っちゃいましたが、つまりはこれユウキとセカイのハッピーエンドではなく、ユウキとセカイとおチヨさんとクルミちゃんとハルコの5人全員の幸せが保証されたうえでの「文句の付けようがないラブコメ」が見れるということの証左ですね!
……っていうことを把握しました。(=ハルコの妄想であることは看破)

それにしても恥ずかしがるハルコは可愛かった…!



66p:こんのすけこましのすっとこどっこーい!
こんのすけこましのすっとこどっこーい!
ハルコに対してもクルミちゃんに対しても「つい出ちゃった」って軽いノリで可愛いだの女性として魅力的だの言ってるけど、君そのシチュエーションの破壊力分かってる?分かってないでしょ!?
ハルコに対しては、恐らく46兆の46兆乗の繰り返しのなかでもぶれることのなかった庭でのティータイムでの告白。記憶が無くても心が忘れない時間。数少ない確約された「2人だけの時間」にハルコがどれだけの思いを持っているかは、クルミちゃんがティータイム来てるときの不機嫌さで明白。
クルミちゃんに対しては、良き友人としての我儘という形を取ったデートの終盤、万全の計画を立てたクルミちゃんの計画外の体調不良による膝枕療養中の告白。良き友達、良き同僚としてユウキの傍に物理的にも精神的にも居続けたクルミちゃんに物理距離ゼロからの照れ笑顔。そんなん赤くなるわばか。
すっっっっごく「夏祭り」歌いたくなるシチュエーションでした。



70p:なるほど資格から入る
⇒プロの人を真似る時、「まず形から入る」とよく申します。
個人的には形から入りつつ理屈を学んで理解に努めるのが究極にして唯一解だと思ってますが。
ともかく、おチヨさんのようなパーフェクトな人材を目指すのならば、まず資格から入るというのも一種「形から入る」になるのかなぁと。
教員免許、調理師免許、英検一級、危険物取扱者甲種、利き酒師免許etc…。
……何年かかりますかねー?



94p:なんだかんだでおチヨさん。されど……?
⇒いつものぱーふぇくとめいどを崩さずユウキに迫るおチヨさん。
ユウキに調子を狂わされることにが多くなってきた彼女の、なけ無しの反撃も半ば不発に終わってしまった感じでした。
ユウキの成長を感じるのはもちろん、おチヨさんがそれ程までに心を開いていることにも他ならないのでなんか嬉しくなりました。
……おチヨさん、ドキドキしてたんでしょうか…?
1人になった時に思い出して赤面してそうで可愛い!待っておチヨさん笑顔がコワイッ



108p:……と思ったらぶっ壊れた……
⇒いえーい!今まで全く想像していなかったおチヨさんの一面いえーい!
セカイの泥酔はまぁいつも通り(?)として、クルミちゃんとハルコの泥酔姿は絵にな……らないですし、おチヨさんに至っては触れちゃいけないレベルに達していますね!
もしかしたら就活をする娘たちに、巣立つ子らに感慨を覚えているのかもしれませんね。
いえーい!よく考えたら娘たちに混じって大学の非常勤講師が就活スタイルいえーい!



169p:いつもの
⇒このシリーズは、やっぱりこれが無くちゃ始まりませんね!
すなわちユウキのプロポーズ、セカイの即断。
折角手繰り寄せた未来にコレが無いだなんて、たとえ神でも納得しないでしょう。



180p:復活!
⇒「……開いた口がふさがらなかった俺、ここでようやく復活!
いやぁ、良いフレーズ!
声に出して読みたい日本語。



187p:餃子は無いが、ビールはOK
⇒金麦をあけました



189p:九十九機関、ふむふむ……。
⇒バタフライエフェクトか、あるいは何者かに意図された擦り合せか……。
どちらに転がっても良いような心構えが必要だったので、すこーし休憩を挟みましたね。
休憩しながら考えた結果、バタフライエフェクトなら「再び始まる永遠のラブコメ」として、意図されたものなら「今度は皆で世界を、セカイを救おう!」として文句の付けようがないラブコメになると確信したので、読書再開。



199p:ですよね。お決まりをありがとう。
⇒まぁこっちですよね。直前に予想したうちの後者。
文章的には「挨拶中だから顔を上げられない」という外部的理由と、「声に聞き覚えがあり怖くて/嬉しくて/信じられなくて顔を上げられない」という内部的理由の2つが込められていて、それはそのままユウキの心が1つにまとまっていないことを表しているのかなぁ、と。

ドアを開け、挨拶を言い始める前に頭を下げる。
接客なら完全にアウトな一幕ですが(相手の目を見る!礼はその後!)、営業だとまた違ったりするんですかね……?



205p:「縁」
⇒文句の付けようがないラブコメなのに、愛ではなく縁であるという。
粋ですねぇ……。
この一文が無かったら家族愛や友愛なんかをシリーズの芯であるかのように感想書くところでしたが、確かに愛でもありますが縁という言葉もしっくり来ますね。
むしろ1人対1人ではなく5人揃っての奇跡であったことを考えると、愛という言葉に違和感を覚えるまであります。
ユウキとセカイが結ばれる理由は愛であっても、ふたりが出会ったのは縁を決して手放さなかったどこかの諦め悪い男の子の成果であり、女の子たちの遠回りなフォローのおかげ。
末永くお幸せに。



212p:俺たちの戦いはこれからだ
先生の次回作は既に手元に。




~memo~



そんなわけで本当に最終巻。
1巻ラストで衝撃を受けたことがはるか昔のことのようです。
色々なラブコメの形を見させていただいて、そのどれもが「文句の付けようがないラブコメ」で。
本っ当に面白かったです!!


セカイに良き未来があらんことを!




以上!



文句の付けようがないラブコメ 7 (ダッシュエックス文庫)
鈴木 大輔
集英社 (2017-12-22)
売り上げランキング: 8,465

どもー。
デスカイザーです。


無意識にやってるリズミカルな歯ぎしりのせいで顎が疲れてます…。

※説明しよう!
リズミカルな歯ぎしりとは、左奥歯、左八重歯、前歯、右八重歯、右奥歯の五箇所を左が低い音、右が高い音というルールに則って打ち鳴らす音楽だ!
ピアノの五指を五歯でやるようなものだと思ってくれれば良い!
自分でも何を言ってるか分からないが、やってしまっているんだからしょうがない!




今日のラノベ!
先に言いますが今日は酷評気味ですあしからず。


骨の髄まで異世界をしゃぶるのが鈴木なのよー!!

ダッシュエックス文庫より
『骨の髄まで異世界をしゃぶるのが鈴木なのよー!!』です。



【あらすじ】

あれ山田じゃん。何か女神っぽい奴に異世界召喚されかかってるじゃん。なになに?山田が魔王を倒す勇者?おーい山田!面白そうな話してんな。オレが代わりに異世界行ってやるから授業のノート取っとけよ。…あぁん?勇者になりたいから嫌だぁ?勧誘して魔王暗殺の訓練積ませた少年兵を『勇者』と呼ぶって、それテロリストの手口じゃん!お前ぼっちだから騙されてんだよ!おい女神、賢いオレが魔王と和平交渉して(しかるのちに異世界を支配して)やるから連れて行け!ん?お前だれ?一味違った異世界ものを探してる読者?仕方ない、一緒に来いよ。でも拾ったアイテムとかは全部オレのね!!



感想:★☆☆☆☆


あんまりあらすじ読まない派の自分が悪いのだけれども、ここまでタイトルに惹かれて、ここまで生理的に受け付けない内容のラノベは初めてでした……。
いやでも今あらすじ読んでも「ギリギリ…有り」ってなるからなぁ…。



(序章:~27p)
異世界に召喚されかけていた山田のところに鈴木が割り込んで来て、女神と交渉するシーン。
「勇者召喚」という手段に対する批判や「その後はどうする?」という視点を召喚の時点でしているのは面白かったです。
部外者に内情不安を伝え丸投げしている、という発想は今まで無かったですね…。
「人に倒させる」という形を取ることで人道的になるよう配慮しているとか、奴隷や召使がごく一般的に普及しているから他人を道具として見ることに疑問を持たないとか、追加で色々考えて楽しめました。

もっとも読んでいる間は山田に対する鈴木の態度に強い憤りを感じていたので、そのあたり冷静に考えられたのは読後しばらくしてからなんですがね……。



(1章~)
えーっとですね…。
アニ(表紙の子)が聖騎士に転職しようとしたところを、貧乳を馬鹿にした上で盗賊に転職させアニの努力を無駄にしたシーンで主人公・鈴木へのヘイトがマックスになりました。
実に1章開始から15pの出来事です!
本全体でも45pほどなんですが……、うん、こういうこともあるんですね。

もうそこから先は基本的に何が起こっても何も面白くなかったです。
要素要素で見ていけば面白そうなシーン・ネタはたくさんありましたし、だからこそ最後まで読むことができたんですよ…。
もしかしたら最後にどんでん返しがあるかもしれないという考えも少しはありました(あっても★1には変わりないですが)。




無かった





山田がPTSDになった件。
異世界転生勇者もの、とくに攻撃魔法とかガンガン使う系のラノベに対して、まさに一石を投じる場面です。
現代日本の平和に慣れきった高校生が、人にしろ獣にしろ「敵」を倒した後の惨憺たる光景に順応できるわけがないですから。
仮に相手が死んでなかったとしても、加害者としての振る舞い・思考にどれだけ耐えられるのか。
例えば獣を狩る場合は消滅という対抗策が既に一般化されているが、同勢力の分裂に巻き込まれた場合は?敵側で交流のあったキャラの消滅は遺骸が残らないという「惨憺たる光景」以上に精神的ダメージがありそうだが大丈夫か?

……と、これまた読後に非常に楽しく考察させていただきましたが、読んでる間はそんな冷静でも無かったですね。
序章であれだけの仕打ちをして、ピンチになったら「自らの無能を棚上げして第三者を呼びつけ解決させる」というブーメランを華麗に決めた上で山田に多大な精神的ダメージを追わせたわけです。
物語としてはキレイにまとまってますが、感情的には「ふざけるな」ですよ。
PTSDの件は、別のタイミングで出してくれたらもっと素直に考察できたのに…、と残念です。


で、最後にアニの胸を揉んで終わり。
序盤で貧乳を馬鹿にしたくせに。
ふざけるな。




ミレアが可愛かったです。
ほぼ唯一のオアシスだったと言っても過言では無いでしょう。
でもミレアが可愛いのって鈴木に恋してるからなんですよね。
複雑。



2巻が出ても読みませんが、望月充っ先生の新作には期待しています。
……あらすじはちゃんと読んだ上で買うかどうか決めます。



最後になりましたが、
酷評によりご気分を害された方がいらっしゃいましたらお詫びいたします。




以上!


骨の髄まで異世界をしゃぶるのが鈴木なのよー! ! (ダッシュエックス文庫)
望月 充っ
集英社 (2017-08-25)
売り上げランキング: 454,466

どもー。
デスカイザーです。


お待たせしました!
やっと感想が書ける状態になりました!
(視界の右側にある段ボールから目を背けつつ)

まぁもっとも明日から本格的にお仕事生活が始まるので、更新頻度はあまり上がらないかもしれませんが…。
拘束時間的には大学時代のアルバイトと変わらないので、意外といける気もしてます。



では、今日のラノベ!


文句の付けようがないラブコメ 6

ダッシュエックス文庫より
『文句の付けようがないラブコメ 6』です。


【あらすじ】

果てなき輪廻の果てに。数多の被験者のうち、“非人道的実験”に成功して生き延びることができたのは少女Aだけだった。世界を救う英雄たる使命を背負った少女A。周囲にあるのは無数の書物が並ぶ図書館のみ―彼女の心象世界には時間も空間もない。世界救済を探るためのあらゆる可能性を、ただひたすら演算するだけの存在として、少女Aは存続していく。そんな彼女の前に突如、異物たる少年Bが現れてこう言った。「お前さ。俺と結婚しねえ?」「はい。よろしくお願いします」永遠とも思えた輪廻の果てに待つ、少女Aと少年Bの結末とは?『文句の付けようがないラブコメ』がここに終わり、そしてまた始まる―




感想:★★★★★

終わりにして始まり
始まりにして終わり





AとBのいる世界」と「CとDとEが裁定者として世界を推測する世界」の2パートが交互に繰り返されていく構成。

「「CDEの世界」は、その存在が矛盾しているところがキーでしょう。
監視、裁定する立場であり役者でもある立場である彼女らが、その舞台の存在そのものに疑問を差し挟むだけのパートなのですから。
そして疑問を持ち得るということはどういうことか?
舞台の未成立、すなわち繰り返すゲームの終わりであると。
では、このくそったれなゲームを始めたのは、この世界の神は誰だ?」


っていうところがざっくり「CDEの世界」で語られていた内容ではと。
クルミちゃんほどでは無いにしろ、おチヨさんほど頭が回るわけでは無いので解釈が間違っているのではと不安になりながら読んでました…。

理解しきれなかったのは単純に一気に読めなかったというのもあるけれど、「ABの世界」が間に挟まるという構成の弊害でもあったと思います。
この構成にはそれ以上の価値があるのでしょうがないのですが。




「ABの世界」の内容は突き詰めればシンプル。
ずばり「Aの名前をつけよう」!

Aは知識はあっても記憶はなく、本があっても理解が無いようなそんな状態。
そこに突如現れたBは結婚を申し込み、Aは受け入れ…。
長い長い時間をかけて(時間の概念が意味を為さない空間ではあるけれども)口を動かすことを「思い出し」、感情を「思い出し」、思考を、口調を……そして記憶と事実を。


上に書いた「それ以上の価値」っていうのはこの部分にありまして。
徐々に徐々にA……セカイという神が自分のことを思い出すのと並行して、それを裁定するCDEも真実に近づいているところ。
そしてその真実が最終的にこれまでのこのシリーズを覆すものだというところ!!!




千億のループの果て、46兆年の月日の果てにたどり着いた「ABの世界」が、それでもなお「1回目のゲーム」。
既刊5冊のループ、えぇ、悲しくも美しい文句のつけようがないラブコメが、まさに一瞬の出来事のような。
そしてその46兆年×46兆回分のパターンを構築するだけの情報処理能力をもつセカイと、それを全て実行してきたユウキ。


無限の果てに元に戻った世界の救済、ラブコメの「続き」。
文句をつけられるはずがあるだろうか、いやない。




……え?これ続刊あるの…?



以上!



文句の付けようがないラブコメ 6 (ダッシュエックス文庫)
鈴木 大輔
集英社 (2016-11-25)
売り上げランキング: 42,828

どもー。
デスカイザーです。

コミケに行っていたのに企業ブースで発表された新情報を1つも把握していない疑惑アリ!
……調べます…。



今日のラノベ!

その10文字を、僕は忘れない

ダッシュエックス文庫より
『その10文字を、僕は忘れない』です。


【あらすじ】

宮崎菫は一日に10文字しかしゃべれない。それ以上は声にならないのだ。スケッチブックで会話をする彼女は教室で浮いた存在だった。けれど不器用でも懸命に対話しようとする姿と、誰よりも純粋な心に、俺は惹かれていった。図書館で勉強を教えてくれた時、横顔が気になって勉強どころじゃなかった。プールで見た水着が可愛すぎて、息が止まるかと思った。初めてケンカをして、初めて仲直りのキスをした―。「ありがとう」も、「ごめんなさい」も、「嬉しい」も、「大好き」も。大切なことは10文字でみんな伝えられるって、そう思ってた。でも、菫が背負う過去の痛みも、菫の隣にいることの意味も、俺はわかっていなかったんだ―。


感想:★★★★★

表紙・タイトルから受ける「切ない系ラブコメ」という印象を裏切らない、けど予想は超えていく作品でした。



精神的ショックから声を失ってしまうという作品はよくありますし現実にも起こりうることですが、この作品のヒロイン・菫は「1日に10文字しか喋れない」という症状で、しかもその10文字も周りに親しい人しかいない時にしか喋れないというもの。

やっぱりこの作品の最大の良さは、その「10文字」という制限にあると思います。

・普段は筆談であるからこそ、会話のテンポの差がそのまま物語の緩急を示す。
・限られた文字数しか喋れないからこそ、口にするときの重要度が伝わる。
・制限を使い切った後どうしても喋れない時の絶望感が生まれる。


”0”でも”100”でもない、”10”だからこそ起こる効果が遺憾無く詰め込まれていました。



ストーリーは、トラウマを抱え周りとの距離を作る菫と主人公・蒼とのもどかしい距離感を描く……のかと思いきや、とある人物の一言により徐々に雲行きが怪しくなり…、というもの。

上述のとおり10文字という制限、筆談という制限のなかで心情を伝える菫の存在がある一方で、蒼と菫の関係を変えるきっかけとなったのが言葉である、というのがなんとも言えない皮肉さを醸し出していますね…。
今思えば菫の保護者代わりをしている小花衣先生が普段からその人のことを愚痴っていたのも伏線だったんですかね?
10文字以上の発言であったのもまた皮肉です…。



あとですね。
菫のことを蒼が「宮崎(菫の苗字)の中には、自分が存在していない」(123p)と評する場面があるんですが、これがまた面白い。


というのも、自分が存在していないと評したおそらく「”自分が存在している”蒼」の菫への気持ちは、周囲の後押しで気づき、心無い一言で簡単に崩れ、そして全てを見透かした一言で救われ…。

それは果たして”自分が存在している”と言えるんでしょうか?


「考え、悩み、意見を持つこと」という意味では”自分が存在している”と言えるのかもしれませんが、その場合菫にも”自分が存在している”わけで。
なぜなら「相手の意見を受け入れる」という行為に至る過程に自我が入っているから。
プログラムみたいに最初からそういう存在であったわけでは無い以上、「相手の意見を受け入れる」という意見は認められて然るべきです。


さて、ここでちょっとした矛盾が生まれてきました。
蒼のことを”自分が存在している”とするならば、菫のことも”自分が存在している”としなければ辻褄が合わなくなります。
もしくは蒼も菫も”自分が存在していない”とするか。


私のしょうもない頭ではこのあたりで議論が煮詰まってしまったのですが、どちらにせよ言えるのは、何気ない一言が相手の人生を変えてしまうかもしれない、という事。
菫から言葉を奪ったのも、蒼から自分を奪い去ったのも、言葉でした。
でも、菫と蒼の心が通じ合ったのも、菫が蒼に誓ったのも、また言葉でした。


言葉にも裏と表がある。
それをどう使うかは使い手しだい、と。


そんな感じのまとめで終わりとしましょう。




っとその前にひとつだけ。
テーマや内容は重い部分があるけど、一人称の地の文は日常パートで軽快に、シリアスパートでは対照的に重さを増すものとしてうまく働いていたとも思います。
これだからラノベ読むのはやめられない



以上!

その10文字を、僕は忘れない (ダッシュエックス文庫)
持崎 湯葉
集英社 (2016-07-22)
売り上げランキング: 7,530

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